骸行進

メカ

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「ファインダー越しの恐怖」

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今回のお話も、あるカメラマンの話です。
このカメラマンは、前回記事の「憑き人」に登場した「Kさん」の同僚だそうです。

彼を便宜上「Fさん」と呼びます。

その日、Fさんはとある番組の撮影スタッフとして一行に同行していたそうだ。
その番組は、アメリカで撮影された「心霊番組」だ。

今は田舎となった地方に、当時
その地方で最大と謳われた「廃病院」が聳え立っている。

廃病院の造りは五階建てであり、規模も大きかった。
撮影は、前半(一日目)と後半(二日目)に分けて行ったそうだ。

廃病院を前にしたFさんは、ある種の「神秘」を感じたという。

日本のソレとは違う造りと規模に「冒険心」がくすぐられたというのだ。

まず始めに、彼等撮影スタッフは
病院の中庭に夜営用のテントやライトのセッティングに移ったそうだ。
その後、深夜に向けて
打ち合わせと仮眠を取ったそうだ。

そして、丑三つ時・・・。

一階から二階、そして三階とロケは順調に進み
四階へ差し掛かった時だ。
カメラマンのFさんはファインダー越しにある物を見た。と叫んだ。

それは、四階へ続く階段を少女らしき人影が駆け上がっていった。というのだ。

一行は、急いで階段へカメラを向ける為、Fさんを筆頭に確認に向かった。
しかし、少女の姿は確認できなかったという。

ここで、余談だが
その廃病院では、少女にまつわる話など一切なかったそうだ。
スーツを着たサラリーマンの様な男が夜な夜な防犯カメラに映る。
など目撃例が多かったのは男性だそうだ。
それ故に、撮影スタッフ一同もなぜ少女が出たのか?と考察を重ねていたらしい。

だが、監督の一声により、前半は終了。
その日は皆、次の撮影に向けて休息を取ったそうだ。

翌日の撮影。

彼らは昨日の少女の事を引き合いに、四階へ向かう。
そこで、またしてもFさんは悲鳴を上げる事となる。

階段を登り切り、L字の折り目を曲がり、長い廊下へ・・・。

夜半という事も有り、やや月夜に照らされる廊下が、一層の恐怖だ。

その光景をみた女優が「何だか空気が重いですねぇ。」と
当たり障りのない発言をすると同時に、Fさんは悲鳴を上げた。

ファインダー越しに、下半身のみの人間が此方に向かい
「タッタッタッ。」と走って来ていたそうだ。

だが、この時Fさんは監督から怒鳴り声を掛けられたそうだ。

「カメラマンなんかのリアクションなんて要らねぇんだよ!そういうのは女優にやらせろ!」

理不尽だ。

五階は、閉鎖病棟となっており
階段を登った先には厳重な扉が合ったそうだ。
残念ながら、五階の撮影許可は下りず番組はそこで終わりになるのだが・・・。

アメリカから帰国したFさんは、Kさんに対しこう述べたそうだ。

「行くんじゃなかった・・・。」

撮影機材を固唾蹴る為に中庭へ降りた一行。
編集の為、監督たち一同が映像を見返すと・・・。

五階の厳重にしまった扉の窓から
男が此方を覗いていたそうだ・・・。

結局、少女との因果関係は分からず
その番組も都合の良い様に編集が施され
Fさんが真に見せたかった恐怖は殆ど映っていなかったという。
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