『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』

月神世一

文字の大きさ
22 / 70

EP 22

表向きの製作者、本物のドワーフ『ガンドフ』
​「……矢が、爆発するだと?」
​冒険者ギルド中央本部、マスター執務室。
分厚いオーク材のデスク越しに、ヴォルフさんは顔の傷をピクッと引きつらせて低い声を漏らした。
​「はい。僕の知識と、この世界の素材を組み合わせれば可能だと踏んでいます。今後の激戦を生き抜くために、どうしても『決定的な火力』が必要なんです」
僕は昨日書き上げたばかりの設計図と、化学式をびっしりと書き込んだノートをヴォルフさんの前に提示した。
​腕を組んで黙り込む巨漢のギルドマスター。
「……タロウ。お前さんの頭の中身が異常なのは分かっていたが、まさか兵器開発にまで手を出すとはな。だが、確かに理には適っている。ライザの剣が届かない遠距離から、その『爆発』とやらを撃ち込めるなら、これ以上ないアドバンテージだ」
​ヴォルフさんは大きなため息を一つ吐き、デスクの引き出しから金属製の重々しい鍵を取り出した。
​「分かった。帝都の地下工房にいる、ドワーフ職人の『ガンドフ』を紹介してやるわい。あいつは腕は超一流だが、性格がドス黒くて偏屈でな。お前さんの『100均グッズ』の表向きの製作者として名前を貸すことには同意したが……実際に会うのは初めてだな」
「ありがとうございます!」
​「ライザ、サリー。タロウに変な真似をさせないよう、しっかり見張っておけよ」
「承知いたしました、お父様」
「はいっ、お任せください!」
​     * * *
​帝都ルナミスの地下に広がる、職人街の最奥。
むせ返るような鉄と油の匂い、そして絶え間なく響くハンマーの打撃音が、ここがドワーフたちの聖域であることを物語っていた。
​「ここね。ガンドフの工房」
ライザが、煤で真っ黒になった分厚い鉄扉をノックする。
​「あぁん!? 誰だ、俺の集中を削ぐ馬鹿野郎は!」
扉が乱暴に開かれ、中から現れたのは、身長は僕の胸ほどしかないが、横幅は僕の倍はありそうな筋骨隆々のドワーフだった。
顔の半分を覆うボサボサの髭には油がこびりつき、ギョロリとした鋭い目が僕たちを睨みつける。
​「ギルドマスターの紹介だぁ? 俺は忙しいんだ、ガキの遊びに付き合ってる暇は……」
「初めまして、ガンドフさん。佐藤太郎です。突然すみませんが、これを見てくれませんか」
​挨拶もそこそこに、僕は彼に『設計図』と、100均(ジャンク品)で出した『着火用ライターの圧電素子(カチッと押すと火花が出る部品)』を差し出した。
​「あぁ? なんだこの薄っぺらい紙の束は……」
面倒くさそうに設計図を受け取ったガンドフだったが、そこに書かれた化学式と、矢の構造図(弾頭部分に火薬と着火装置を仕込む図解)を見た瞬間、ピタリと動きを止めた。
​「…………こ、この緻密な計算式はなんだ!? 魔法陣でもねぇのに、物質の反応だけで爆発を起こすだと!?」
「はい。そして、この小さな部品(圧電素子)を矢の先端に仕込み、着弾の衝撃で微弱な雷(静電気)を発生させ、内部の粉末に引火させます」
​僕がカチッ、とライターの部品を押して小さな青い火花を散らしてみせると、ガンドフの目が限界まで見開かれた。
​「な、なんだこの極小の魔導具は!? 魔力を一切通さずに雷を生み出したぞ!? おい坊主、お前これ、どこで……いや、聞かねぇ! 聞くのが恐ろしいくらいにヤバい代物だ!!」
​偏屈なドワーフの顔に、職人特有の抑えきれない好奇心と、狂気じみた笑みが浮かび上がった。
ガンドフは設計図をひったくるように抱え込み、僕の肩をバンバンと叩いた(痛い)。
​「矢に爆発属性をねぇ……おもしれぇ!! 最高にイカれてやがる! ギルドマスターの旦那が『表向きの製作者になれ』なんてふざけた依頼をしてきた時は蹴り飛ばしてやろうかと思ったが、こいつは俺の職人魂をこれでもかと燃やしやがる!!」
​興奮冷めやらぬガンドフだったが、図面を睨み直してふと顎髭を撫でた。
​「だが坊主、お前の知識とこの極小パーツだけじゃ、威力が安定しねぇし規模も小さすぎる。真の『爆発』を起こすなら、この世界の素材と融合させる必要がある」
「この世界の素材、ですか?」
​「ああ。火薬の着火を確実にするための『火花鉱(ひばなこう)』と、爆発の威力を魔力で数十倍に増幅させる『精霊石(せいれいせき)』が必要になるな」
​ガンドフは腕を組み、難しそうな顔をした。
「だが、どっちも帝都じゃ軍が管理してる希少な魔法物資だ。その辺の市場じゃ出回ってねぇし、出回ってても目ん玉が飛び出るほど高い。材料はどうするよ?」
​軍事用の希少物資。
その言葉に僕が頭を抱えかけた時、横で聞いていたサリーがポンッと手を叩いた。
​「あの……それなら、ゴルド商会のゴルスさんに相談してお取り寄せしてもらったらどうでしょうか?」
「ゴルス……あぁ! 街道で助けた、あの商隊長の!」
​大陸屈指の流通網を持つゴルド商会。そして、オークの襲撃から命を救った恩義。
材料を調達するためのコネクションは、すでに僕たちの手の中にあったのだ。
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆ 【あらすじ】 どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。 神様は言った。 「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」 現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。 神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。 それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。 あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。 そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。 そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。 ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。 この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。 さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。 そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。 チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。 しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。 もちろん、攻略スキルを使って。 もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。 下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。 これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!