廻・骸行進

メカ

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廻・警官の友人「荻野」の話。

身投げ改札

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これは、我々がまだ学生の頃。
彼が経験した話だそうだ。

彼は、電車通学を行っており
何時も何時も「満員電車が嫌でよぉ~。」と
自転車通学していた私や別の友人を羨ましがっていた。

「夏は、いいさ。涼しい電車の中だしな?
まぁ、冬もそこそこ快適に通学は出来る。
・・・でもよぉ・・・あの満員電車特有の窮屈感がさぁ・・・。
別に、臭いとか気にする方じゃないんだけどさ、人が増えて来ると自然と気が遠くなる。」

実は、彼も自転車通学しようと思えば可能な距離だったのだが
自宅が駅チカの物件で、入学当初は電車通学に憧れていたという。

その惰性から・・・彼はそれまで電車通学を行っていたそうだ。

「自転車でも来れるんだけどさ?
なんつーか、電車使うと社会人とかに交じって来る訳っしょ?
だからさ、気持ち的に『大人になったな~。』ってのを味わいたかったんだよね。
それに、やっぱり電車の方が圧倒的に早いしな。」

そういって、愚痴半分・自慢半分を織り交ぜた彼の言い分を聞いて早1年が過ぎた。

ある日から、荻野は自転車で通学してくるようになり
最初の頃は、遅刻ギリギリに到着する事も有った。

私はその時の彼の顔をハッキリ覚えている。

随分と青い顔をしていた物だ。
目は見開いているのに、口は真一文字に結び・・・眉間にはシワが寄る。

挨拶をする友人達を素通りしていき、椅子に就くなり深いため息をこぼす。

そこでやっと、自我が追い付いたのか

「あ・・・皆、おはよう!」と・・・。

そんな事が数日続いた・・・ある日の放課後。

痺れを切らした我々は、彼に何が有ったのかを問い掛けた。

そこで、彼は漸く思い口を開いた。

「・・・俺・・・見ちゃったんだよ。
何時も通学で使う駅のホームでさ。俺らくらいの若いあんちゃんが
電車目掛けてホームに飛び込むのを・・・さ。」

それが本当なら大惨事の事故である。

「でもな・・・。おかしいと思ったんだけどさ。
皆、普通に電車に乗り込んでいくんだよ。俺も確認するより先に
流れに飲まれて乗り込んでさ・・・。」

本来なら、駅員を呼んでの大パニックが起きて居たはず。
それなのに、誰一人として「青年」など見ていないと言わんばかりだったという。

・・・そう、実際には居なかったのだろう。

「それからさ、何度か見る様になっちゃったんだよ。
ホームへの飛び込みをさ・・・。何時も別人だったよ。」

それが、恐ろしくなった荻野は自転車通学に切り替えて
「見ないようにした」のだそうだ。

懸命な判断だ。
恐らく、荻野が見てしまったのは
「霊道に居座る者達」だろう。

は面白いもので・・・人が列を成していると
自分達もその列に加わっていくのだ。

それが、生前の行為をなぞった癖なのか、ただの野次馬精神なのかは分からない。

そして、ソレが運悪く
荻野がホームに就く時間帯ではが先頭に並んでいる時間帯だったのだろう。





なぜ、懸命な判断か。だって?

あそこで何かリアクションを起こして居れば・・・
生きている者からは変人を見られるような白い眼で見られ
死んでいる者からは存在を認識できる者として・・・次の身投げ者に選ばれていたかもしれない。

ともあれ・・・私の友人は今も元気に悪人を追っている・・・。
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