76 / 336
呪物
呪物 その4
しおりを挟む
さて、呪物シリーズも4弾目になりました。
今回、登場するのは・・・この先、夏になれば見る機会も増えるでしょう。
「クロックス」です。
これは、凡そ6年前の事です。
当時、私が働いていたのは、ある介護施設。
その施設では、ある一人の高校生が「資格の勉強の為に」と
アルバイトで入っていました。
歳も近かった我々は、お互い励まし合いながらも、日々の仕事をこなし
邁進していました。
そんなある日・・・。
我々は、入浴介助の担当になった。
・・・着替えを済ませ、脱衣所に向かうと
「あっ!」
彼が声を発した。
どうやら、サンダルを忘れたそうだ。
上司に相談の後、脱衣所に用意されていた「予備のクロックス」を履く事となった。
入浴が終わり、ロッカーへ引き上げる際
彼は
「このクロックス、持ち帰って洗います。」
そう、上司に告げた。
この時、私は不自然に思った。
ただ洗うだけならば、風呂場で洗う事は可能である。
わざわざ持ち帰ってまで洗う必要があるのか?
しかし、私はそんな彼を「礼儀正しい子」程度の認識に留め、仕事に戻った。
それから数日後の事だ。
彼は、右足を骨折する大怪我をした。
彼の話によると
出勤の際、使っている駅の階段で、何者かに押され
階段を転げ落ちたそうだ。
異変を聞きつけた駅員によって、防犯カメラなどの確認が行われたそうだが・・・。
その時、写っていたのは「彼一人」だったそうだ。
休職届を貰いにやって来た彼とすれ違った時、私は
彼の傍から「女の声」を聴いた。
しかし、極端に小声だった為に、何を言っていたかまでは聞き取れていない。
この時、私は疑問に思った。
「何時、彼に憑いたんだ、この女は・・・。もしやクロックス?」
そこでクロックスについて、話を探った所
「備品のクロックス」は以前、働いていた社員が置き忘れていったものだったそうだ。
暫く預かっていた様だが、その社員が取りに来ず
一年が過ぎ、「備品」という扱いになったそうだ。
残念ながら、持ち主の性別は不明であった。
それ以降、彼は立て続けに不幸に見舞われ
完全復帰まで何と2年かかったそうだ。
私自身、その施設とは縁がなく長居せず転職したのだが・・・。
彼とのやり取りは続き、大体の流れは聞いて居た。
何度か、直接顔を合わせる機会も有ったのだが・・・
相も変わらず、ぼそぼそと会話に紛れて煩わしい女の声がしていた事を覚えている。
私は、彼にクロックスを処分するよう勧めたのだが・・・。
なんと、そのクロックスは職場に戻して以降、見つかっていないのだという。
私は彼にお祓いに行くよう勧め、この話は此処で終わりを迎えた・・・。
今回、登場するのは・・・この先、夏になれば見る機会も増えるでしょう。
「クロックス」です。
これは、凡そ6年前の事です。
当時、私が働いていたのは、ある介護施設。
その施設では、ある一人の高校生が「資格の勉強の為に」と
アルバイトで入っていました。
歳も近かった我々は、お互い励まし合いながらも、日々の仕事をこなし
邁進していました。
そんなある日・・・。
我々は、入浴介助の担当になった。
・・・着替えを済ませ、脱衣所に向かうと
「あっ!」
彼が声を発した。
どうやら、サンダルを忘れたそうだ。
上司に相談の後、脱衣所に用意されていた「予備のクロックス」を履く事となった。
入浴が終わり、ロッカーへ引き上げる際
彼は
「このクロックス、持ち帰って洗います。」
そう、上司に告げた。
この時、私は不自然に思った。
ただ洗うだけならば、風呂場で洗う事は可能である。
わざわざ持ち帰ってまで洗う必要があるのか?
しかし、私はそんな彼を「礼儀正しい子」程度の認識に留め、仕事に戻った。
それから数日後の事だ。
彼は、右足を骨折する大怪我をした。
彼の話によると
出勤の際、使っている駅の階段で、何者かに押され
階段を転げ落ちたそうだ。
異変を聞きつけた駅員によって、防犯カメラなどの確認が行われたそうだが・・・。
その時、写っていたのは「彼一人」だったそうだ。
休職届を貰いにやって来た彼とすれ違った時、私は
彼の傍から「女の声」を聴いた。
しかし、極端に小声だった為に、何を言っていたかまでは聞き取れていない。
この時、私は疑問に思った。
「何時、彼に憑いたんだ、この女は・・・。もしやクロックス?」
そこでクロックスについて、話を探った所
「備品のクロックス」は以前、働いていた社員が置き忘れていったものだったそうだ。
暫く預かっていた様だが、その社員が取りに来ず
一年が過ぎ、「備品」という扱いになったそうだ。
残念ながら、持ち主の性別は不明であった。
それ以降、彼は立て続けに不幸に見舞われ
完全復帰まで何と2年かかったそうだ。
私自身、その施設とは縁がなく長居せず転職したのだが・・・。
彼とのやり取りは続き、大体の流れは聞いて居た。
何度か、直接顔を合わせる機会も有ったのだが・・・
相も変わらず、ぼそぼそと会話に紛れて煩わしい女の声がしていた事を覚えている。
私は、彼にクロックスを処分するよう勧めたのだが・・・。
なんと、そのクロックスは職場に戻して以降、見つかっていないのだという。
私は彼にお祓いに行くよう勧め、この話は此処で終わりを迎えた・・・。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる