異世界転生×ユニークスキル マイホームで無双する!?【TOP10入り感謝!】

月神世一

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第二章 神竜の守護者

EP 28

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帰還、決闘の約束、そして執事の胃痛
アルニア公爵領の「マイホーム」。
三人の王が去った後、真守とその仲間たちは、ようやく我が家へと帰還し、リビングの大きなソファにどっと体を沈めた。外の喧騒が嘘のような、静かで快適な空間。しかし、その場の空気は、安堵と、そして途方もない疲労感で満ちていた。
「ど、どうなったの、マモル……?あの三人の王様たち、怒って帰っちゃったけど……戦争になったりしないよね……?」
フィリアが、不安そうに真守の顔を覗き込む。彼女はずっと、気が気でなかったのだ。
「んー、まあ、どうだろうな」真守は、天井を見上げながら、どこか他人事のように言った。「とりあえず、話はまとまった……と思う。サルバロスとは、今度タイマンすることになったがな」
「えええええええええええっ!?」
その場にいたフィリアとエルミナの、絶叫に近い悲鳴が重なった。
「た、タイマン!?あの、大陸最強と謳われる魔王サルバロス様と、マモル様がお一人で戦うというのですか!?」
エルミナは、信じられないというように、わなわなと震えている。
「そんなに凄いのか、あの魔王様は」真守は、けろりとした顔で続ける。「まあ、確かにとんでもないオーラだったけどな。だが、同じ生き物だ。やってみなきゃ分からんだろ。勝てる可能性は、ゼロじゃないさ」
そのあまりにも楽観的な物言いに、仲間たちは言葉を失う。
「……マモル。お前のその、時折見せる無謀なまでの度胸には、私も驚きを禁じ得んな」
デュラスが、こめかみを押さえながら、深すぎるため息をついた。
「魔王との決闘の約束も大概だが、それだけではあるまい。お前の思い付きは、滅びかけた竜人族を、丸ごとこのアルニアに住まわせることにもなったのだぞ。どう収拾をつけるつもりだ」
「まあまあ」真守は、ソファから立ち上がると、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出した。「細かいことは、エドガーさんが何とかしてくれるさ。それより、酒は皆で飲んだ方が楽しいだろ?竜人族も、一緒に飲めば、きっと分かり合えるさ」
その時、部屋の隅で一連の報告を聞き、青い顔で書類をまとめていた筆頭執事エドガーが、がっくりと膝から崩れ落ちた。
「…………何て御方の元に、わたくしは付いてしまったのか…………」
彼の呟きは、悲痛であり、そして心からのものであった。Sランク冒険者でプラチナ商人、それはいい。神竜の守護者、それも理解しよう。だが、魔王と決闘の約束を取り付け、竜人族の全面移住を受け入れ、その理由を「酒は皆で飲んだ方が楽しいから」と言い放つ主君。エドガーの48年間の人生で培ってきた常識と価値観は、この数日で完全に破壊され尽くしていた。彼の胃は、もう限界だった。
そんなエドガーの心痛など露知らず、真守たちの平和な(?)日常は続いていく。
デュラスは、主君の無謀な計画の実現性を脳内でシミュレートし始め、フィリアとエルミナは「竜人族のお友達、できるかな?」「歓迎会を開きませんと!」と、新たな隣人との交流に胸を躍らせている。
そして真守は、そんな仲間たちの顔を見て、静かに微笑んでいた。
(大変なのは、これからだな)
だが、不思議と不安はなかった。
どんな困難が待ち受けていようと、この最高の仲間たちと、そしてこの最高の我が家があれば、きっと何とかなる。
そんな、根拠のない、しかし揺るぎない確信が、彼の胸にはあった。
アルニア公爵、加藤真守。彼の本当の「国作り」は、今、始まったばかりだ。
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