廻・骸行進

メカ

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廻・霊視鑑定人「X氏」の話

「一人・・・多いね。」 終

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「アレは、きっと女の霊だ。」

お祓いを受け、一人呆然と座り込む栗橋が言った。

「俺、こいつを家まで送っている時・・・妙な感覚だった。」

栗橋は、怪談を披露し体調を崩したという友人を指さし続ける。

「肩を貸してやって、二人で歩いてた。
なのに・・・こいつ、妙に・・・。」

当然だ、その時「得体の知れない何か」はきっと
その友人に憑いていた事だろう。

それよりも、X氏が驚いたのは
X氏かれの能力を以てしても「得体の知れない何か」だというモノを
栗橋が「女性だ」と言った事にある。

憑かれた者にしか分からない感覚であるとでもいうのか?

栗橋の驚くべき発言はこれでは終わらなかった。

「多分、事故の被害者か・・・あるいは関係者だよ。」

栗橋は事故との関係性を示唆したというのだ。

そして、その読みが正解だと
後から発覚する事となる。

お祓いが済んだ事で、X氏は彼等の元を引き上げたそうだが
その三ヶ月後、ある書類が送られてきたそうだ。

ワープロで打ち込まれたその文章は
彼等、栗橋たちからの物であった。

その書類には、感謝の意や近況報告が記されており
お祓い以降、奇妙な事は起こっていない様なども綴られている。

だが、最後の数枚のみ違った内容だった。

それは件の住宅街についての調査報告のようなものだったという。

彼等の独自の調査で
あるカップルに行き着いたそうだ。

それは婚約し、式を間近に控えていたカップルだった。

その男性は、周囲からも「勤勉な人」と評価されていたそうだ。

だが・・・件の住宅街で追突事故に巻き込まれ、その男性は亡くなっていた。
その現場となったのが、怪談を披露していた「交差点」だった。

・・・更に悲劇だったのは
その数日後、事故現場となったあの交差点で
『彼に会いに行く』とだけ書き残された遺書と共に
電柱に首を括った女性が発見された。という事だった。

これについて栗橋が新たな証言をしたという。

「あの時、俺が『友人が人が変わったようになった』と話していたが
実際には『亡くなった彼氏の念』を見せられていた可能性があるのではないか?
そして、自分に憑いた女性からすれば『その念』こそ見慣れた『男』であって
目の前に居る『派手な男』は『見慣れない男』だったはずだ。
だから『友人の人柄が変わったように思えただけで』
実際は『亡くなった彼氏の残像を見ていただけ』なのでは?」

確かに、筋は通っていた。

だが、もう一つ・・・X氏は恐ろしい「仮説」を持っていた。
私はそれを聞く事となる・・・。

「見慣れない男に彼氏の面影を重ねるって変だよね?」

その一言から始まる・・・。

「亡くなった彼女はさ・・・きっと
その友達が『彼氏に似ていた』から『面影を重ねた』んじゃなくて・・・。
『彼氏を轢いた男に似ていた』から『恨んでた』んじゃないの?
・・・一生呪ってやる・・・ってさ。
あのまま、女性に憑りつかれたままだったら・・・最終的にどうなっていただろうね?」




・・・貴方は、憎い相手を目の前に平気で居られますか?
その憎悪はやがて、行動に変わらないだろうか?

・・・それは即ち・・・

新たな事件を産んでいたかもしれない。

その仮説を聞いた時、「うわ・・・こわっ」と思った事を
私は忘れないだろう・・・。
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