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第四章 鬼の恋
EP 7
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鬼の涙、修羅の剣
深夜の日本橋。
大店「松坂屋」の周辺は、死のような静寂に包まれていた。
月明かりすらない曇天の下、黒い影の集団が音もなく蔵へと迫る。
凶悪盗賊団「霧蜘蛛(きりぐも)」。
彼らは、お紗代からの情報――「火盗改は品川へ向かった」という偽情報――を信じ、無防備な獲物に群がる餓鬼のように殺到していた。
「……ヒヒッ。チョロいもんだぜ」
頭目の蜘蛛助(くもすけ)が、蔵の前に立ち、解錠役の手下に目配せする。
「火盗改の長官サマは、今頃品川で空振りだ。
今のうちに、ごっそり頂くぞ」
手下が錠前を焼き切る。
ガチャン、と重い音がして、蔵の扉が開かれた。
その中には、千両箱の山が――
「――ようこそ。火付盗賊改の処刑場へ」
「あ?」
蜘蛛助が目を凝らすと、蔵の闇の中に、鬼が座っていた。
豪奢な陣羽織。抜き身の長剣。
そして、胸に真っ赤な椿を挿した男。
堂羅デューラ。
「て、手前ェ……!? なんでここに! 品川じゃねえのか!?」
蜘蛛助が裏返った声で叫ぶ。
デューラは、ゆらりと立ち上がった。
その全身から立ち昇る殺気は、今まで彼が対峙してきたどんな悪党よりも凄まじく、冷たかった。
「……品川? 誰がそんなことを言った?」
デューラが一歩踏み出す。
「俺はずっと待っていたぞ。……愛する女を道具にした、貴様らというゴミクズをな」
チャキッ!!
その言葉を合図に、松坂屋の屋根、路地の陰、荷車の影から、武装した火盗改の隊士たちが一斉に姿を現した。
「火付盗賊改だッ!! 御用だッ!!」
「抵抗する者は斬り捨てろッ!!」
四方八方からの提灯の光が、闇を昼間のように照らし出す。
完全包囲。
「は、嵌めやがったなァァッ!!」
蜘蛛助が抜刀し、喚く。
「野郎ども! 囲みを破れ! 殺して逃げろ!」
死闘の幕が切って落とされた。
「オラァァァ!!」
盗賊の一人が、デューラに斬りかかる。
「遅い」
デューラは、最小限の動きで切っ先をかわすと、すれ違いざまに一閃。
「ギャッ!?」
男は血飛沫を上げて崩れ落ちる。
普段のデューラなら、峰打ちや捕縛術を使い、生け捕りを優先する。
だが今夜は違う。
彼の手にあるのは「捕縛」のための十手ではない。「断罪」のための剣だ。
「……法の手続き(デュー・プロセス)? 知ったことか」
デューラは、返り血を浴びた顔で呟く。
「貴様らには、黙秘権も、弁護人を呼ぶ権利もない。
……あるのは、地獄へ落ちる権利だけだ」
「ひ、ひぃッ! こいつ、マジだ! 殺る気だ!」
盗賊たちが恐怖に駆られて逃げ惑う。
だが、逃げ道はない。
屋根の上からは、喜助が投げた無数の撒菱(まきびし)と、蘭の吹き矢が雨のように降り注ぐ。
「逃がすかよ。……お前らのせいで泣いた女の分、きっちり払ってもらうぜ!」
戦場は一方的だった。
エリート部隊の統率力と、デューラという「修羅」の圧倒的な武力が、霧蜘蛛一味を蹂躙していく。
「くそっ……くそっ……!」
蜘蛛助は、手下を盾にしながら後退していた。
「あのアマ……! お紗代の野郎、裏切りやがったな!
母親を人質に取られてるってのに、見殺しにする気か!?」
蜘蛛助は、路地の奥へと逃げ込もうとする。
だが、その前に黒い影が立ちはだかった。
「……どこへ行く、蜘蛛助」
堂羅デューラ。
雨のような返り血で、着ていた陣羽織は真っ赤に染まっていた。
胸元の椿と、血の色が見分けがつかないほどに。
「ひッ……! 待て、待て長官!」
蜘蛛助は、へたり込みながら後ずさる。
「わ、悪かった! 俺が悪かった!
そうだ、取引だ! 金ならある! あの女の母親も助けてやる! だから……」
「……」
デューラは無言で間合いを詰める。
蜘蛛助は、追い詰められ、逆切れしたように叫んだ。
「全部、あの女が悪いのさ!
お紗代だ! あのあばずれが!
テメェに色目使って、俺たちを売って……テメェのことも騙してやがったんだぞ!
母親も見捨てるような、薄汚ねえメス豚だ!」
ピタリ。
デューラの足が止まった。
静寂。
戦場の喧騒が、遠のいていく。
「……今、なんと申した」
デューラの声は、恐ろしいほど静かだった。
「あ? だから、お紗代なんていう汚ねえアマは……」
「その名を、貴様の汚い口で呼ぶなァァァッ!!」
デューラの咆哮が、夜気を切り裂いた。
それは、理性も、法も、検察官としての矜持もすべてかなぐり捨てた、一人の男の魂の叫びだった。
「ひっ!?」
蜘蛛助が刀を構える暇もなかった。
デューラの剣が、銀色の閃光となって走った。
ザンッ!!
袈裟懸けの一撃。
蜘蛛助の刀ごと、その体を深々と切り裂いた。
「が……は……」
蜘蛛助は、信じられないものを見る目でデューラを見上げ、そしてどうと倒れた。
「……彼女は、汚れてなどいない」
デューラは、血振るいをし、刀を鞘に納めた。
その目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。
「誰よりも清らかで……誰よりも優しい、俺の花だ」
戦いは終わった。
霧蜘蛛一味は壊滅。頭目の蜘蛛助は死亡。残党はすべて捕縛された。
火盗改の大勝利だ。
「……長官」
蘭が、屋根から降りてきた。
その表情は暗い。
デューラは、周囲を見回した。
捕縛された盗賊たちの中に、あるいは物陰に、彼女の姿を探して。
「……いないか」
「ええ。どこにも」
蘭は首を振った。
「戦闘が始まった直後、騒ぎに紛れて姿を消したわ。
……約束通りに」
『霧蜘蛛を壊滅させれば、罪は不問。ただし、ただの町娘に戻ること』
それはつまり、火盗改長官であるデューラの前から、犯罪者(スパイ)としてのお紗代が消えることを意味していた。
彼女は、デューラに「手柄」と「正義」を残し、自らは「裏切り者」の汚名を被ったまま、静かに去っていったのだ。
デューラは、胸元の椿を手に取った。
激しい戦いの中で、花びらは散り、茎だけが残っていた。
「……そうか」
デューラは、空を見上げた。
雲の切れ間から、月が顔を出していた。
「……行け、お紗代。
どこまでも遠くへ。
そして……幸せになれ」
鬼は泣いた。
勝利の歓声が上がる中で、ただ一人、散った初恋の痛みを噛み締めながら。
修羅の剣は悪を滅ぼしたが、愛する人を繋ぎ止めることはできなかった。
深夜の日本橋。
大店「松坂屋」の周辺は、死のような静寂に包まれていた。
月明かりすらない曇天の下、黒い影の集団が音もなく蔵へと迫る。
凶悪盗賊団「霧蜘蛛(きりぐも)」。
彼らは、お紗代からの情報――「火盗改は品川へ向かった」という偽情報――を信じ、無防備な獲物に群がる餓鬼のように殺到していた。
「……ヒヒッ。チョロいもんだぜ」
頭目の蜘蛛助(くもすけ)が、蔵の前に立ち、解錠役の手下に目配せする。
「火盗改の長官サマは、今頃品川で空振りだ。
今のうちに、ごっそり頂くぞ」
手下が錠前を焼き切る。
ガチャン、と重い音がして、蔵の扉が開かれた。
その中には、千両箱の山が――
「――ようこそ。火付盗賊改の処刑場へ」
「あ?」
蜘蛛助が目を凝らすと、蔵の闇の中に、鬼が座っていた。
豪奢な陣羽織。抜き身の長剣。
そして、胸に真っ赤な椿を挿した男。
堂羅デューラ。
「て、手前ェ……!? なんでここに! 品川じゃねえのか!?」
蜘蛛助が裏返った声で叫ぶ。
デューラは、ゆらりと立ち上がった。
その全身から立ち昇る殺気は、今まで彼が対峙してきたどんな悪党よりも凄まじく、冷たかった。
「……品川? 誰がそんなことを言った?」
デューラが一歩踏み出す。
「俺はずっと待っていたぞ。……愛する女を道具にした、貴様らというゴミクズをな」
チャキッ!!
その言葉を合図に、松坂屋の屋根、路地の陰、荷車の影から、武装した火盗改の隊士たちが一斉に姿を現した。
「火付盗賊改だッ!! 御用だッ!!」
「抵抗する者は斬り捨てろッ!!」
四方八方からの提灯の光が、闇を昼間のように照らし出す。
完全包囲。
「は、嵌めやがったなァァッ!!」
蜘蛛助が抜刀し、喚く。
「野郎ども! 囲みを破れ! 殺して逃げろ!」
死闘の幕が切って落とされた。
「オラァァァ!!」
盗賊の一人が、デューラに斬りかかる。
「遅い」
デューラは、最小限の動きで切っ先をかわすと、すれ違いざまに一閃。
「ギャッ!?」
男は血飛沫を上げて崩れ落ちる。
普段のデューラなら、峰打ちや捕縛術を使い、生け捕りを優先する。
だが今夜は違う。
彼の手にあるのは「捕縛」のための十手ではない。「断罪」のための剣だ。
「……法の手続き(デュー・プロセス)? 知ったことか」
デューラは、返り血を浴びた顔で呟く。
「貴様らには、黙秘権も、弁護人を呼ぶ権利もない。
……あるのは、地獄へ落ちる権利だけだ」
「ひ、ひぃッ! こいつ、マジだ! 殺る気だ!」
盗賊たちが恐怖に駆られて逃げ惑う。
だが、逃げ道はない。
屋根の上からは、喜助が投げた無数の撒菱(まきびし)と、蘭の吹き矢が雨のように降り注ぐ。
「逃がすかよ。……お前らのせいで泣いた女の分、きっちり払ってもらうぜ!」
戦場は一方的だった。
エリート部隊の統率力と、デューラという「修羅」の圧倒的な武力が、霧蜘蛛一味を蹂躙していく。
「くそっ……くそっ……!」
蜘蛛助は、手下を盾にしながら後退していた。
「あのアマ……! お紗代の野郎、裏切りやがったな!
母親を人質に取られてるってのに、見殺しにする気か!?」
蜘蛛助は、路地の奥へと逃げ込もうとする。
だが、その前に黒い影が立ちはだかった。
「……どこへ行く、蜘蛛助」
堂羅デューラ。
雨のような返り血で、着ていた陣羽織は真っ赤に染まっていた。
胸元の椿と、血の色が見分けがつかないほどに。
「ひッ……! 待て、待て長官!」
蜘蛛助は、へたり込みながら後ずさる。
「わ、悪かった! 俺が悪かった!
そうだ、取引だ! 金ならある! あの女の母親も助けてやる! だから……」
「……」
デューラは無言で間合いを詰める。
蜘蛛助は、追い詰められ、逆切れしたように叫んだ。
「全部、あの女が悪いのさ!
お紗代だ! あのあばずれが!
テメェに色目使って、俺たちを売って……テメェのことも騙してやがったんだぞ!
母親も見捨てるような、薄汚ねえメス豚だ!」
ピタリ。
デューラの足が止まった。
静寂。
戦場の喧騒が、遠のいていく。
「……今、なんと申した」
デューラの声は、恐ろしいほど静かだった。
「あ? だから、お紗代なんていう汚ねえアマは……」
「その名を、貴様の汚い口で呼ぶなァァァッ!!」
デューラの咆哮が、夜気を切り裂いた。
それは、理性も、法も、検察官としての矜持もすべてかなぐり捨てた、一人の男の魂の叫びだった。
「ひっ!?」
蜘蛛助が刀を構える暇もなかった。
デューラの剣が、銀色の閃光となって走った。
ザンッ!!
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蜘蛛助の刀ごと、その体を深々と切り裂いた。
「が……は……」
蜘蛛助は、信じられないものを見る目でデューラを見上げ、そしてどうと倒れた。
「……彼女は、汚れてなどいない」
デューラは、血振るいをし、刀を鞘に納めた。
その目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。
「誰よりも清らかで……誰よりも優しい、俺の花だ」
戦いは終わった。
霧蜘蛛一味は壊滅。頭目の蜘蛛助は死亡。残党はすべて捕縛された。
火盗改の大勝利だ。
「……長官」
蘭が、屋根から降りてきた。
その表情は暗い。
デューラは、周囲を見回した。
捕縛された盗賊たちの中に、あるいは物陰に、彼女の姿を探して。
「……いないか」
「ええ。どこにも」
蘭は首を振った。
「戦闘が始まった直後、騒ぎに紛れて姿を消したわ。
……約束通りに」
『霧蜘蛛を壊滅させれば、罪は不問。ただし、ただの町娘に戻ること』
それはつまり、火盗改長官であるデューラの前から、犯罪者(スパイ)としてのお紗代が消えることを意味していた。
彼女は、デューラに「手柄」と「正義」を残し、自らは「裏切り者」の汚名を被ったまま、静かに去っていったのだ。
デューラは、胸元の椿を手に取った。
激しい戦いの中で、花びらは散り、茎だけが残っていた。
「……そうか」
デューラは、空を見上げた。
雲の切れ間から、月が顔を出していた。
「……行け、お紗代。
どこまでも遠くへ。
そして……幸せになれ」
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