骸行進

メカ

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警官の友人「荻野(仮名)」の話

滲んだ字

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私の友人「荻野」が地方に出向した際に勤めていた所轄に本部から一報が入った。
それは、本部で調査を進めていた、とある事件の容疑者についてだった。

その容疑者が、潜伏していた廃屋で見つかったらしい。
そもそも、その廃屋自体がかなり有名な場所であったそうだ。

廃屋は解体工事が途中で中断された団地のアパートだったそうだ。
更に、その団地周辺は、長い年月放置された結果
ススキや雑草が生い茂り、周辺住民からも気味悪がられる「未踏の地」となっていた。

だが、その団地は
ただ気味が悪いだけではない。
後に調べて分かった事だが、その団地は「ある事件」の現場となったそうだ。
以降、住民が次々と退去していき、現在のような凄惨な現状だけが遺されている。

結果として、周辺では
事件を知る者は口を固く閉ざし、事件を知らない者は
そもそも団地の存在そのものを知らされず、忘れ去られたのだという。

そんな中、本部には一本の通報があったそうだ。
通報者は初老の男性で、夜に愛犬の散歩をしていると
アパートの一室に灯りが灯っているのを数日間にわたり、確認していたのだという。

最初は、解体業者なのか?とも思ったそうだが
それが、夜ごとの現象として現れ、不審に感じたそうだ。

しかし、通報を受け現場に向かった警官が目にしたのは
アパートの一室で、ランタンに照らされながら首を吊って亡くなっていた容疑者の姿だった。
その部屋一面には、黒いマーカーペンで書かれ、雨などによって
滲んでしまった文字がびっしりと書いてあったそうだ。

そして、検死の結果
死後一ヶ月以上が経過していたそうだ。

可笑しいと思わないか?
遺体は、一か月以上放置されていた可能性がある一方で
通報者が灯りを確認し始めたのは、ここ数日の事であったと語ったそうだ。

しかも、ランタンだ。
一日、二日は持つだろうが、数日にわたって部屋を照らし続ける事が可能だろうか?

この事から、警察は
事件・事故の両方で調べを進める事となったそうだ。

調べを進めていった事で発覚した事。
それは、壁一面に書かれていた文字が

「助けてくれ」「呪われる」などと言った内容の文字ばかりだったそうだ。

だが、荻野がこの件の決着を見る事は無かった。
調査半ばで、元居た所轄へと戻る期限を迎えてしまったのだ。

別の部署から配属となった警官へ、情報の引継ぎがなされ
この話は、ここで終わりを迎える。

あの時、容疑者に何が有ったのか・・・。
荻野は今でも、時々
その事件を思い出し、モヤモヤしているという。
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