if you wanna... ~君が願うなら~

メカ

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家族

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正春の指示で三つの班が出来上がった。
「伝達班」「救護班」「鍵運搬班」
各班は5人ずつ。そして、戦闘の要である虹色と消防士としての知識豊富さから千羽が
ピストン交代で班を守る事となった。

最初の伝達班に千羽が付き、船まで護送。
5分遅れで出発する救護班は重体の大山隊員を運ぶ為、足が遅い分
千羽が合流するまでの間、虹色が守る事になる。
そして、鍵運搬班は正春がマスターキーを持ち、虹色がコンビニに戻るまで待機という形になった。

「じゃあ、先に行くからね。五分後出発よろしくね、茨君。」

「千羽さんも、気を付けて。」

「行こう、皆。」

時間との勝負。
時が過ぎれば、ゾンビの密度は濃くなっていく。
待ちの5分は予想より遥かに長く感じた。

「虹色。」

「何だ?」

「今だから話しておきたい事がある。」

「さっきの、兄弟ネタか?」

「あぁ。実は俺の家に写真の飾られていない仏壇があってさ。」

「・・・それで?」

「昔、家族に聞いてみたが、誰も何も答えなかった。誰の仏壇なのかさえ。」

「ほー・・・。」

「でな、俺が地球に下りる事が決まってそのための手術を受ける時、祖父がぽろっと言ったんだ。
『あの子がいたなら…。』ってよ。」

「あの子?」

「後日、祖父を問い詰めたら、家には俺が生まれる前にナチュラルボーンが生まれていたらしい。」

「何?」

「でも、母親が気味悪がって処分した?みたいな事を祖父が言ってた。仏壇はその為の物だって。」

「・・・。」

「それでさ、祖父が亡くなる前、俺に一枚の封筒を渡してくれたんだが・・・。」

「だが?」

「怖くて見てないんだよ。」

「・・・。」

「今手持ちにその封筒もあるんだけどさ・・・一緒に見てくれないか?」

「・・・構わないが、恨み言でも書かれた遺書だったら笑えないぞ・・・。」

「だから怖いんだよ・・・コレなんだけどさ・・・。」

「まぁ、何時までも見ないってのも故人に失礼だろ・・・開けてみろよ。」

「・・・わかった。」

しわしわになった一枚の封筒。
其処から出てきたのは、予想を大きく外れた物であった。

「なんだ、これ。・・・写真?」

「・・・!」

「な、なぁ。虹色。どう思う?」

「ど・・・どうって言われても・・・。」

見覚えのある写真だ。何度も見た。
ある一時期は恨みさえもした見慣れた写真。
幼い赤ん坊たちを写した写真。

「虹色?」

「つまり・・・お前には兄弟が居たって事なんじゃねぇの?」

「・・・や、やっぱり、そうなるよね。」

正春は知らない。
俺が捨てられた際に手がかりの一つとして、同じ写真が俺と共にあった事を。
つまり、その兄弟こそ・・・。

「ぐ、偶然だな。俺もナチュラルボーンらしいぜ。」

「ほ、本当か!?」

「でなけりゃ、この無尽蔵のスタミナに説明が付かんだろう。」

「そうだったのか・・・知らなかったぜ。」

一瞬、この事実を伝えるべきか悩んだ。
お前の兄弟が俺だと・・・。でも、言えなかった。
ナチュラルボーンを匂わせる事で察してもらおうとも思ったが
やはり、通じる事は無かった。

「可哀想にな。俺の兄貴・・・。」命を

「え?」

「親のエゴで、未来ある命を・・・。」

「仕方ないんじゃないか?ナチュラルボーンは成長が異常だ。遺伝子が元々違うからな。
そうやって、気味悪がられるのも・・・一種の宿命なんだと思う。
だからこそ、政府連中もナチュラルボーンを地球に棄てようとした訳だしな。」

「呼んでみたかったよ。兄ちゃんってさ。」

「・・・。」

この事実は、墓場まで持って行こう。
今の正春には、酷だ。
沈黙の中、虹色は立つ・・・。

「時間だ。行ってくる。」

「おう・・・。」

振り返る事が出来なかった。
衝撃的な事実が後ろに居る。向き合えなかった。
だが、やっと見つけた。
今まで散々探し回っていた家族が。
ずっと傍にいた。
守るべき家族が・・・。
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