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パニック・ギフト ~後編~
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ロッカーに隠れて数分。予想通り裏口から侵入したゾンビに悲鳴を上げる連中・応戦を始める連中
それぞれの、声や音が盛大に響き渡る。
「な、なんでゾンビ共が此処にいるんだよぉ!」
「ぐだぐだ言ってないで戦え!」
「ま、待って!おいてかないでくれぇ!」
「嫌だ、辞めろ!やめろぉぉぉ!」
状況はまさに「煉獄」か。
この状況を招いた俺は、悪魔と呼ばれるにふさわしいかも知れない・・・。
しかし、そんな罪悪感も一時で流れ去った。
生きている連中がゾンビに手を取られている今がチャンスだ。
虹色は盛大にロッカーを蹴り破り、走り出した。
道すがら、闘う者、助けを乞う者、死して尚歩く者を華麗にかき分け
昇降口に辿り着いた。
その先ではゾンビが今か今かとガラス扉を叩く。
「くそ、持ち応えろ!会議室のリーダー達が策を出してくれる!それまでどうにか!」
「でも、このままじゃ・・・。」
「おい、あれ!」
「ん・・・なんだ?・・・あいつ、何してるんだ!」
「まさか・・・。昇降口を開ける気じゃ・・・。」
「そうか、このゾンビも奴が・・・。よ、止せ!お前まで死ぬことになるぞ!」
「・・・。」
横倒しのロッカーをずらし、鍵の役割をしていたモップに手を掛けた。
良心の呵責によって躊躇いもしたが。俺はモップを一気に引き抜いた。
「皆・・・逃げろぉぉ!」
「あいつ、やりやがった!悪魔め!」
「ど、どーすんのさ!こんな数相手にしてられないよ!」
「あのヤロォ!覚えてろよ!今度会ったら絶対に殺す!・・・く、来るなぁ!」
応戦していた一団は逃げる体制に入るも、なだれ込んできたゾンビに囲まれた。
次の瞬間、彼らはゾンビの餌食となる。
俺に対する呪いめいた言葉を吐きながら。
校内は徐々にゾンビの比率が上がって来た。
狭い廊下だ、正面からこちら目掛けて寄って来るゾンビも多少であれば無視も出来るが
これ以上増えれば、走っている最中バランスを崩しかねない。
「潮時か」
あとは一階の裏門方面に窓が位置する教室から脱出するだけ。
そうすれば、体育館内の仙堂が俺を見つけ、行動を開始する。
先に裏門外へ出た俺が、近くのゾンビを殴打で寝かせ、その間に
大山隊員を二人係で門の外へ。という流れだ。
「に・・・逃がさないぞぉ!!」
「!」
先ほど、ゾンビの群れに襲われた一団の一人がゾンビを振り払い、追って来た。
だが、その姿は見るも無残だ。
必死に抵抗して出てきたのだろう。
腕の肉は噛み千切られ、骨が見えている。
掌や指も、逃げる際に食いちぎられたか、所々欠けている。
床にぼたぼたと大量の血を落としながらも、彼は追って来た。
「この・・・テロリストめ、お前のせいで何人死んだ!?何人殺す気だ!えぇ!?」
「それ以上動くな。お前も死ぬぞ。」
「う、動かねぇとよぉ・・・ゾンビの餌食だろーがぁ。」
「政府の犬にかける情けは・・・ない。」
「犬だとぉ!てめぇ、同じ目に合わせてやるよぉ!こっちこいやぁ!」
「・・・。」
「逃げんのかよ、腰抜けがよぉ!そうだよな、今の今まで逃げ隠れしてたんだもんなぁ!?茨ぁ!」
「・・・もう止せ。新ケ谷君。」
追って来た男の正体、それが新ケ谷だ。
「一回目のゾンビ襲撃の際、昇降口の事は俺と正春、そして新ケ谷君だけしか知らなかった。
それなのに、作戦が終わった時に昇降口に居たのは8人だ。」
「・・・。」
「最初は清水さんと結託していたのかとも思ったが・・・それには若干の矛盾が生まれる。」
「・・・。」
「録音で流した会議室、あの場で出なかった別の裏切者。それが君だろ・・・?」
信じたくなかった。
だからこそ、うつむいたまま話を進めていたが
最後に顔を上げた時、彼は立ったまま事切れていた。
積極的に俺達を助けてくれていたからこそ・・・信じたくなかった事実なのだ。
「・・・御免よ、新ケ谷君。」
虹色は再び、教室を目指し走り出した。
それぞれの、声や音が盛大に響き渡る。
「な、なんでゾンビ共が此処にいるんだよぉ!」
「ぐだぐだ言ってないで戦え!」
「ま、待って!おいてかないでくれぇ!」
「嫌だ、辞めろ!やめろぉぉぉ!」
状況はまさに「煉獄」か。
この状況を招いた俺は、悪魔と呼ばれるにふさわしいかも知れない・・・。
しかし、そんな罪悪感も一時で流れ去った。
生きている連中がゾンビに手を取られている今がチャンスだ。
虹色は盛大にロッカーを蹴り破り、走り出した。
道すがら、闘う者、助けを乞う者、死して尚歩く者を華麗にかき分け
昇降口に辿り着いた。
その先ではゾンビが今か今かとガラス扉を叩く。
「くそ、持ち応えろ!会議室のリーダー達が策を出してくれる!それまでどうにか!」
「でも、このままじゃ・・・。」
「おい、あれ!」
「ん・・・なんだ?・・・あいつ、何してるんだ!」
「まさか・・・。昇降口を開ける気じゃ・・・。」
「そうか、このゾンビも奴が・・・。よ、止せ!お前まで死ぬことになるぞ!」
「・・・。」
横倒しのロッカーをずらし、鍵の役割をしていたモップに手を掛けた。
良心の呵責によって躊躇いもしたが。俺はモップを一気に引き抜いた。
「皆・・・逃げろぉぉ!」
「あいつ、やりやがった!悪魔め!」
「ど、どーすんのさ!こんな数相手にしてられないよ!」
「あのヤロォ!覚えてろよ!今度会ったら絶対に殺す!・・・く、来るなぁ!」
応戦していた一団は逃げる体制に入るも、なだれ込んできたゾンビに囲まれた。
次の瞬間、彼らはゾンビの餌食となる。
俺に対する呪いめいた言葉を吐きながら。
校内は徐々にゾンビの比率が上がって来た。
狭い廊下だ、正面からこちら目掛けて寄って来るゾンビも多少であれば無視も出来るが
これ以上増えれば、走っている最中バランスを崩しかねない。
「潮時か」
あとは一階の裏門方面に窓が位置する教室から脱出するだけ。
そうすれば、体育館内の仙堂が俺を見つけ、行動を開始する。
先に裏門外へ出た俺が、近くのゾンビを殴打で寝かせ、その間に
大山隊員を二人係で門の外へ。という流れだ。
「に・・・逃がさないぞぉ!!」
「!」
先ほど、ゾンビの群れに襲われた一団の一人がゾンビを振り払い、追って来た。
だが、その姿は見るも無残だ。
必死に抵抗して出てきたのだろう。
腕の肉は噛み千切られ、骨が見えている。
掌や指も、逃げる際に食いちぎられたか、所々欠けている。
床にぼたぼたと大量の血を落としながらも、彼は追って来た。
「この・・・テロリストめ、お前のせいで何人死んだ!?何人殺す気だ!えぇ!?」
「それ以上動くな。お前も死ぬぞ。」
「う、動かねぇとよぉ・・・ゾンビの餌食だろーがぁ。」
「政府の犬にかける情けは・・・ない。」
「犬だとぉ!てめぇ、同じ目に合わせてやるよぉ!こっちこいやぁ!」
「・・・。」
「逃げんのかよ、腰抜けがよぉ!そうだよな、今の今まで逃げ隠れしてたんだもんなぁ!?茨ぁ!」
「・・・もう止せ。新ケ谷君。」
追って来た男の正体、それが新ケ谷だ。
「一回目のゾンビ襲撃の際、昇降口の事は俺と正春、そして新ケ谷君だけしか知らなかった。
それなのに、作戦が終わった時に昇降口に居たのは8人だ。」
「・・・。」
「最初は清水さんと結託していたのかとも思ったが・・・それには若干の矛盾が生まれる。」
「・・・。」
「録音で流した会議室、あの場で出なかった別の裏切者。それが君だろ・・・?」
信じたくなかった。
だからこそ、うつむいたまま話を進めていたが
最後に顔を上げた時、彼は立ったまま事切れていた。
積極的に俺達を助けてくれていたからこそ・・・信じたくなかった事実なのだ。
「・・・御免よ、新ケ谷君。」
虹色は再び、教室を目指し走り出した。
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