廻・骸行進

メカ

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廻・警官の友人「荻野」の話。

SOSと希死念慮 1

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ある年の秋口。
私の携帯が鳴る。

相手は「荻野」だ。

「おい、メカ。ちょっと助けてくれないか?」

彼から相談を受ける事は、ままある事だったが
今回の「相談」は毛色が違った。

それは「ある人物と会って欲しい」というものだった。

聞けば「その人物」は「高校生」の「少女」。
名前は「藤野 京さん(仮名)」。

とある駅で線路内を歩いていた所
鉄道警察によって補導された。

幸い、電車が来るまでに時間があり大事にはならなかった。との事だが
補導された彼女は、理由を何一つ話そうとしなかったそうだ。

・・・連絡を受け、青い顔をして飛んで来た母親によって
彼女が自殺を望んでいた事を知る。

「・・・娘は・・・酷いイジメを受けていた様で・・・。」

娘の無事を確認した母は
その場で崩れ込み、むせび泣く様にソレだけ言って娘を抱きしめた。

後に、この一件は
学校側がいじめを黙認していた事と相まって
裁判となったそうだ。

その裁判の前に、警察によって
藤野さん一家、加害者生徒の家族、学校の教師など
様々な方面に聞き込み調査が行われたそうだが
その際、荻野も聞き取り調査に加わっていたという。

その聞き取り調査の中で、最も難航した部分がある。

・・・それが「イジメの内容把握」である。

加害者生徒は勿論の事、学校の教師陣、クラスメートの生徒
果ては、被害者とされた彼女さえもが皆一様に口を閉ざしたままだったという。

だが・・・
その「内容」については後に、私が介入した事で明らかとなるのだが・・・。

荻野は言う。

「ある一人の生徒が、興味深い事を言っていたんだよ。
・・・現状、調査段階って事も有って詳しくは言えないんだけどな?
とにかくだ、一回だけ彼女に会ってくれないか?」

荻野からの強い要望もあり、私は
当日、駅に居た目撃者として捜査協力に乗り出した。

だが、いくら目撃者だという肩書があっても
理由もなく当人に会えるわけもなく・・・私の場合は
ただその日の流れを細かく聞かれただけで終わってしまった。

一件の概要については、荻野の協力もあり何とか説明をしたものの・・・。

呆気なく終わった調書に、私は警察署の前で肩透かしを食らった気分だった。

荻野はなぜ、私にこんな事を頼んできたのか・・・。

そんな事を思案していた時だ。
恐らく、当人と思しき人物と母親だろう二人の女性が外へ出てきたのだ。

『これか!これを荻野は期待していたのか!』

私はとっさに、鞄からペンを落とし
二人の前に転がったペンを追いかけた。

「す、すみません・・・。」

母親だろう女性が拾い上げたペンを受け取った私は、すぐその場を後にした。

『あぁ・・・あれは言えないわな・・・。』

それが、私の最初に思った一言だった。
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