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第十二章 ファミレス12時間耐久レース
EP 5
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【泥沼】開始8時間。深夜のテンションと「デザート別腹理論」
入店から8時間が経過した。
時刻は、丑三つ時を回った深夜2時。
ファミレス『デモンズ・ガスト』のボックス席は、先ほどまでの熱気とは打って変わり、淀んだ空気が漂っていた。
テーブルには空になったポテトの皿、溶けた氷のグラス、そして突っ伏して動かない美女たちが転がっている。
「……もう、疲れたぁ……」
テーブルに頬を押し付け、虚ろな目で呟いたのは、アイドル・リーザだ。
彼女の目は死んでいた。キラキラしたアイドルのオーラは、深夜のドリンクバーに溶けて消滅していた。
「……私、もうアイドル辞めようかなぁ」
「あら、どうしたの急に」
爪の甘皮をいじっていたラスティアが、気のない声で返す。
「だってぇ……笑顔で握手して、雨の中で歌って、デューク教官に走らされて……割に合わないのよぉ」
リーザがズズズ……と、炭酸の抜けたコーラを啜った。
「私……**『石油王』**と結婚したい」
「石油王……?」
「そう。働かなくても毎月口座に5000億振り込んでくれて、私のこと『姫』って呼んでくれて、ドバイに別荘買ってくれる石油王と結婚したいのぉぉ!」
リーザがバンバンとテーブルを叩く。
深夜特有の、リアルで生々しい欲望の吐露。
「……分かるわ」
不死鳥フレアが深く頷いた。
「私も、自分の炎で焼き鳥焼くの飽きたわ。誰かに焼いてもらった肉を食べながら、一生寝て過ごしたい」
「……リベラさんは? 結婚願望とかないの?」
「私ですか……?」
話を振られたリベラは、眼鏡を外し、眉間を揉みながら遠い目をした。
「……私は、私のことを『六法全書』より大切にしてくれる方なら、種族は問いませんわ。……でも、今のところ書類と判子と結婚しているような状態ですけれど」
「重い……空気が重いですぅ……」
ルナがメロンソーダの泡を見つめながら呟く。
ファミレスの深夜トークは、夢も希望もない「人生の泥沼」へと沈んでいく。
その時だった。
「……ねえ、みんな」
沈黙を破ったのは、創造神ルチアナだった。
彼女はメニュー表のあるページを開き、獲物を狙う猛獣のような目で凝視していた。
「……私、もう限界」
「え? 何が?」
「**『パフェ』**頼んでいい?」
「はぁ!?」
全員が飛び起きた。
深夜2時。最も脂肪が蓄積されやすく、ダイエットにおいては「死」を意味する時間帯だ。
「正気!? デュークのブートキャンプが無駄になるわよ!?」
ラスティアが止めるが、ルチアナは不敵に笑った。
「甘いわね、ラスティア。……**『別腹理論』**を知らないの?」
「別腹……?」
「そうよ。甘いものを見ると、胃袋が『おっ、デザートが来たぞ!』ってスペースを空けるの。これは脳科学的に証明されているのよ(※嘘です)」
ルチアナは力説した。
「それに、私たちは今日、たくさん喋ったわ。脳みそフル回転よ。つまりカロリーはプラマイゼロ……いや、マイナスよ!」
「……!!」
その悪魔的屁理屈(ロジック)に、全員の理性が揺らいだ。
「た、確かに……頭を使うと甘いものが欲しくなるって言うし……」
「ストレス発散も必要よね……?」
「すいませぇーん!」
ルチアナが迷わずボタンを押した。
「『バベルの塔・特盛りパフェ』一つ! 生クリーム増量で!」
その注文が、堰を切った。
「裏切り者ォ! ……すいません、私も『濃厚チョコブラウニーマウンテン』!」
フレアが叫ぶ。
「私もですぅ! 『プリン・ア・ラ・モード』のプリン3倍でぇ!」
ルナも続く。
「わ、私は……『季節のパンケーキタワー』を……メープルシロップ漬けで……!」
ラスティアも陥落した。
最後に残ったのはリベラだ。
「み、皆さん……この時間に糖質爆弾はマズいですわ……内臓脂肪が……」
「リベラさん」
リーザが、悪魔の顔でリベラの肩に手を置いた。
「石油王はいなくても、『ティラミス』は裏切りませんよ?」
「ッ!!」
リベラの瞳から理性の光が消えた。
「……店員さん。『大人のほろ苦ティラミス』、ホールでください」
「「「キャハハハハハハ!!」」」
深夜のファミレスに、堕落した女たちの笑い声が響く。
数分後。
テーブルの上には、茶色と白とピンクの「糖分の塔」が林立していた。
「いただきまぁぁぁす!!」
ガツガツガツッ!
彼女たちはスプーンを振るった。
生クリームの甘さが、チョコレートのコクが、疲れた脳髄と筋肉に染み渡る。
「おいしぃぃぃ! 糖分こそが正義よぉぉ!」
「明日から本気出す! 今日はチートデー延長戦よぉ!」
深夜2時の暴食。
それは背徳の味。
だが彼女たちは忘れていた。
この数時間後に訪れる「お会計」という名の現実と、店の外で待ち受ける「さらなる地獄(ダンジョン)」の存在を。
入店から8時間が経過した。
時刻は、丑三つ時を回った深夜2時。
ファミレス『デモンズ・ガスト』のボックス席は、先ほどまでの熱気とは打って変わり、淀んだ空気が漂っていた。
テーブルには空になったポテトの皿、溶けた氷のグラス、そして突っ伏して動かない美女たちが転がっている。
「……もう、疲れたぁ……」
テーブルに頬を押し付け、虚ろな目で呟いたのは、アイドル・リーザだ。
彼女の目は死んでいた。キラキラしたアイドルのオーラは、深夜のドリンクバーに溶けて消滅していた。
「……私、もうアイドル辞めようかなぁ」
「あら、どうしたの急に」
爪の甘皮をいじっていたラスティアが、気のない声で返す。
「だってぇ……笑顔で握手して、雨の中で歌って、デューク教官に走らされて……割に合わないのよぉ」
リーザがズズズ……と、炭酸の抜けたコーラを啜った。
「私……**『石油王』**と結婚したい」
「石油王……?」
「そう。働かなくても毎月口座に5000億振り込んでくれて、私のこと『姫』って呼んでくれて、ドバイに別荘買ってくれる石油王と結婚したいのぉぉ!」
リーザがバンバンとテーブルを叩く。
深夜特有の、リアルで生々しい欲望の吐露。
「……分かるわ」
不死鳥フレアが深く頷いた。
「私も、自分の炎で焼き鳥焼くの飽きたわ。誰かに焼いてもらった肉を食べながら、一生寝て過ごしたい」
「……リベラさんは? 結婚願望とかないの?」
「私ですか……?」
話を振られたリベラは、眼鏡を外し、眉間を揉みながら遠い目をした。
「……私は、私のことを『六法全書』より大切にしてくれる方なら、種族は問いませんわ。……でも、今のところ書類と判子と結婚しているような状態ですけれど」
「重い……空気が重いですぅ……」
ルナがメロンソーダの泡を見つめながら呟く。
ファミレスの深夜トークは、夢も希望もない「人生の泥沼」へと沈んでいく。
その時だった。
「……ねえ、みんな」
沈黙を破ったのは、創造神ルチアナだった。
彼女はメニュー表のあるページを開き、獲物を狙う猛獣のような目で凝視していた。
「……私、もう限界」
「え? 何が?」
「**『パフェ』**頼んでいい?」
「はぁ!?」
全員が飛び起きた。
深夜2時。最も脂肪が蓄積されやすく、ダイエットにおいては「死」を意味する時間帯だ。
「正気!? デュークのブートキャンプが無駄になるわよ!?」
ラスティアが止めるが、ルチアナは不敵に笑った。
「甘いわね、ラスティア。……**『別腹理論』**を知らないの?」
「別腹……?」
「そうよ。甘いものを見ると、胃袋が『おっ、デザートが来たぞ!』ってスペースを空けるの。これは脳科学的に証明されているのよ(※嘘です)」
ルチアナは力説した。
「それに、私たちは今日、たくさん喋ったわ。脳みそフル回転よ。つまりカロリーはプラマイゼロ……いや、マイナスよ!」
「……!!」
その悪魔的屁理屈(ロジック)に、全員の理性が揺らいだ。
「た、確かに……頭を使うと甘いものが欲しくなるって言うし……」
「ストレス発散も必要よね……?」
「すいませぇーん!」
ルチアナが迷わずボタンを押した。
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その注文が、堰を切った。
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ルナも続く。
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ラスティアも陥落した。
最後に残ったのはリベラだ。
「み、皆さん……この時間に糖質爆弾はマズいですわ……内臓脂肪が……」
「リベラさん」
リーザが、悪魔の顔でリベラの肩に手を置いた。
「石油王はいなくても、『ティラミス』は裏切りませんよ?」
「ッ!!」
リベラの瞳から理性の光が消えた。
「……店員さん。『大人のほろ苦ティラミス』、ホールでください」
「「「キャハハハハハハ!!」」」
深夜のファミレスに、堕落した女たちの笑い声が響く。
数分後。
テーブルの上には、茶色と白とピンクの「糖分の塔」が林立していた。
「いただきまぁぁぁす!!」
ガツガツガツッ!
彼女たちはスプーンを振るった。
生クリームの甘さが、チョコレートのコクが、疲れた脳髄と筋肉に染み渡る。
「おいしぃぃぃ! 糖分こそが正義よぉぉ!」
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