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第十四章 熱闘!男達の炒飯対決
EP 10
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【オチ】「大吟醸を出せ」→そして男飲みへ
「いいわ……。さあ、奪って……♡」
創造神ルチアナは目を閉じ、唇を突き出した。
頬は薔薇色に染まり、期待に胸を震わせている。
数億年の時を経て、ついに訪れた春。
さあ、鬼神の熱い口づけを――。
「…………」
沈黙。
数秒経っても、唇に触れる感触がない。
あるのは、不思議そうな気配だけだ。
「……おい、ルチアナ」
龍魔呂の声が降ってきた。
それは愛の囁きではなく、どこまでも実務的なトーンだった。
「何をしている? 顔なぞ突き出して」
「えっ?」
ルチアナが薄目を開ける。
目の前の龍魔呂は、キスをする気配など微塵もなく、ただ怪訝な顔で彼女を見下ろしていた。
「な、何って……貴方が『全てさらけ出せ』って……」
「ああ、そうだ」
龍魔呂は頷き、そして無慈悲なる一言を放った。
「早く『大吟醸』を出せと言っているのだ」
ピキッ。
ルチアナの思考回路が凍結する音がした。
「……はい?」
「私の鼻は誤魔化せんと言っただろう。貴様の亜空間収納(ポケット)に入っている、神界銘酒『神の雫(大吟醸)』だ」
龍魔呂は焦れたように時計(和時計)を見た。
「急げ。庭の『くさや』が一番美味い温度を過ぎてしまう。……あれに合わせるには、貴様の持つ最高級の酒が必要なのだ」
「…………」
「……酒?」
「そうだ。酒だ」
ヒュオォォォォ……。
どこからともなく、冷たい隙間風が廊下を吹き抜けた。
愛の告白ではない。
肉体の要求でもない。
ただの「酒の恐喝(カツアゲ)」だった。
「あ……あ、あぁ……」
ルチアナの顔から、急速に血の気が引いていく。
薔薇色だった頬は土気色に変わり、突き出していた唇が恥ずかしさで痙攣する。
「う、嘘……嘘よ……」
その背後で、覗き見していたラスティアたちが頭を抱えた。
「うわぁ……」
「見ていられない……」
「ルチアナ様の精神(メンタル)が……死んだ……」
「おい、早くしろ」
龍魔呂が手を差し出す。
ルチアナは、魂が抜けた人形のような動きで、虚空から一升瓶を取り出した。
「……はい」
「うむ。助かる」
龍魔呂は酒瓶を受け取ると、ルチアナには目もくれず、踵を返した。
「リュウ、ルーベンス! 酒は確保したぞ! 庭に戻るぞ!」
「おおっ! でかした龍魔呂サン!」
「待ってました!」
男たちの歓喜の声が遠ざかっていく。
残されたのは、壁際で真っ白に燃え尽きた女神の残骸だけだった。
◇
数分後。
カイト農場の縁側にて。
七輪を囲み、男たち(カイト、リュウ、ルーベンス、龍魔呂、デューク)が車座になっていた。
網の上では、程よく炙り直された「くさや」が、相変わらず凶悪な匂いを放っている。
「……では、乾杯」
トクトクトク……。
龍魔呂が、奪い取った大吟醸を猪口(ちょこ)に注ぐ。
「乾杯!」
男たちが猪口を掲げ、一気に煽る。
カッ……!
Sランクの神酒が喉を焼き、芳醇な米の香りが鼻に抜ける。
「うめぇぇぇ……!」
リュウが唸る。
「そして、ここにくさやを……!」
ルーベンスが干物を齧る。
強烈な塩気と発酵臭。
口の中がカオスになった瞬間、再び日本酒を流し込む。
「……合う!!」
全員が同時に叫んだ。
「これだ! この臭みが酒で洗われて、旨味だけが残る! 永遠機関(永久コンボ)だ!」
「くさやの個性を、大吟醸の懐の深さが受け止めている……!」
「最高のマリアージュだ……!」
男たちは夜空を見上げ、至福の溜息をついた。
臭い。確かに臭い。
だが、この臭さの中にこそ、人生の真実がある(気がする)。
「カイト、お前も飲め(※ジュース)」
「うん! くさや美味しいね!」
月明かりの下、紫色の煙に包まれた男たちの宴は、夜更けまで続いた。
◇
一方、リビングの窓からその光景を眺める女性陣。
「……信じられない。あんな毒ガス食べながら笑ってるなんて」
ラスティアが呆れる。
「男って、本当にバカな生き物ですわね……」
リベラが溜息をつく。
そして、ソファの隅では。
体育座りをしたルチアナが、虚ろな目で壁を見つめながら呟いていた。
「……春なんて……春なんて来なければいいのに……」
彼女の心の冬は、もう少しだけ続きそうだった。
「いいわ……。さあ、奪って……♡」
創造神ルチアナは目を閉じ、唇を突き出した。
頬は薔薇色に染まり、期待に胸を震わせている。
数億年の時を経て、ついに訪れた春。
さあ、鬼神の熱い口づけを――。
「…………」
沈黙。
数秒経っても、唇に触れる感触がない。
あるのは、不思議そうな気配だけだ。
「……おい、ルチアナ」
龍魔呂の声が降ってきた。
それは愛の囁きではなく、どこまでも実務的なトーンだった。
「何をしている? 顔なぞ突き出して」
「えっ?」
ルチアナが薄目を開ける。
目の前の龍魔呂は、キスをする気配など微塵もなく、ただ怪訝な顔で彼女を見下ろしていた。
「な、何って……貴方が『全てさらけ出せ』って……」
「ああ、そうだ」
龍魔呂は頷き、そして無慈悲なる一言を放った。
「早く『大吟醸』を出せと言っているのだ」
ピキッ。
ルチアナの思考回路が凍結する音がした。
「……はい?」
「私の鼻は誤魔化せんと言っただろう。貴様の亜空間収納(ポケット)に入っている、神界銘酒『神の雫(大吟醸)』だ」
龍魔呂は焦れたように時計(和時計)を見た。
「急げ。庭の『くさや』が一番美味い温度を過ぎてしまう。……あれに合わせるには、貴様の持つ最高級の酒が必要なのだ」
「…………」
「……酒?」
「そうだ。酒だ」
ヒュオォォォォ……。
どこからともなく、冷たい隙間風が廊下を吹き抜けた。
愛の告白ではない。
肉体の要求でもない。
ただの「酒の恐喝(カツアゲ)」だった。
「あ……あ、あぁ……」
ルチアナの顔から、急速に血の気が引いていく。
薔薇色だった頬は土気色に変わり、突き出していた唇が恥ずかしさで痙攣する。
「う、嘘……嘘よ……」
その背後で、覗き見していたラスティアたちが頭を抱えた。
「うわぁ……」
「見ていられない……」
「ルチアナ様の精神(メンタル)が……死んだ……」
「おい、早くしろ」
龍魔呂が手を差し出す。
ルチアナは、魂が抜けた人形のような動きで、虚空から一升瓶を取り出した。
「……はい」
「うむ。助かる」
龍魔呂は酒瓶を受け取ると、ルチアナには目もくれず、踵を返した。
「リュウ、ルーベンス! 酒は確保したぞ! 庭に戻るぞ!」
「おおっ! でかした龍魔呂サン!」
「待ってました!」
男たちの歓喜の声が遠ざかっていく。
残されたのは、壁際で真っ白に燃え尽きた女神の残骸だけだった。
◇
数分後。
カイト農場の縁側にて。
七輪を囲み、男たち(カイト、リュウ、ルーベンス、龍魔呂、デューク)が車座になっていた。
網の上では、程よく炙り直された「くさや」が、相変わらず凶悪な匂いを放っている。
「……では、乾杯」
トクトクトク……。
龍魔呂が、奪い取った大吟醸を猪口(ちょこ)に注ぐ。
「乾杯!」
男たちが猪口を掲げ、一気に煽る。
カッ……!
Sランクの神酒が喉を焼き、芳醇な米の香りが鼻に抜ける。
「うめぇぇぇ……!」
リュウが唸る。
「そして、ここにくさやを……!」
ルーベンスが干物を齧る。
強烈な塩気と発酵臭。
口の中がカオスになった瞬間、再び日本酒を流し込む。
「……合う!!」
全員が同時に叫んだ。
「これだ! この臭みが酒で洗われて、旨味だけが残る! 永遠機関(永久コンボ)だ!」
「くさやの個性を、大吟醸の懐の深さが受け止めている……!」
「最高のマリアージュだ……!」
男たちは夜空を見上げ、至福の溜息をついた。
臭い。確かに臭い。
だが、この臭さの中にこそ、人生の真実がある(気がする)。
「カイト、お前も飲め(※ジュース)」
「うん! くさや美味しいね!」
月明かりの下、紫色の煙に包まれた男たちの宴は、夜更けまで続いた。
◇
一方、リビングの窓からその光景を眺める女性陣。
「……信じられない。あんな毒ガス食べながら笑ってるなんて」
ラスティアが呆れる。
「男って、本当にバカな生き物ですわね……」
リベラが溜息をつく。
そして、ソファの隅では。
体育座りをしたルチアナが、虚ろな目で壁を見つめながら呟いていた。
「……春なんて……春なんて来なければいいのに……」
彼女の心の冬は、もう少しだけ続きそうだった。
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