骸行進

メカ

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長編特集

旅館 4 ギブアップ

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第四組 絢女達のペアが探索を開始して5分。

何と、大広間に絢女だけが戻って来た。

一同は何事か起きたかと目を輝かせていたが
絢女は本格的に体調を崩し、その場で嘔吐した。

それを見た数名が「ただ事ではない」と目を覚まし、彼女の元へ駆け寄った。

「も、もう・・・無理!」

絢女はその一言を言い放ち、心配する一同の手を払い除け
大広間の隅に横たわった。

彼女が大広間に戻って来た時
私は、幾人かの声を聞いた。
『連れて来たか・・・。』そう直感した。

しかし、夕食後に雑木林で絢女が話した事が事実であれば
彼女が「こうなってしまった」のも頷けるし「こんなものではないだろう」と
内心、覚悟していた。

私は彼女の横に移動し、様子を見つつ話を聞く事にした。

「・・・何があったの?」

「・・・。」

「(旅館を)どこまで見た?」

「・・・二階の202号まで。」

「ペアの人は?」

「代わりに最後まで(人形を)探してくれるって。」

「わかった。」

それだけ聞き、私は皆に情報の共有をした。

・・・だが、制限時間の20分を過ぎても、ペアになった人物は戻ってこなかった。

ここで、消えたペアを探す為
ゲームの終わった三つのペアで、旅館内を探す事となった。
無論、次のゲームの為に、隠された日本人形も回収されたのだが・・・。

旅館内をくまなく探しても、消えたメンバーが見つかる事は無かった。

だが、一人所在不明になった程度では飽き足らず、ゲームは再開となる。
ゲームの趣旨はやや変わり、消えたメンバーを交代で探す名目で五組目のペアが出発。
20分後
戻って来た彼等は、首を振りながらの帰還。

六組目に至っては、開始から10分で切り上げ帰って来た。
彼等もまた、音や話声と言った物を聞いたらしい。

七組目
彼等は8分だった・・・。
2階に差し掛かった時、対岸の廊下の突き当りを
誰かが歩いていくのを目撃したという。
急いで後を追ったが、上か下かどっちに行ったか分からず
逃げ帰って来たそうだ。

八組目に至っては、両名共に探索を拒否。
数分の押し問答の末、結局
私の番となる。

大広間を出て、廊下は既に電気の消えた暗闇だ。
足元をぼんやり照らしていた広間からの明かりも
襖が閉まっていく音に合わせて消えた。

・・・途端に噴き出す冷や汗。
まだ一歩も動いてない。
にも拘らず、暗闇の「その先」で
何かが絶え間なく動いている気配がする。

唯一の救いは「彼等」が此方に意識を向けていない事。

まるで、渋谷のスクランブル交差点だ。
そのど真ん中に、一人佇むような・・・。
だが、その表現には似付かわしくない「距離感」
まるで見えない壁でもあるような・・・。

次の一瞬で暗闇の「その先」から
誰かが歩いて来るのではないか?
その足先が・・・見えてしまうのではないか・・・?

視たくない気持ちとは裏腹に
感覚は冴え、目を凝らしてしまう自分が居るのだ。

・・・そうでもしないと先に進めないのだから・・・。
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