骸行進

メカ

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警官の友人「荻野(仮名)」の話

保護された老人 終

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現地のマンションに辿り着いた二人。
パトカーから降り、エントランスを潜る。

管理室には、数名の男女が居た。

「あのぉ、○○警察の者ですが。」

「はい?」

一番近くにいた中年の女性が対応に来た。

「実は、ここの住人だというご老人を保護しておりまして。」

「・・・はぁ。どなたでしょうか?」

「大林さんというご老人で。」

「分かりました、確認を取りますのでお待ちを。」

話を聞き直ぐに奥へと引っ込んだ女性は電話で誰かと話を始めた。
そして、待つ事数分。

「あのぉ、確かに大林という方が居たようなのですが・・・。」

戻って来た女性は、どこかバツの悪そうな表情だった。

「良かった。では、こちらの書類にサインを・・・。」

「亡くなってるんです。」

「・・・え?」

「4年前に。亡くなってるんです。」

「・・・。」

その女性職員の話では、4年前
普段通りの生活の合間で、職員同伴の車移動での買い出しに出掛けていたそうだ。
しかし、その最中
信号無視で飛び出した車と衝突。
職員共々、その場で死亡が確認された。

大林には血縁が居なかった為、遺体は病院での安置・対応となった。
故に、大林のその後を知る者は誰もいないそうだ。

「そ、そんな・・・俺、大林さんをここまで乗せて・・・。」

振り返った後ろには大林の姿はなかった。
当然、パトカーにも・・・。

「そ、そうだ。こちらで何度かお電話差し上げていたと思うのですが。
わ、渡さんという方が責任者の方なんですよね?今、いらっしゃいますか?」

「・・・。」

「どうされました?」

「事故で死亡した職員が・・・渡さんなんです。」

此処までを聞いた荻野は思考停止に追い込まれた。

全てが終わり、交番へ戻った時
荻野は生気を吸われたような状態だったそうだ。

無理もない。

この話には「もう一つ」続きがあるのだ。

「当時は、マンションの改修話が持ち上がっていて
大移動になりますから、前もって準備などを行っていたもので
職員を総動員して事に当たっていたんです。
ですので、役職など関係なく渡さんも買い出しの担当やらを行っていた様で・・・。
お電話いただいたというお話でしたが・・・
残念ながら、私共の所には一本も掛かってきておりません。
あの事故をきっかけに、電話を変えたもので・・・。」

「電話を・・・?」

「えぇ、社用携帯として使っていた携帯があるのですが・・・
あの日、渡さんが持って行っていたそうで・・・未だに携帯だけ見つかってないんです。」


・・・繋がってしまった。
あの違和感だらけの電話の内容。

これは、彼から話を聞いた私の私見だが
事故で紛失した携帯は、本来繋がるべきものではない。
しかし・・・
何かのきっかけで・・・電話が通じてしまった。
・・・だが、受話器越しの彼等は・・・恐らく「時が止まったまま」なのだ。
故に、いくら電話を掛けようとも話が進展しなかったのだろう。

だからこそ・・・迎えに来るはずなどないのだ。
仮に、迎えが来たとすれば・・・それは・・・。

しかし、この続きは彼には言わないでおこう。
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