骸行進

メカ

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長編特集

宿題 終 「行方」

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増田の入院から4ヶ月。
漸く退院が決まり、我々2人は一枚の封筒を手に増田の元を訪れた。
その封筒には、現地で撮った写真が入っていた。

病室にて、写真を見返しながら思い出には立っていた所
遠藤が放った一言。

「ん?封筒にまだ写真が残ってる・・・。」

その一枚を、私は横から覗き込んだ。
・・・その瞬間だ。
一気に血の気が引いた。

皆さんは覚えているだろうか?
現地に向かう際、夜行バスで増田が放った寝言を・・・。

その写真は
キリストの彫像だった。
現地で見た彫像は白く美しい物だった。
だが、その写真の像は十字架に掲げられているその手首から脇腹にかけて
真っ赤に染まっていたのだ。
私はその写真を見た時、二重の意味で恐怖した。

「最後の写真?見せてくれよ。」

「ま、増田!」

私の制止より先に、増田の手が伸びるのが早かった。

「・・・何、これ?」

「いや、これは俺たちがイタズラで作った!」

「変な事するなよぉ~・・・。」

「ちょっと、俺達。売店で飲み物買って来るわ。」

私は慌てて、写真を取り挙げ破り捨て、その場を離れた。
だが、その嘘はバレバレだ。
私の横で、青ざめた顔の遠藤が立っていたからだ。

そして・・・。
その日を境に、増田は病院から姿を消した。

そもそも、ただの骨折であれば4ヶ月も入院などはしないだろう。
この時点で、変である事に気付けば良かった。

改めて看護師に話を聞いた所
増田の骨折は、複雑骨折であり手術も行ったのだという。
そして、傷口が塞がり、残すところはリハビリのみ。という状況の中
彼は姿を消した。
まともに歩く事も困難な彼が・・・。

「なぁ、あの(破いた)写真ちゃんと処分した方がいいんじゃないか?」

「・・・遠藤。」

我々は病室に戻り、破り捨てた写真を回収したのだ。

後日、我々は増田の親御さんに呼ばれた。

「二人に見てもらいたいものがある。」

そうして、案内された増田の部屋。
彼の机の上には、処分したはずの写真があった。
しかも、破いたはずのソレは、新品同様だった。

「この写真。どういう意味なのかしら?」

私は目の前が真っ暗だった。
なぜなら・・・。
そもそも、キリストの像の写真など撮っていなかったからだ。

確かに、石碑については歴史について語られている為、撮った。
だが、キリストの像は以前話した様に「見世物にするのは・・・。」と抵抗があった為
写真に収める事を見送ったのだ。

他の2人が写真を撮ったのか?
否。
不可能である。
そもそも、あの時点では増田に異変が起き、それを抑える為
遠藤が彼の体を掴んでいた。
2人とも、手が空いて居なかったのだ。
その為、カメラの担当は私になったのだ。

故に、どんな写真を撮ったか。は私が一番良く知っていた。

在りもしないはずの写真が、彼の机の上に置かれていた事実。
その恐怖たるや、言葉では言い表せない。

そして・・・現在に至っても増田は消息不明である。
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