骸行進

メカ

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筆者(メカ)の経験談。

修行の開始と合間で・・・。 3

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午前中は、X氏の監督の下
座禅や写経、掃除などを行う。

これがまた体力勝負である。
座禅では精神力を削られ、写経では集中力を奪われ
掃除では体力を根こそぎ持って行かれる。

蔵に戻る頃にはクタクタだ。

ましてや、断食中の行いである。
絵に描いたような飢餓が夕方からの時間を長く感じさせる。

蔵に戻った私は、扉を開けた瞬間から違和感を覚えた。

『おかしい、明らかに何かが違う。』

そう肌で感じ取る。
しかし、何が違うのか。それを説明しろと言われても不可能であっただろう。

その原因について気付いたのは、扉が閉ざされてから数分経過しての事だ。

「・・・配置が、変わってる・・・。」

この蔵は、X氏であっても特別用事がなければ寄り付かない場所だという。
日中は修業をしていた事も有り、この蔵に誰も居なかったはず。

にも拘わらず、呪物の配置が変わっている。
そう感じ取った訳だ。
何がどう変わっているのか、それ自体は分からないものの
「動いている」という漠然とした感覚だけが全身を支配していた。

数分間、呪物たちとの睨めっこだ。
どの呪物に一番強い違和感を感じるか・・・一つ一つをじっと見つめる作業。

すると、後ろから・・・ガコッ。という音が聞こえ振り返る。

どうやら、お弟子さんの一人「末長(仮名)さん」が閂を外し、戸を開けた音だ。

「○○(筆者)さん?・・・大丈夫ですか?」

「・・・え?」

「あ、いや・・・外の小屋で様子を伺ってたんですが
急にケタケタ大きな声で笑い出していたので・・・。」

有り得ない。

私は、私の感じた違和感とそれに関して対峙し調査していた事を明かす。

しかし、末長さんも意見を譲らず

「でも、○○(筆者)さんの声でした・・・。」

という問答になった。

とはいえ、実際に姿を確認し安否も分かった事で
再び、戸は閉ざされた。

私は、その後すぐに寝る事にしたのだ。

そして、時間は流れどれほど経ったか・・・。

空腹に耐えられずロクに睡眠をとれない中
漸く、うつらうつらと寝入った時だ。

ゴンッ!という鈍い音がした。

音には気付いていた。
だが、空腹と疲労で起きようとも思えなかった私は
そのままの体制で、微睡の中、音の正体を探っていた。

すると、再び・・・「ゴンッ!」

二回目にして、音の発生源は蔵の壁である事を理解した。

まるで、大きなブロック石でもぶつける様に、一定のリズムでその音は聞こえた。

30分程、その音を聞きながら寝よう寝ようと努力をしていたが・・・

ついぞ、眠れず・・・夜が明け
再び、蔵が解放された。
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