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EP 25
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森の番人と四人の絆
コボルト・リーダーの最期の悪あがきによって起動した『ジャンク・トレント(廃材の木巨人)』。
その巨体が動くたび、洞窟全体が悲鳴を上げ、天井からパラパラと土砂が降り注ぐ。
「グルオオオオオオ……!」
「チッ、デカブツが! 押し通るぞ!」
イグニスが吼え、取り戻したばかりの大盾を構えて突貫する。
だが、相手は質量と硬度の塊だ。
丸太のような豪腕が横薙ぎに振るわれる。
ガゴォォォンッ!!
「ぐッ……!?」
イグニスが大盾で受け止めるも、その衝撃は凄まじい。トラックに跳ねられたように数メートル後方へ弾き飛ばされ、靴底が地面を削る。
「硬ぇ! 表面の鉄屑と古木が何重にもなってやがる!」
「イグニスさん!」
キャルルが援護に入り、トンファーで関節を狙うが、硬い樹皮に弾かれて軽い音が鳴るだけだ。
リーシャの炎魔法も、表面の鉄板に阻まれて芯まで届かない。
「ダメよ、装甲が厚すぎる! 生半可な攻撃じゃ再生速度に追いつかないわ!」
絶体絶命。
ゴーレムが再び腕を振り上げ、勇太たちを圧殺しようとした、その時。
「――っ!?」
キャルルの長い耳が、ピクリと反応した。
彼女は戦場の轟音の中で目を閉じ、意識を研ぎ澄ます。
岩の崩れる音、鉄のきしむ音、炎の爆ぜる音。それら全てのノイズをフィルタリングし、たった一つの「違和感」を捉えた。
「ユウタさん! 聞こえます!」
キャルルが目を見開き、ゴーレムの胸部を指差した。
「あの胸の鉄板の奥から、規則正しい音がします! ドクン、ドクンって……まるで心臓みたいに!」
「核(コア)か!」
勇太の脳が高速で回転する。
核の位置は分かった。だが、あそこは最も装甲が厚い場所だ。
生半可な火力では貫けない。
ならば――**「物理(科学)」**で脆くすればいい。
「全員、聞いてくれ! 作戦がある!」
勇太は叫びながら、背中の薙刀ではなく、懐の『グロック20』を抜いた。
「僕とリーシャで装甲を脆くする! イグニスは最大火力で、その隙間に一撃を叩き込んでくれ!」
「おう! 任せろ!」
「リーシャ、僕が穴を開けたら、そこに最大級の冷気魔法だ! できるか?」
「ええ、任せて!」
勇太は滑り込みながら、ゴーレムの懐へと潜り込んだ。
見上げるような巨体。振り下ろされる拳を紙一重でかわし、胸部の「一点」に照準を合わせる。
ダァン! ダァン!!
10mmオート弾が、至近距離から鉄板の継ぎ目に炸裂する。
火花が散り、装甲の一部がめくれ上がり、内部の古木が露出した。
「今だッ! リーシャ!」
「凍てつく絶対零度よ! 『ブリザード・カノン』!!」
リーシャの杖から、極低温の冷気が奔流となって放たれた。
それは勇太がこじ開けた装甲の隙間へと吸い込まれ、ゴーレムの内部を一瞬で凍結させる。
バキバキバキッ!
急激な冷却により、鉄と木の収縮率の差が生じ、装甲に無数の亀裂が走る。
「凍った……! 装甲が脆くなってる!」
「仕上げだ、イグニス!!」
「オオオオオオオッ!!」
イグニスが吼えた。
彼は大きく息を吸い込むと、戦斧の刃に向かって、自らの体内で精製した「竜の火」を吹きかけた。
ボウッ!!
戦斧が紅蓮の炎を纏い、太陽のように輝く。
超低温で凍てついた標的に、超高温の一撃を叩き込む。
これぞ、「熱衝撃(サーマルショック)」。
「これで終わりだァッ!! 竜王・爆炎斬(イグニス・ブレイク)ッ!!!」
渾身の力で振り下ろされた戦斧が、凍りついた胸部装甲に直撃した。
パァァァァァァァンッ!!!
ガラスが割れるような甲高い音と共に、ゴーレムの胸部が粉々に砕け散った。
戦斧の刃は止まらない。そのまま深奥にある「緑色の魔石」を捉え、両断する。
「グ、オオ……オ……」
断末魔と共に、ゴーレムの巨体から力が抜けた。
ズズズ……ン。
地響きを立てて崩れ落ち、ただのスクラップの山へと還る。
静寂が戻った洞窟に、荒い息遣いだけが響く。
「……やった、か?」
勇太が硝煙の残る銃を下ろす。
「へへっ……。見たかよ。これが俺の本気だ」
イグニスが、炎の消えた戦斧を肩に担ぎ、ニカッと笑った。
「ナイス一撃だったわ、トカゲ男」
「キャルルさんの耳のおかげですね!」
四人は顔を見合わせ、そして誰からともなく笑い合った。
役割分担(ロール)が完璧に噛み合った、初めての勝利。
【ピンポンパンポーン♪】
【フォレスト・ゴーレム(ジャンク種)を撃破しました! 2000 P 加算!】
【困難なパーティ連携を成功させました! ボーナス 500 P 加算!】
【合計 2500 P 加算。現在 6455 P です】
大量のポイント獲得のファンファーレを聞きながら、勇太は確信した。
この四人なら、どんな困難も乗り越えられる。
ルナキャロット村の小さな自警団は、この日、世界に通用する「冒険者パーティ」へと進化したのだった。
コボルト・リーダーの最期の悪あがきによって起動した『ジャンク・トレント(廃材の木巨人)』。
その巨体が動くたび、洞窟全体が悲鳴を上げ、天井からパラパラと土砂が降り注ぐ。
「グルオオオオオオ……!」
「チッ、デカブツが! 押し通るぞ!」
イグニスが吼え、取り戻したばかりの大盾を構えて突貫する。
だが、相手は質量と硬度の塊だ。
丸太のような豪腕が横薙ぎに振るわれる。
ガゴォォォンッ!!
「ぐッ……!?」
イグニスが大盾で受け止めるも、その衝撃は凄まじい。トラックに跳ねられたように数メートル後方へ弾き飛ばされ、靴底が地面を削る。
「硬ぇ! 表面の鉄屑と古木が何重にもなってやがる!」
「イグニスさん!」
キャルルが援護に入り、トンファーで関節を狙うが、硬い樹皮に弾かれて軽い音が鳴るだけだ。
リーシャの炎魔法も、表面の鉄板に阻まれて芯まで届かない。
「ダメよ、装甲が厚すぎる! 生半可な攻撃じゃ再生速度に追いつかないわ!」
絶体絶命。
ゴーレムが再び腕を振り上げ、勇太たちを圧殺しようとした、その時。
「――っ!?」
キャルルの長い耳が、ピクリと反応した。
彼女は戦場の轟音の中で目を閉じ、意識を研ぎ澄ます。
岩の崩れる音、鉄のきしむ音、炎の爆ぜる音。それら全てのノイズをフィルタリングし、たった一つの「違和感」を捉えた。
「ユウタさん! 聞こえます!」
キャルルが目を見開き、ゴーレムの胸部を指差した。
「あの胸の鉄板の奥から、規則正しい音がします! ドクン、ドクンって……まるで心臓みたいに!」
「核(コア)か!」
勇太の脳が高速で回転する。
核の位置は分かった。だが、あそこは最も装甲が厚い場所だ。
生半可な火力では貫けない。
ならば――**「物理(科学)」**で脆くすればいい。
「全員、聞いてくれ! 作戦がある!」
勇太は叫びながら、背中の薙刀ではなく、懐の『グロック20』を抜いた。
「僕とリーシャで装甲を脆くする! イグニスは最大火力で、その隙間に一撃を叩き込んでくれ!」
「おう! 任せろ!」
「リーシャ、僕が穴を開けたら、そこに最大級の冷気魔法だ! できるか?」
「ええ、任せて!」
勇太は滑り込みながら、ゴーレムの懐へと潜り込んだ。
見上げるような巨体。振り下ろされる拳を紙一重でかわし、胸部の「一点」に照準を合わせる。
ダァン! ダァン!!
10mmオート弾が、至近距離から鉄板の継ぎ目に炸裂する。
火花が散り、装甲の一部がめくれ上がり、内部の古木が露出した。
「今だッ! リーシャ!」
「凍てつく絶対零度よ! 『ブリザード・カノン』!!」
リーシャの杖から、極低温の冷気が奔流となって放たれた。
それは勇太がこじ開けた装甲の隙間へと吸い込まれ、ゴーレムの内部を一瞬で凍結させる。
バキバキバキッ!
急激な冷却により、鉄と木の収縮率の差が生じ、装甲に無数の亀裂が走る。
「凍った……! 装甲が脆くなってる!」
「仕上げだ、イグニス!!」
「オオオオオオオッ!!」
イグニスが吼えた。
彼は大きく息を吸い込むと、戦斧の刃に向かって、自らの体内で精製した「竜の火」を吹きかけた。
ボウッ!!
戦斧が紅蓮の炎を纏い、太陽のように輝く。
超低温で凍てついた標的に、超高温の一撃を叩き込む。
これぞ、「熱衝撃(サーマルショック)」。
「これで終わりだァッ!! 竜王・爆炎斬(イグニス・ブレイク)ッ!!!」
渾身の力で振り下ろされた戦斧が、凍りついた胸部装甲に直撃した。
パァァァァァァァンッ!!!
ガラスが割れるような甲高い音と共に、ゴーレムの胸部が粉々に砕け散った。
戦斧の刃は止まらない。そのまま深奥にある「緑色の魔石」を捉え、両断する。
「グ、オオ……オ……」
断末魔と共に、ゴーレムの巨体から力が抜けた。
ズズズ……ン。
地響きを立てて崩れ落ち、ただのスクラップの山へと還る。
静寂が戻った洞窟に、荒い息遣いだけが響く。
「……やった、か?」
勇太が硝煙の残る銃を下ろす。
「へへっ……。見たかよ。これが俺の本気だ」
イグニスが、炎の消えた戦斧を肩に担ぎ、ニカッと笑った。
「ナイス一撃だったわ、トカゲ男」
「キャルルさんの耳のおかげですね!」
四人は顔を見合わせ、そして誰からともなく笑い合った。
役割分担(ロール)が完璧に噛み合った、初めての勝利。
【ピンポンパンポーン♪】
【フォレスト・ゴーレム(ジャンク種)を撃破しました! 2000 P 加算!】
【困難なパーティ連携を成功させました! ボーナス 500 P 加算!】
【合計 2500 P 加算。現在 6455 P です】
大量のポイント獲得のファンファーレを聞きながら、勇太は確信した。
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