東京が消えたなら。

メカ

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32話 「液状化」

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大災害以降、かなりの時間が経過しているにも拘らず
東京を始めとする、被災地は一行に復興が進んでいない。

それは何故か・・・。

瓦礫の山の撤去は誰がする?
そもそも、その瓦礫は誰が集めるのだ?

その全ては、国などの補助あっての事だ。

だが、その補助が充分に行われていたとしても
復興は進まない。

その大きな要因が「液状化」である。

「液状化」はそれまで平坦であった道路を簡単に崩す。

都内が極端に大打撃を被った理由も「液状化」が一躍買っている。

その影響もあって、今尚
車などの通行には大きな負担を残している。

復興の為の復興が一向に進まない。

結局の所、被災地復興の要は「人力」なのだ。

そして、それは航の事業にも例外なく「不便」を与えている。

「社長、居るかい?」

「ヤマさん?」

「丁度いい、ちょっと相談があってな。」

「何です?」

「いやぁ、被災地での物品配布の手段がね・・・。」

「?」

「今、荷車を主に使ってるんだけどもな。実は、効率が非常に悪い!」

「・・・どうして?」

「液状化のせいでな、補装道がボッコボコらしいのよ。挙句、未だに地割れしてる部分も多くてな。」

「・・・。」

「ついこの間も、軽く地割れ起こした所にタイヤが挟まったらしい。」

「それで、その時は?」

「結局は荷車から荷物を徒歩で運んだそうだ。」

「確かに、それだと効率も悪いし・・・皆の負担が大きいなぁ。
・・・でも、震災から結構な時間が過ぎてるのに・・・。」

「関係ないんだよ。」

ヤマさんは静かにお茶をすすると言葉を続けた。

「震災以降も余震はあった・・・。本震で緩んだ地盤に追い打ちが掛かってるんだよ。
何だったら、本震以降の液状化の方が酷いぞ。」

「でも余震だって、だいぶ前から落ち着いてると思うけど・・・。」

「復興っつっても、道路なんて見向きもされず散らかってる瓦礫の撤去がメインだしなぁ。」

「困ったなぁ・・・。」

「まぁ、暫くは徒歩を織り交ぜた動きで行くしかねぇなぁ。」

「ヤマさん、俺に一つ考えがあるから時間をくれないかな?」

「分かった、皆の衆には伝えて置く・・・邪魔したな。」

航の考えとは、実にシンプルな物だった。
「若者を参加させる」というものだ。

「俺達にはわらしべ掲示板がある。・・・あれを使えば上手く行くはずだ。」

そういうと、航は掲示板にある「お願いごと」を掲載した。

「食料や仮眠スペースの貸し出しを担保に仕事を手伝っていただける方」という文言だった。

そして、その募集は直ぐに花開く事になるのだ。
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