骸行進

メカ

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長編特集

儀式 その3 「カルト」

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これは、廃旅館を調べていて後に分かった事だが
件の祭壇は、やはり「何らかの儀式」の道具であり
そして、それを用意した者達が「ある団体」であることが
X氏の張り込み調査にて分かった。

その団体はいわば「オカルト集団」「カルト教」
・・・もっと馴染の言葉で言えば「宗教団体」だ。

と言っても、我々の調べた所
その団体は「目立った噂」もなく、立派な慈善団体である。
しかし、一部の熱狂的な者達が居る事も事実だった。

彼等の主な活動は「駆け込み寺」のようなものだ。
家族と上手く行かず逃げ出した者、自殺をほのめかす学生、職を失ったサラリーマン。
多くの者達が、彼らに縋っていた。
彼等は「保護」を名目に入信させ、再起を図った者達は須らくその教団を去る事ができる。
勿論、ただでとは行かないが、それも気持ちの部分が大きいようである。

X氏は知り合いの伝で「元信者」を名乗る男と面会を行ったそうだ。

その男の話では
信者である内は教団内部の事は秘密にしておく事。それが第一条件であるそうだ。
だが、彼の口から語られたそれは
まるで修行僧のような質素な生活だったという。

規律を整え、社会復帰を目指す。
俗世がどれだけ物で溢れ、その場に居る事がどれ程幸せな事なのか
それを学ぶいい機会だったと男は語る。

だが、次の一言で男の表情は曇ったそうだ。

「一部信者の中には、その俗世に溢れる物が人をダメにする。と論じ社会復帰目前の信者を
引き留めようとする動きもありました。
質素に生きれば、さほど金もかからない。・・・であれば何故、身を粉にして働くのか?
働いたとしても得られる対価がどれ程のものだ?と宣い幸せとは何かを説く一部の信者が居ました。」

傍から見れば、ニートの意見と相違ない稚拙な問答だ。
しかし、事実彼らはそれを体現してしまった・・・出来てしまった。
故に、根強い信者を生み、力のある一部として成り立ってしまった。

元信者の男の話では
そういった思想に賛同しない者に天誅を下すのだと躍起になる者達も居たのだという。
そして、彼もまた非道い目に合わされながらもその宗教団体から去る事ができたのだという。

X氏は、祭壇についてこう推論した。

祭壇に飾られていた写真の人物。
それは社会復帰目前であった信者なのではないか?
そして
その写真の人物もまた、彼らの思想に賛同しなかったのではないか?
結果として、何かしらの呪術を行う際の槍玉にあげられたのではないか?

そして、儀式を台無しにした女子大生3人組・・・。
今まさに、彼らは血眼で彼女たちを探しているのではないか?

X氏が元信者の話を聞き終える頃には
焦燥感にかられ、急ぎ対処しなければと今後について頭を抱え出した・・・。
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