異世界転生×ユニークスキル マイホームで無双する!?【TOP10入り感謝!】

月神世一

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第二章 神竜の守護者

EP 6

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公爵閣下と堅物執事、そして城造りの始まり
アルニア村の即席教室。その入り口に仁王立ちする、一分の隙もない執事服の男、エドガー。彼の腹の底からの絶叫が、和やかだった授業の空気を切り裂いた。
「―――公爵様ッッ!!!」
「え?あ、俺か」
真守は、チョークで白くなった手をポリポリと掻きながら、ようやく自分に呼びかけられているのだと気づいた。
「貴方は……?」
「わたくし、本日付でマモル公爵閣下の筆頭執事兼、首席政務官を拝命いたしました、エドガーと申します!して、公爵ともあろう御方が、何故このような場所で、このような事を……!?」
エドガーは、信じられないものを見る目で、真守のラフな格好と、子供たちに囲まれて楽しそうな様子を交互に見やる。
「いや~、まあ、成り行きで。それに、俺、元の世界じゃ教師だったから、こういうのは性に合ってるんだ」
真守の悪びれない、あまりにも自然な返答に、エドガーの固い表情がひきつった。
「きょ、教師……!?あががが……!」
彼の血圧が急上昇する音が聞こえてきそうだ。エドガーはこめかみを押さえ、眩暈に耐えるようにふらついた。
「ま、固い話は後でゆっくり聞くよ。――よーし、じゃあ今日はここまで!皆、今日習ったところ、ちゃんと宿題で復習してくるんだぞ~!」
「「「はーい、マモル先生!さようなら!」」」
子供たちが元気よく挨拶し、教室から出ていく。その光景に、エドガーはさらに頭を抱えた。
「それで、エドガーさん。話ってのは……」
真守は、エドガーをマイホームへと案内した。そして、リビングのドアを開けた瞬間、エドガーは本日二度目の衝撃を受けることになる。
「な、な、な、何ですとおおおおお!?この、光り輝く部屋は!?この壁は!?この床は!?一体、どのような魔法を用いれば、これほどの空間を……!?」
彼は、LED照明の明るさに目を白黒させ、システムキッチンの機能美に絶句し、ふかふかのソファの座り心地に腰を抜かしそうになっていた。
「ふふっ。誰もが通る道ね、エドガーさんも」
「えぇ。わたくしたちも、最初はそうでしたわ」
リビングでくつろいでいたフィリアとエルミナが、その反応を見て、達観したように微笑んでいる。
「さて、執事殿」デュラスが、呆然とするエドガーに冷静に声をかけた。「いつまでも興奮しているのは構わんが、そろそろ話を進めないか。我々には、やるべきことが山ほどある」
デュラスの言葉に、エドガーはハッと我に返り、咳払いを一つして執事としての威厳を取り繕った。
「し、失礼いたしました。では、本題に。今後の公爵領の整備についてです。まずは、公爵閣下の政務を執り行う『公爵府』の建設が急務かと。まさか、この個人のお住まいを、執務の場とされるおつもりでは……」
「いや、もちろん、そのつもりはないよ」真守はあっさりと言った。「この家は、あくまで俺たちのプライベートな『私邸』みたいな感じで使いたいんだ。仕事をするなら、やっぱり、それ用の場所が必要だよな。それこそ、お城みたいなところがさ」
「城……ですと?」
「ああ。ちょっと待っててくれ」
真守はそう言うと、書斎のパソコンを操作し始めた。そして、リビングの白い壁に、プロジェクターで次々と画像を投影していく。
そこには、日本の壮麗な天守閣、ヨーロッパの堅牢な石造りの城、果てはファンタジー映画に出てくるような幻想的な空中城塞まで、ありとあらゆる「城」の設計図や想像図が映し出されていた。
エドガーは、その光景を、口を半開きにしたまま見上げていた。
「な、何という……これは、マモル公爵閣下のユニークスキルの一部なのですか!?書物を空間に投影し、瞬時に呼び出すなど、神々の御業……!」
彼は、PCやプロジェクターの機能を、真守のスキルの一部だと完全に誤解していた。
しかし、次の瞬間には、彼の表情は有能な文官のそれへと切り替わっていた。
「……素晴らしい!この設計図、特にこの石組みの構造と防衛機構は、我が国の城塞建築術にも応用できるやもしれん!さ、早速、この資料を元に、ガンツ殿と詳細な打ち合わせをせねば!資材の調達!人員の配置!予算の策定!ああ、やるべきことが山積みに!」
先程までの混乱はどこへやら、エドガーは完全に仕事モードに入り、ブツブツと計画を呟きながら、リビングを行ったり来たりし始めた。
そのあまりの切り替えの速さに、真守たちは顔を見合わせる。
(……なんか、すごいのが来ちゃったな)
真守は、これから始まるであろう、さらに賑やかで、そしてとてつもなく忙しい日々を予感し、遠い目をするのだった。
彼のスローライフの夢は、もはや地平線の彼方へと消え去ろうとしていた。
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