骸行進

メカ

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大親友「遠藤」の話

「見知った顔」の裏話。

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これは、私の体験談で語った「見知った顔」の一件。
その裏話である。

この話は、全てが一件落着してから「遠藤」を通じて私の耳に入る。

話の概要については此処では割愛するが
今回の主役となってしまったのは
「見知った顔」に出て来た、私の友人「杉本」だ。

先に結末だけお話すると、杉本はあれから10年経った今でも
精神病棟に入院している。

全てが終わった後・・・我々は「お祓い」を受けた。
これで一安心・・・だったはずだ。

しかし、杉本だけは「安心」できるような状態ではなかったのだ。

お祓いから数日後。

杉本は、毎夜悪夢に魘される様になったという。
詳しい内容は覚えていないそうだが、決まって「あの老婆」が出るそうだ。

杉本はとうとう、不眠症に悩まされるようになる。

当時、一緒に会の場へ赴いた仲間に相談をしていたそうだが
仲間たちが杉本を見た印象は皆同じで「目の下に凄いクマが出来て落ちくぼんだ様に見える」
とのことだった。
それではまるで「あの老婆」じゃないか。

不眠症に耐える事、3か月。
ある晩の事だ。
杉本はふと我に返る。

部屋には灯りが灯らず、その暗闇の中
一心不乱に、麻縄を結っていたそうだ。

それで何をするか?当然、首吊りに決まっている。

「ソレ」が頭を過った時、杉本は急に腹の底から可笑しくなり
暫くの間、一人ゲラゲラと笑いながら麻縄を何処に吊るそうか?どうやって首を吊ろうか?と
部屋中をうろついていたという。

ひとしきり、笑い転げた後
再び我に返る。

「あぁ、俺ってもう壊れてんだ。」それを自覚したそうだ。

杉本は、再びお祓いを受ける事となるのだが
3件のお寺に拒否されたそうだ。
4件目にして漸く、お祓いを受諾してくれる場所に辿り着いたそうだが・・・。

いざその当日。
杉本は、逃げ出した。
それからおよそ一か月間、失踪したのだ。
とある商店街で、自転車との接触事故を起こし、ケガを負った為
入院したそうだ。
しかし、状況を聞こうにも当時の杉本は既に「狂っていた」。

そのまま、治療を終えた後
身内によって、精神病棟への入院が決まった。

それから、6年後。

多少なりとも復活を遂げた彼に、我々は会いに行った。

そこで、我々は彼の異常性を目の当たりにする。

当時のメンバーは私を含めて5人いた。

杉本に会いに行ったメンバーは全部で4人だ。

にも拘らずだ・・・。

彼は言うのだ。

「おぉ!皆来てくれたんだね!5人御揃いで!なんだよ、ばぁちゃんまで来なくても良かったのにぃ!」

彼は、誰もいない・なにも無い空間に向かって
嬉々として話しかけ始めたのだ。

あれだけ、恐れていた筈の「あの老婆」の姿を
彼は今でも見続けているのだ・・・。
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