骸行進

メカ

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長編特集

儀式 その2 「残骸」

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我々が、件の廃屋へ調査に赴く前に
彼女たちは紀子さんの強い要望で、先に見に行ったそうだ。

すると・・・
祭壇の残骸である木枠は残されていたが
それ以外の物品は一切残されていなかったそうだ。

紀子さんの夢、消えた残骸。
3人は恐怖を覚え、専門家を頼る事にした。
その結果が、先の投稿での流れである。

しかし、皆さんは疑問に思う事だろう。
X氏はいわば「プロ」である。その彼がなぜ「アマチュア」の私に手助けを求めたのか。

それは、彼の特異な性質上必要であった。

彼は霊視ができる。
だが、ある種の致命的欠陥を持ち合わせている。
・・・彼は「(霊の存在を)感じない」のだ。

視界に捉えた者を、一般人でも見えているかのように会話すら可能だ。
だが、中には意図して気配を消す者、隠れる者が居ると彼は言う。
それ故、私は彼のセンサーとして、助手としてその件に駆り出された。

廃屋調査当日。
私とX氏は、3人から教わった道を通り、件の建物を見つけた。
その建物は、とある旅館跡地だ。

中に入らなくても分かる。
少なくとも、3~4人の慟哭・嗚咽・悲鳴のようなものが
私には聞こえていた。

そして、祭壇があったとされる一室へ・・・。

其処には、彼女たちの説明の通り、背面の抜けた3段ボックスのようなものが
壊されていた。

「板自体は古い物だ。少しの荷重で壊れたというのは本当の様だね。
だけど、疑問がある。
彼女たちの話では、祭壇に飾られていた物はいずれも比較的新しい物だったそうだ。」

「・・・って事は、誰かが何かを祀ってた・・・と?」

「あるいは、呪っていたか・・・。」

どちらにせよ、ごく最近誰かしらが此処に来て、何らかの儀式を行っていた事は間違いないだろう。
そして、現場に残された残骸だけでは
詳しい事が分かる筈もなく・・・一度、X氏の事務所に向かう事となった。

「Xさん、なぜ儀式を行っていた者は物品を持ち帰ったんでしょうか?」

「・・・古くから言われている事だけどね。呪いの儀式っていう物は
その過程を人に見られてはいけない。と言われている。」

「その呪いが返って来るから・・・ですよね?」

「正確には、呪詛返しを行う事で『そうなる』んだけどね。」

呪詛返しの方法として
大前提で「相手の呪いの方式」というものを理解しておく必要があるそうだ。
現代医学で言うところの「対処療法」のようなものだとX氏は語る。

しかし、現代において
「正しい呪いの方法」などは行われてはおらず
そもそも「過程を見た」からといって呪いが返ってくる事はまず無いそうだ。
なぜなら、呪いの儀式自体が成功する訳がないからだ。

そして、X氏は現場から物品が消えていた事で
その祭壇が、呪いの為に用意された物だろうと
この段階から想定はしていたそうだ・・・。

残されていた残骸は、いわば現地で都合の良いものを使っただけだろう。と後に語っていた。
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