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31話 リターン
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航が起業し、4ヶ月が経過した。
テレビから流れる報道は、日常を取り戻している。
が、相変わらず復興だのと、引き合いに出される関東や富士近郊。
その殆どの地域では、未だ癒えぬ傷跡を残し生活している。
「復興が急がれる」などと宣うアナウンサーも、現状を見てどう思うのだろうか?
何一つ、遅々として進んでいない「復興」だ。
この4ヶ月で変わった事と言えば
現地に設けられた仮設住宅の奪い合いが追加された事位だろう。
溶岩流や噴石、地割れなどが起こった地域では
もはや「人の住める土地か?」と言わざるを得ない場所で人が寝起きしているのだ。
自衛隊などの懸命な活動で、物資は滞っていないものの
「圧倒的不足」は否めない。
こと東京においては、ソレが顕著だった。
地震以前の東京は、日本の都市人口がナンバーワンだったものが
今や、その人口は近隣の県や地方に流入を許してしまっている。
見るも無残な廃ビルが立ち並ぶ「ゴーストタウン」と化した。
その中で、航が始めた事。
それは、役所と掛け合い、地域の食料店などと掛け合い
ある地区の公園を貸切った事だ。
そして、その公園の上部にブルーシートなどを張り
簡単なBBQ会場を作ったのだ。
其処では、BBQのみに捉われず、多くの料理を並べる簡易的な屋台も用意した。
そう・・・航は「ビアガーデン」を作ってしまった訳だ。
その会場でホームレスや有志らと共に炊き出しを行った。
しかも、ただの炊き出しではない。
会場には「わらしべ掲示板」なるものを造り
地域の住民、被災者たちによる「簡易的な物々交換」の為の掲示板を作った。
更に、その地区でたむろしていた不良を集め
食事提供の代わりに、治安維持の為の見守りを任せたのだ。
最初こそ、暴力的な解決が見られた彼等だが
安定した食事と、話し相手の確保が功を奏したのか
彼等も率先して、平和的に話し合いを持ち込むようになった。
だが、これだけ大掛かりな事を成し遂げられたのは
単に、裏で活躍する者達が居るからだ。
関西ではポスティングなどの作業で・・・。
関東では被災地への物品供給を・・・。
黙って走り回ってくれた浮浪者(彼等)が居た。
それだけじゃない。
活動を知り、寄付を寄せる多くの人々の想いがある。
現地視察でソコを訪れていた航は思う。
この国は平和なのだ。
・・・例え、形容しようにも出来ない仁蔵の災害が起きて
一つの都市が、地図から消えても可笑しくない被害を受けたとして
我々はソレを黙って受け入れるだけだろうか?
・・・否。
どれだけ時が流れても、そこで戦い続けている人が居るのだ。
忘れてはならないはずだ。
航は、更なる一手の為に会場を後にする・・・。
テレビから流れる報道は、日常を取り戻している。
が、相変わらず復興だのと、引き合いに出される関東や富士近郊。
その殆どの地域では、未だ癒えぬ傷跡を残し生活している。
「復興が急がれる」などと宣うアナウンサーも、現状を見てどう思うのだろうか?
何一つ、遅々として進んでいない「復興」だ。
この4ヶ月で変わった事と言えば
現地に設けられた仮設住宅の奪い合いが追加された事位だろう。
溶岩流や噴石、地割れなどが起こった地域では
もはや「人の住める土地か?」と言わざるを得ない場所で人が寝起きしているのだ。
自衛隊などの懸命な活動で、物資は滞っていないものの
「圧倒的不足」は否めない。
こと東京においては、ソレが顕著だった。
地震以前の東京は、日本の都市人口がナンバーワンだったものが
今や、その人口は近隣の県や地方に流入を許してしまっている。
見るも無残な廃ビルが立ち並ぶ「ゴーストタウン」と化した。
その中で、航が始めた事。
それは、役所と掛け合い、地域の食料店などと掛け合い
ある地区の公園を貸切った事だ。
そして、その公園の上部にブルーシートなどを張り
簡単なBBQ会場を作ったのだ。
其処では、BBQのみに捉われず、多くの料理を並べる簡易的な屋台も用意した。
そう・・・航は「ビアガーデン」を作ってしまった訳だ。
その会場でホームレスや有志らと共に炊き出しを行った。
しかも、ただの炊き出しではない。
会場には「わらしべ掲示板」なるものを造り
地域の住民、被災者たちによる「簡易的な物々交換」の為の掲示板を作った。
更に、その地区でたむろしていた不良を集め
食事提供の代わりに、治安維持の為の見守りを任せたのだ。
最初こそ、暴力的な解決が見られた彼等だが
安定した食事と、話し相手の確保が功を奏したのか
彼等も率先して、平和的に話し合いを持ち込むようになった。
だが、これだけ大掛かりな事を成し遂げられたのは
単に、裏で活躍する者達が居るからだ。
関西ではポスティングなどの作業で・・・。
関東では被災地への物品供給を・・・。
黙って走り回ってくれた浮浪者(彼等)が居た。
それだけじゃない。
活動を知り、寄付を寄せる多くの人々の想いがある。
現地視察でソコを訪れていた航は思う。
この国は平和なのだ。
・・・例え、形容しようにも出来ない仁蔵の災害が起きて
一つの都市が、地図から消えても可笑しくない被害を受けたとして
我々はソレを黙って受け入れるだけだろうか?
・・・否。
どれだけ時が流れても、そこで戦い続けている人が居るのだ。
忘れてはならないはずだ。
航は、更なる一手の為に会場を後にする・・・。
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