骸行進

メカ

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視える友人「絢女」の話

行きずりの親子 1

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これは、今から三年前の一月ごろに起きた話だそうだ。

絢女は仕事でしばらくの間、夜勤を担当する事となった。

職場は規模の小さい会社で、いわば「当直」だったそうだ。

彼女の職場には駐車場が設けられておらず、仕事の際は
職場から徒歩3分ほどの貸し駐車場(会社で借り上げている)を利用していた。

夜勤に慣れ始め、少し余裕を持って出勤したある日の事。

彼女は車のナビでテレビを見て、出勤時間になるまで待っていた。
出勤時間は22時。
駐車場に着いたのは21時半ごろだったという。
頃合いまで、およそ15分程度のものだったそうだ。

駐車場に着くなり、彼女は「とある親子」に目が行った。

比較的若い母親に連れられ、小さな子供が
まさしく「てくてく」という言葉がぴったりの歩調で歩いていた。

見た目から母親は30代。子供は3~4歳ぐらいだっただろうとの事だ。

その親子を見た時、絢女は妙な違和感を覚えたそうだ。

1月の寒い夜・・・とはいえ親子の服装が変に思ったのだそうだ。
母親は、上下暗い色合いのスウェット、靴はクロックスだったそうだ。

子供に至っては、少しお洒落な感じで
ジーンズにパーカー、靴はスニーカー。その上ダウンベストまで着ていたそうだ。

ただ、親子に共通していたのは
フードを目深に被っていた。という事だ。
そのせいか、二人の顔付きなどは分からなかったらしい。

この時、絢女は
「子供が中々、寝付けず散歩をしているのだろう。」と思ったそうだ。

手をつなぎ歩く親子を見送り、再びテレビに目を向け数分。

・・・また親子が歩いて来る。

二度目の親子の登場は絢女の不信感に火を灯す事となった。

「寒い夜、住宅街にもほど近い道を静かに歩くのは普通だと思う。
・・・でも、あの二人は何かが違った。」

終始、俯き歩く二人。
近所迷惑を考えて、大人しく歩くのは良いが・・・
若い母親と小さな子供だ。それなりに「活力」というか「生気」があっても可笑しくはない。

だが、絢女の見た親子には「ソレ」を全く感じなかったそうだ。

そうなると、最初に感じた「てくてく歩く」という感覚も
覇気なく「とぼとぼ歩く」という感覚に置き換わったそうだ。

更に奇妙な事に、その数分後
時間となり、荷物を持ち車の外に出た絢女の前を
三度、その親子が通ったそうだ。

「おかしい。」

絢女の不信感はいよいよ確信に変わった。

子供が寝付けずに軽く散歩・・・しているなら
一周した時点で「寒いからお家に帰ろうね。」となりそうなものだ。
百歩譲って、子供が駄々を捏ね二週目を歩いたとしても
流石に、三週目は「風邪をひくと大変だ」と止めやしないだろうか?

この時、絢女はある事に気が付いていたそうだが
数日の間、職場の人間達とやり取りを重ね「親子」について聞く事にしたのだという。
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