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長編特集
旅館 5 無灯の探索
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その場に佇む事、数分。
漸く、暗闇に目が慣れ多少の距離であれば状況を掴めるようになった。
額からは相変わらずの冷や汗であるが
順応してきたからには進まねばならない。
まずは左の突き当り。
ここは厨房であるが、その扉には鍵が掛かっている。
重要なのは、その扉の真正面にある従業員用のトイレだ。
トイレの扉の前に立った時
自身が歩いてきた道の方から、髪でも握りつぶしているのか?と言う様な
クシャッ。という音が一回・・・。
瞬時に目をそちらに向けるも、暗さのせいで何かが見える訳もなく・・・。
「大広間で何かしているのだろう」と無理やり言い聞かせた。
ドア飲むに手を掛けた時、一瞬嫌な想像をしたものである・・・。
この扉を開け、中を覗いた時
・・・あり得ない物がぶら下がって居たら・・・?
そんなワンシーンが脳裏に焼き付いて離れないのだ。
そんなはずはないと分かっていても、怖いものである。
そっと開けた扉
見慣れた便座が現れ、ほっとする。
戸を閉め、安心感を得た勢いで来た道を戻る。
次は、フロントだ。
旅館というだけあって、げた箱は木札でロックを掛けるタイプの物がズラリと並ぶ。
そして、廊下を挟んで中央付近。それは見えて来る。
カウンターテーブルの上に、パンフレットなどが並ぶ。
裏手を軽く覗くも、何もない様だ。
最後に目に映ったのは、恐らく内線用に引かれている受話器。
「・・・まさかな。」
お決まりのパターンだが、これが今ここで鳴ったら?
寿命が3年は縮まる事だろう。
少しの間様子を見たが、変化はない。
次に行く為、歩を進める。
と同時にポケットの携帯が鳴るのだ・・・。
悲鳴と同時に吐き気がこみ上げて来る。
結果、何も声を発する事無く、堪えてしまった。
電話の相手は主催者だった。
「もしもし?あれから少し経ったけど進捗はどう?」
「・・・今の所は何も。丁度フロントで受話器が鳴るんじゃないかって止まってた所で。」
「お~。ある意味タイミングがいいな。」
携帯の向こう側から皆の笑い声が聞こえる。
安心感を覚える反面、苛立ちもあった。
「ただ、30分待ってるのも面白くないから、実況形式なんてどう?」
「何も面白い事なんて起きないと思いますよ・・・。」
「まぁまぁ。取りあえずやってみよう。」
私は「一人」で「ゆっくり」と見て回りたかったのだ。
この電話一本で、そのムードはめちゃくちゃだ。
「大広間を出てから、視界の及ばない暗闇の中でずっと何かが動いてる気配はありますね。」
「そういえば、皆同じような事言ってるねぇ。足音とか声とか・・・。」
「とにかく、まだフロントなのでもう少し進んでみます。」
「分かった。何かあれば実況頼むね!」
私は、やれやれと次の場所を目指す事になった。
漸く、暗闇に目が慣れ多少の距離であれば状況を掴めるようになった。
額からは相変わらずの冷や汗であるが
順応してきたからには進まねばならない。
まずは左の突き当り。
ここは厨房であるが、その扉には鍵が掛かっている。
重要なのは、その扉の真正面にある従業員用のトイレだ。
トイレの扉の前に立った時
自身が歩いてきた道の方から、髪でも握りつぶしているのか?と言う様な
クシャッ。という音が一回・・・。
瞬時に目をそちらに向けるも、暗さのせいで何かが見える訳もなく・・・。
「大広間で何かしているのだろう」と無理やり言い聞かせた。
ドア飲むに手を掛けた時、一瞬嫌な想像をしたものである・・・。
この扉を開け、中を覗いた時
・・・あり得ない物がぶら下がって居たら・・・?
そんなワンシーンが脳裏に焼き付いて離れないのだ。
そんなはずはないと分かっていても、怖いものである。
そっと開けた扉
見慣れた便座が現れ、ほっとする。
戸を閉め、安心感を得た勢いで来た道を戻る。
次は、フロントだ。
旅館というだけあって、げた箱は木札でロックを掛けるタイプの物がズラリと並ぶ。
そして、廊下を挟んで中央付近。それは見えて来る。
カウンターテーブルの上に、パンフレットなどが並ぶ。
裏手を軽く覗くも、何もない様だ。
最後に目に映ったのは、恐らく内線用に引かれている受話器。
「・・・まさかな。」
お決まりのパターンだが、これが今ここで鳴ったら?
寿命が3年は縮まる事だろう。
少しの間様子を見たが、変化はない。
次に行く為、歩を進める。
と同時にポケットの携帯が鳴るのだ・・・。
悲鳴と同時に吐き気がこみ上げて来る。
結果、何も声を発する事無く、堪えてしまった。
電話の相手は主催者だった。
「もしもし?あれから少し経ったけど進捗はどう?」
「・・・今の所は何も。丁度フロントで受話器が鳴るんじゃないかって止まってた所で。」
「お~。ある意味タイミングがいいな。」
携帯の向こう側から皆の笑い声が聞こえる。
安心感を覚える反面、苛立ちもあった。
「ただ、30分待ってるのも面白くないから、実況形式なんてどう?」
「何も面白い事なんて起きないと思いますよ・・・。」
「まぁまぁ。取りあえずやってみよう。」
私は「一人」で「ゆっくり」と見て回りたかったのだ。
この電話一本で、そのムードはめちゃくちゃだ。
「大広間を出てから、視界の及ばない暗闇の中でずっと何かが動いてる気配はありますね。」
「そういえば、皆同じような事言ってるねぇ。足音とか声とか・・・。」
「とにかく、まだフロントなのでもう少し進んでみます。」
「分かった。何かあれば実況頼むね!」
私は、やれやれと次の場所を目指す事になった。
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