異世界転生×ユニークスキル マイホームで無双する!?【TOP10入り感謝!】

月神世一

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EP 41

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勝利の余韻と、火事場泥棒の騎士団
首無し暗黒騎士が魔力の光と共に消滅し、後に残されたのは静寂と、床に転がるただの鎧の残骸だけだった。
「……やった……のか?」
真守は、まだ紅蓮のオーラの余韻が残る三節棍「王帝」を握りしめたまま、荒い息をついた。
「やったよ、マモル! すごい、本当にすごいよ!」
フィリアが駆け寄り、その目には喜びの涙が浮かんでいる。
「見事な一撃でしたわ、マモル様! 皆様の力が一つになった、希望の光です!」
エルミナも、聖鎧を纏ったまま、安堵の微笑みを浮かべた。
「ふん……まあ、私の読み通りだな。だが、決めるべき時に決められるその度胸と力は、評価してやろう」
デュラスも、いつもの皮肉を交えながら、その声には隠せない称賛の色が滲んでいた。
四人は互いの健闘を称え合い、命がけの戦いを乗り越えた達成感に包まれる。
そして、暗黒騎士が消えた場所には、ゴトリ、と音を立てて、黒曜石と銀の装飾が施された、荘厳な宝箱が出現した。
「おおっ!ボス討伐の報酬だ!」
「何が入ってるのかな? きっとすごいお宝だよ!」
フィリアが子供のようにはしゃぎ、真守が「よし、開けてみるか」と宝箱に手をかけようとした、その時だった。
カツン、カツン、カツン……。
ボス部屋の入り口から、複数の重々しい足音が響いてきた。
そこに立っていたのは、エルドラド王国騎士団「獅子心隊」のレオパルド隊長と、物々しい武装の騎士たちだった。彼らは、戦闘が終わった絶妙なタイミングで現れたのだ。
「……ほう。見事なものだな。まさか貴殿らのような新米冒険者が、この第一階層の主を討ち破るとは、驚きだ」
レオパルド隊長は、拍手こそしないものの、口先だけの称賛を送る。しかし、その目は真守たちではなく、その後ろにある宝箱に釘付けになっていた。
「レオパルド隊長、どうしてここに……」
真守が訝しげに問うと、レオパルドは尊大な態度で胸を張った。
「このダンジョンは、現在、王国騎士団の特別管理下にある。危険なボスモンスターの討伐と、そこから得られる戦利品の調査・管理は、我々騎士団の重要な責務である! よって、その宝箱は、王国法に基づき、我々が確保させてもらう!」
「なっ……!?」
そのあまりにも理不尽な言い分に、フィリアとエルミナが声を上げる。
「ひどい! 私たちが命がけで戦って手に入れた宝物なのに!」
「そうですわ! そのような横暴、騎士の名が泣きます!」
しかし、レオパルドは鼻で笑った。
「貴殿らはまだEランクの新人パーティ。ギルド規約上、このような高レベルのボスと交戦し、S級ダンジョンの貴重な戦利品を得る資格はない。これは規則違反にあたる可能性もあるのだ。文句があるなら、ギルド本部に申し立てるがいい」
彼は、部下たちに顎でしゃくった。
「――何をしている。速やかに宝箱を確保せよ!」
騎士たちが宝箱に歩み寄ろうとした瞬間、デュラスが冷たく言い放った。
「ほう、これがエルドラド王国の誇る騎士団のやり方か。火事場泥棒と大差ないな」
彼は一歩前に出ると、その手にした「夜詠みの魔杖」から、微かに黒い魔力が立ち昇り始めた。
エルミナも、決然とした表情でランスを構え、宝箱の前に立ちはだかる。
「神聖なる試練の報酬を、不当な力で奪うことは、神への冒涜に他なりませんわ!」
フィリアも、再び弓を引き絞り、その切っ先は真っ直ぐにレオパルド隊長へと向けられていた。
「私たちの仲間が勝ち取った成果を、横取りなんて絶対にさせない!」
一触即発。
騎士たちが剣の柄に手をかける。
その時、真守が静かに、しかしよく通る声でレオパルドの名を呼んだ。
「レオパルド隊長」
真守は、「王帝」をゆっくりと肩に担ぎ、冷静な目で騎士団長を見据えた。
「俺たちは、冒険者ギルド『ラックギオン』に正式に登録し、このダンジョン攻略のクエストを受注している。ギルド規約によれば、パーティが正当な手段で倒したモンスターの素材と、発見した宝物の第一所有権は、そのパーティにあるはずだ。あなたの言っていることは、ギルド規約への明確な介入であり、越権行為だ」
「何を言うか!たかがEランクの若造が!」
「――そして、もう一つ」真守は言葉を続けた。「俺は、商業ギルド『ゼニゲコ』のプラチナランク商人、加藤真守。このダンジョンから得られる希少素材は、ユリアン支店長との契約に基づき、ギルドを通じて正当なルートで王国経済に貢献させることになっている。それを、騎士団が不当に没収するというのであれば……」
真守は、そこで一度言葉を切り、ふっと笑みを浮かべた。
「……商業ギルド全体を敵に回す覚悟が、あなたと、エルドラド王国におありになる、ということかな?」
その言葉の重みに、レオパルドの顔色が変わった。商業ギルドの最高ランクであるプラチナ。それは、一国の経済すら左右しかねない存在だ。その商人を敵に回すことが、どれほど愚かなことか。
真守の肩に担がれた三節棍「王帝」から、まるで主の意思に応えるかのように、威圧的なオーラが微かに放たれ、レオパルドの肌をピリピリと刺す。
「……くっ……!」
レオパルドは、真守の予想外の反撃と、その背後にある巨大な権力の影に、忌々しげに顔を歪めた。
しばらくの沈黙の後、彼は吐き捨てるように言った。
「……よかろう。今回は貴殿らの功績と権利を認めよう。だが、忘れるな。このダンジョン内の活動は、引き続き我々騎士団が厳しく監視させてもらう!少しでも規律に反する行いがあれば、その時は容赦せんぞ!」
彼はそう言い残すと、「撤収だ!」と部下たちに命じ、悔しさを滲ませながらボス部屋を後にしていった。
残されたのは、勝利の達成感と、そして新たな対立の火種だった。
真守は、自分の手にした「地位」と「力」が、理不尽な権力に対する有効な武器になることを、改めて実感していた。
そして、このダンジョン攻略が、単なる冒険ではなく、自分たちの自由と未来を勝ち取るための「戦い」でもあることを、仲間たち全員が理解した瞬間だった。
「さて、と」真守は、仲間たちに向き直り、ニヤリと笑った。「お楽しみの宝箱、開けてみますか」
その顔には、新たな困難への覚悟と、それを乗り越えていくことへの確かな自信が浮かんでいた。
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