骸行進

メカ

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視える友人「絢女」の話

限界団地

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都内某所に「ソコ」はある。
「限界団地」・・・近隣住民は「そこら一体の区画」をそう呼ぶ。

数年前のある時だ。
絢女は友人グループの誘いで、ショッピングに出かけた。
その際、グループ内で話題に上がったのが「ソコ」だったらしい。

何十年前までは「マンモス団地」と呼ばれて栄えていた場所。
最近では、その団地に住む人口数は減り、団地内部に出来た商店街も
軒並みシャッターを下ろすゴーストタウンと化している。
現在も住民は確認されているものの、その殆どが老齢であり
あと数年もすれば、その団地は完全に無人に近い物となる・・・。

その団地に特別な「曰く」があった訳でもない。

ただ、友人の一人がテレビで「限界団地」として取り上げられていたという話題を
降って来ただけに過ぎなかった。

しかし、都会の華やかな街並みを見て生きて来た彼等にとっては
「限界団地」という言葉は、とても好奇心をくすぐる話だったのかもしれない。

「今度行ってみようよ。」

冒険心のくすぐられたメンバーの一人が言う。
だが・・・。

「何もねぇのに行ってどうするんだよ。ただ散歩するだけなら一人で行けよ。」

都会の賑やかささになれたメンバーの一人は
娯楽の一つもない「団地」など、興味もなかった。

「えぇ~、良いじゃん。行こうよ。何か出るかもよ?」

「何も出る訳ないだろ?そんな所。ただの過疎地ってだけじゃんか。」

メンバー内で暫く論じ合った結果、彼等は限界集落へ赴く事が決まった。

数日後。
現地に立った絢女の感想はこうだ。

「本当に何もない。ただの寂れた集合団地。」

終始何も起こる事は無かった。
・・・ある一か所を除いては。

それは、集合団地内に設けられた郵便局だった。

マンションの一階部分(エントランス)を利用して作られた小さな郵便局。
他にも似たような場所はチラホラあった。
だが、彼等が訪れたソコで異変が起きる。

「ひゃ~・・・THE昭和。って感じ?」

当然、入り口には鍵が掛けられ入る事など出来る筈もなかった。

一同が外からその光景を眺めていた時だ。

郵便局のガラス張りに一部、「バキッ」と音を立ててヒビが入ったそうだ。
周囲には自分たち以外誰もいない。
閑散とした一角で、その音だけが響いた。

その直後・・・。

背後にあったポストから「ガコン」と何かを入れる音が鳴ったそうだ。

慌てて振り返るも、誰もいない。

メンバーの一人がポストを調べる。
挿入口の蓋が閉まる時、先ほど聞いた音と同じ音が響く。

そこで漸く全員に「恐怖心」が芽生えた。

「帰ろう・・・。」

言い出しっぺのメンバーの一言で全員は無言のまま頷き、その場を後にした。

・・・だが、後日更なる恐怖を体験する事となった・・・。
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