廻・骸行進

メカ

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筆者メカの収集話・体験談

思い出の品を持ち出して! 1

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これは10年ほど前
ある依頼者からのメールで始まった出来事だ。

その依頼者は当時16歳の少女。
依頼の内容は、引っ越した旧家から思い出の品を持ち帰る事。

この手の話には良くありがちな事だが
その旧家は「曰く付き」だそうだ。

だが・・・この旧家。ただの「曰く付き」ではなかった。

私は最初
「階段から音が聴こえる」とか、そんなスタンダードな現象をイメージしていた。

所が、依頼者の女性から出た言葉は驚愕の一言だった。

「昔、キッチンにおいてあった包丁がの弾みで
母目掛けて飛んで来た事がある。」

そのほか
トイレに行こうと扉を開くと、画鋲が撒かれていた。だの
襖扉が急に外れ、頭上から降って来る。だの

どの話を聞いても「明らかな危険」を伴うモノばかりだった。

結果、彼女の兄は自宅で首の骨を折るという痛ましい事故まで起きた。
幸い、兄は命を取り留めたそうだが・・・。

そんな事が続いた旧家を逃げる様に引っ越したのが、当時から数えて3年前だったそうだ。

夜逃げ同然だったという。
趣味や私物は愚か、必要な家財道具まで放り出したまま家を出た。

最初はそれでいいと思っていたそうだが
3年経った当時。
友人達と遊びに行ったりすると、決まって「学生時代のアルバム」などの話になる。
旧家に思い出を全て起き去って来た思春期の「切なさ」は察するに余りある。

そこで白羽の矢が立ったのが、私だ。

某県某所、その一軒家は存在する。
単独突撃潜入を・・・その日、決行した。

何てことない住宅街の一角に、その家はある。
だが、その土地柄
少し道を反れただけでも田畑が広がる様な田舎の町。

隣の家との間にも、田んぼや畦道などが存在する。
まさに、ポツンと一軒家・・・な場所も存在している。

そんな町にある一軒家。

実の所、依頼者から住所などを聞いて向かったのだが
現地で数時間迷う事となった。
別段、分かりにくい立地という訳でもない。

件の一軒家に辿り着いたのは、既に夕方だった。

西日に照らされた一軒家は、不気味だった・・・。
何とも言えない異次元感。

一瞬、入る事を躊躇う暗さだ。

だが、そんな事はお構いなしに
私の好奇心は足を動かす。

誰も居ない。
にも拘らず、玄関を潜り「お邪魔します」の一言を述べる。
その一言を漏らした後で『誰に対してだよ・・・。』と冷静に考える自分が居る。

その家は、不気味なほど『無音』だった。
響くのは自分の足音だけ。

廃屋で良くある事なのだが
「屋鳴り」というものが起こる。

外の風や屋内での行動の結果、家の材に影響が起こり
「ミシッ」「パキッ」というような音が鳴る。

よく、ホラー系youtuberなどが耳にする音がコレだ。

だが、この家ではその「屋鳴り」が一つもしないのだ。

どんな新築の物件でも
季節や材の影響で、湿度などの外的要因から「屋鳴り」は普通に起こり得るものだ。

だからこそ、それが起こらないこの家を「不気味」と表現せざるを得なかった・・・。
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