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第十章 ザワザワするカイト達
EP 5
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【女子会】スイートルームのマウント合戦(エステ付き)
天魔窟の中心にそびえ立つ、超高級カジノホテル「バベル」。
その最上階にあるVIP専用スパルームは、下界の喧騒とは無縁の天国だった。
最高級の泥パック、アロマオイルの香り、そして凄腕のエステティシャンたち。
「……はぁ、生き返るぅ~♡」
マッサージベッドにうつ伏せになった不死鳥フレアが、とろけるような声を上げた。
日頃のアイドル活動(と世界管理)の疲れが、熟練の指圧によって溶かされていく。
「悪くないわね。……地球の高級スパより技術が高いんじゃない?」
隣のベッドでは、創造神ルチアナが背中にホットストーンを乗せられ、満足げに呟いた。
「あら、素材が良いからですわ。この泥、私の領土の魔界火山から採取した最高級品ですもの」
魔王ラスティアも、優雅にパックを顔に塗りたくっている。
男たちがサウナで裸の付き合いをしている頃、女性陣は美を磨きながら、さらにドロドロとした「本音の探り合い」を始めていた。
「ねぇねぇ、ところでリベラさん」
ラスティアがパック越しの目だけで、離れたベッドのリベラを見た。
「貴女、本当は誰を狙ってるの? カイト様?」
「……えっ?」
突然の恋バナ。
バスローブ姿で足湯に浸かっていたリベラは、少し顔を赤らめ、視線を泳がせた。
「そ、それは難しい所ですわ。カイト様は尊敬していますけれど……」
彼女は少し言い淀んでから、小声で告白した。
「……龍魔呂さん、とか。……守ってあげたい、みたいな」
「へぇ~!」
「意外ね!」
「彼、過去に傷を持っていますでしょ? 料理をしている時の背中が少し寂しそうで……私が法的に、そして精神的に支えて差し上げたいと言うか……」
リベラの「ダメンズ・ウォーカー」の素質(あるいは母性本能)が露呈した瞬間だった。
だが、それに噛み付いたのがフレアだ。
「まぁ! 龍魔呂は私も狙ってるのよ!?」
フレアがガバッと身を起こした(背中のタオルが落ちかけた)。
「あの寡黙で職人気質な所が良いのよ! 私の情熱的な愛で、あのクールな男を焼き尽くしてあげるんだから!」
「あらあら、モテるわねぇ龍魔呂も」
ラスティアが面白そうに笑う。
「でもフレア、龍魔呂は競争率が高いわよ? あんたはデュークかフェンリルにしなさいよ。お似合いじゃない?」
「ふざけんじゃないわよ!?」
フレアが柳眉を逆立てて叫んだ。
「誰が好んで、あのラーメン親父や駄犬と恋仲になるの!? デュークなんて加齢臭が豚骨スープだし、フェンリルなんて雨の日の犬小屋の臭いがするのよ! 生理的に無理!」
「(ひどい言われようだ……)」
リベラが苦笑する中、今度はルチアナが鼻を鳴らした。
「ふふん、甘いわねアンタたち。龍魔呂なんて、アタシのこの魅力的なボディを使えばイチコロよ?」
ルチアナはバスローブをはだけさせ、豊満な肢体を誇示してみせた。
創造神の完璧なプロポーション。確かに破壊力は抜群だ。
だが、ラスティアが冷ややかな一言を突き刺した。
「……何億年と生きてる『干物(ひもの)』じゃなくって?」
ピキッ。
ルチアナの笑顔にヒビが入った。
「誰が干物よ! あんただって似たような物でしょ!? 魔王歴何千年よ!」
「残念でした~。貴女とは1万年は若いですぅ~!」
「私は9000年若くってよ!?」
フレアも参戦する。
億単位のルチアナに対し、数千歳単位のラスティアとフレア。
五十歩百歩だが、彼女たちにとってその「差」は絶対的な優位性らしい。
「きぃぃぃ! 年齢なんてただの数字よ! 大事なのは肌年齢よ!」
「あら、近くで見ると目元の小ジワが目立ちますわよ、創造神様?」
「なんですってぇぇ! ブラックホールに放り込むわよ!?」
エステルームに殺気が充満し、エステティシャンたちが震え上がる中。
プルプル、という効果音が聞こえてきそうな肌を持つ少女が、口を挟んだ。
「……まぁまぁ、お姉様たち」
エルフのルナだ。
彼女は顔の泥パックを洗い流し、鏡の前で自分の頬を指で弾いた。
ピーン! と水滴が弾け飛ぶ。
「不毛な争いは、この『水玉も弾く肌』になってからと言う事で。……ね?」
キィィィィィィィィィッ!!(超音波)
ルチアナ、ラスティア、フレアの三柱が、同時に歯ぎしりをした。
圧倒的若さ。
神の力でも再現できない、天然のコラーゲン。
「……くっ、生意気なエルフめ……!」
敗北感に打ちひしがれる古代兵器たち。
そこに、リベラが優雅にハーブティーを置き、静かに微笑んだ。
「まぁ、20歳の私なら対抗出来るかしら? お肌の曲がり角とは言いますけれど、まだ『現役』ですもの」
「ぐふっ……!」
「20歳……人間族の若さが眩しい……!」
リベラの「リアルな若さ」がトドメを刺した。
勝負あり。
今日の勝者はリベラかと思われた、その時。
ガチャッ。
スパルームのドアが開き、札束(スパチャの稼ぎ)を抱えたリーザが入ってきた。
「みんな~! エステ気持ちいい~? 私も奮発して一番高いコースにしちゃおっかな~!」
無邪気な笑顔。
リベラが余裕の笑みで尋ねた。
「あらリーザさん。貴女、おいくつでしたっけ?」
「え? 私、16歳ですけど?」
ズガァァァァァァァン!!!(精神的核爆発)
「「「「オイ!?!?」」」」
全員がリーザを睨みつけた。
16歳。
ピチピチという言葉すら生温い、圧倒的な青春の輝き。
ここにいる全員(リベラ含む)が、その数字の暴力に殴り飛ばされた。
「……え、なに? 私、何か変なこと言った?」
リーザがキョトンとする。
ルチアナが震える声で言った。
「……リーザ。あんた、後で私の部屋(説教部屋)に来なさい」
「え~!? 何でもございませ~ん!!」
リーザは危険を察知し、札束を抱えて脱兎のごとく逃げ出した。
残された大人の女性たちは、深く、深くため息をつき、全員で一番高い「アンチエイジング・コース」を追加注文したのだった。
天魔窟の中心にそびえ立つ、超高級カジノホテル「バベル」。
その最上階にあるVIP専用スパルームは、下界の喧騒とは無縁の天国だった。
最高級の泥パック、アロマオイルの香り、そして凄腕のエステティシャンたち。
「……はぁ、生き返るぅ~♡」
マッサージベッドにうつ伏せになった不死鳥フレアが、とろけるような声を上げた。
日頃のアイドル活動(と世界管理)の疲れが、熟練の指圧によって溶かされていく。
「悪くないわね。……地球の高級スパより技術が高いんじゃない?」
隣のベッドでは、創造神ルチアナが背中にホットストーンを乗せられ、満足げに呟いた。
「あら、素材が良いからですわ。この泥、私の領土の魔界火山から採取した最高級品ですもの」
魔王ラスティアも、優雅にパックを顔に塗りたくっている。
男たちがサウナで裸の付き合いをしている頃、女性陣は美を磨きながら、さらにドロドロとした「本音の探り合い」を始めていた。
「ねぇねぇ、ところでリベラさん」
ラスティアがパック越しの目だけで、離れたベッドのリベラを見た。
「貴女、本当は誰を狙ってるの? カイト様?」
「……えっ?」
突然の恋バナ。
バスローブ姿で足湯に浸かっていたリベラは、少し顔を赤らめ、視線を泳がせた。
「そ、それは難しい所ですわ。カイト様は尊敬していますけれど……」
彼女は少し言い淀んでから、小声で告白した。
「……龍魔呂さん、とか。……守ってあげたい、みたいな」
「へぇ~!」
「意外ね!」
「彼、過去に傷を持っていますでしょ? 料理をしている時の背中が少し寂しそうで……私が法的に、そして精神的に支えて差し上げたいと言うか……」
リベラの「ダメンズ・ウォーカー」の素質(あるいは母性本能)が露呈した瞬間だった。
だが、それに噛み付いたのがフレアだ。
「まぁ! 龍魔呂は私も狙ってるのよ!?」
フレアがガバッと身を起こした(背中のタオルが落ちかけた)。
「あの寡黙で職人気質な所が良いのよ! 私の情熱的な愛で、あのクールな男を焼き尽くしてあげるんだから!」
「あらあら、モテるわねぇ龍魔呂も」
ラスティアが面白そうに笑う。
「でもフレア、龍魔呂は競争率が高いわよ? あんたはデュークかフェンリルにしなさいよ。お似合いじゃない?」
「ふざけんじゃないわよ!?」
フレアが柳眉を逆立てて叫んだ。
「誰が好んで、あのラーメン親父や駄犬と恋仲になるの!? デュークなんて加齢臭が豚骨スープだし、フェンリルなんて雨の日の犬小屋の臭いがするのよ! 生理的に無理!」
「(ひどい言われようだ……)」
リベラが苦笑する中、今度はルチアナが鼻を鳴らした。
「ふふん、甘いわねアンタたち。龍魔呂なんて、アタシのこの魅力的なボディを使えばイチコロよ?」
ルチアナはバスローブをはだけさせ、豊満な肢体を誇示してみせた。
創造神の完璧なプロポーション。確かに破壊力は抜群だ。
だが、ラスティアが冷ややかな一言を突き刺した。
「……何億年と生きてる『干物(ひもの)』じゃなくって?」
ピキッ。
ルチアナの笑顔にヒビが入った。
「誰が干物よ! あんただって似たような物でしょ!? 魔王歴何千年よ!」
「残念でした~。貴女とは1万年は若いですぅ~!」
「私は9000年若くってよ!?」
フレアも参戦する。
億単位のルチアナに対し、数千歳単位のラスティアとフレア。
五十歩百歩だが、彼女たちにとってその「差」は絶対的な優位性らしい。
「きぃぃぃ! 年齢なんてただの数字よ! 大事なのは肌年齢よ!」
「あら、近くで見ると目元の小ジワが目立ちますわよ、創造神様?」
「なんですってぇぇ! ブラックホールに放り込むわよ!?」
エステルームに殺気が充満し、エステティシャンたちが震え上がる中。
プルプル、という効果音が聞こえてきそうな肌を持つ少女が、口を挟んだ。
「……まぁまぁ、お姉様たち」
エルフのルナだ。
彼女は顔の泥パックを洗い流し、鏡の前で自分の頬を指で弾いた。
ピーン! と水滴が弾け飛ぶ。
「不毛な争いは、この『水玉も弾く肌』になってからと言う事で。……ね?」
キィィィィィィィィィッ!!(超音波)
ルチアナ、ラスティア、フレアの三柱が、同時に歯ぎしりをした。
圧倒的若さ。
神の力でも再現できない、天然のコラーゲン。
「……くっ、生意気なエルフめ……!」
敗北感に打ちひしがれる古代兵器たち。
そこに、リベラが優雅にハーブティーを置き、静かに微笑んだ。
「まぁ、20歳の私なら対抗出来るかしら? お肌の曲がり角とは言いますけれど、まだ『現役』ですもの」
「ぐふっ……!」
「20歳……人間族の若さが眩しい……!」
リベラの「リアルな若さ」がトドメを刺した。
勝負あり。
今日の勝者はリベラかと思われた、その時。
ガチャッ。
スパルームのドアが開き、札束(スパチャの稼ぎ)を抱えたリーザが入ってきた。
「みんな~! エステ気持ちいい~? 私も奮発して一番高いコースにしちゃおっかな~!」
無邪気な笑顔。
リベラが余裕の笑みで尋ねた。
「あらリーザさん。貴女、おいくつでしたっけ?」
「え? 私、16歳ですけど?」
ズガァァァァァァァン!!!(精神的核爆発)
「「「「オイ!?!?」」」」
全員がリーザを睨みつけた。
16歳。
ピチピチという言葉すら生温い、圧倒的な青春の輝き。
ここにいる全員(リベラ含む)が、その数字の暴力に殴り飛ばされた。
「……え、なに? 私、何か変なこと言った?」
リーザがキョトンとする。
ルチアナが震える声で言った。
「……リーザ。あんた、後で私の部屋(説教部屋)に来なさい」
「え~!? 何でもございませ~ん!!」
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