幻・骸行進

メカ

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奇怪 ~短編集~

暗い路地裏

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体験者 「オオトリさん」より。

都内に住む彼は、幼少期に両親と住んでいた「とある地方」で
不思議な体験をしたという。

それは、彼等「子供たち」の中で流行っていた「肝試し」。

彼等の住む街には、ある場所がとても奇妙だと噂されていたらしい。

それがタイトルにもある「暗い路地裏」である。

その路地裏は、真夏の強い日差しが照る日中でも
よくよく目を凝らさなければ先が見えない程、薄暗く
子供たちが騒ぎ立てる場所としては打って付けの場所だった。

オオトリさんも、幼少期の淡い記憶の中で

「僕たちの間では、その路地裏を『神隠しの路地』と呼んでいました。」と語ってくれた。

件の路地は、子供たちが集う「駄菓子屋」の近くにあり

「お供え」と称して、自分たちの好きな駄菓子を持ち寄って
一人ずつ、路地の向こう側へ「駄菓子を置いてくる」のが流行っていたそうだ。

最後から二番目の子は、最後の子の分も駄菓子を持ち、備えて来る。
最後の一人は小さな籠を持ち、皆が備えた駄菓子を持ち帰る。

路地は体感でも、50mはない程の短さで
路地を抜けた先も、大きな建物に日が遮られ陰っていたという。

そして、その路地の先は「空地」になっており
四方は高さ2mは優に超える塀で囲まれていた・・・。

そんなある日の事だった。

『神隠しの路地』と呼ばれるに至った事件が起きる。

その日も、度胸試しの一環で
路地裏にお供えを行っていたそうだ。

最後の一人・・・「みーくん」と呼ばれていた友達が
いつも通り、籠を持ち恐る恐る歩を進めていく。

20m程進んだ頃には、待っていた友人たちの眼に彼の姿は写っていなかった。

だが・・・。

待てども待てども「みーくん」は帰ってこなかった。

痺れを切らせた面々は、一列になって路地裏を突撃した。

・・・そこには、お供えに使った駄菓子と「みーくん」が持っていた籠だけが残されていた・・・。






あれから数十年経つとの事だが、未だに「みーくん」は帰ってきていないという。
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