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ヘタレ、追想する。
ヘタレ、震える。
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化物の出現から三日。
ミンハダは既に戦火の中だった。
得体の知れない生物たちは、強靭な体躯を持ち
口からは溶解液を吐く。
建物も雑木林も兵士達でさえ、目に入った物全てを破壊し進む生物たち。
「これは何の悪夢だ・・・。」
逃げ果せる際、地面に崩れ落ちる中年の男が嘆く。
だが、その慟哭を共に嘆いている時間はなく
小さくなっていく男の姿を、目で追う事すら諦めた。
「ほら、何してるんだ!小僧!はよ来い!」
前方から怒号に近い呼びかけで、ロマーリオが叫ぶ。
その一声に、我に返る。
「うわっ!」
その時、倒壊した瓦礫に躓き、派手に転んだ。
「ぼさっとしているからだ!、早く立て!北門を目指すんだ!」
ミンハダの北部に位置する「バルテルド公国」は
この近隣でも最も大きな国である。
最初に化物の襲撃を受けた際
ミンハダが何処よりも先に、応援要請を掛けたのがこの国だ。
バルテルド公国は、この応援要請を快諾。
近隣諸国に先んじて250の兵力派遣と避難民の受け入れを表明。
それから三日間。
昼夜を問わない化物の波状攻撃に晒され
ミンハダは陥落。
北部へ逃げる民間人は、半ばキツネ狩りの要領で狩られていく始末。
当然、民間人を護衛する兵団は居た。
ミンハダ有する国防鋭士隊・・・残数30人。
三日前までは、この鋭士隊は1000人は居たのだ。
だが・・・この三日間で、殆どの鋭士隊がやられた。
「奴ら」の体は固い鱗状の殻で覆われている。
その上で、半獣人の様に四足歩行や二足歩行で走り回り国を蹂躙した。
人を相手に訓練を重ねた鋭士隊は「奴ら」の不規則な動きに適応できず
軒並みやられていったのだ。
国を逃げる時、元から護衛についていた鋭士隊が現在の30人という事だ。
そうして・・・。
バルテルド公国を目前に、「奴ら」に襲われた一団は
応戦虚しく半壊。
その犠牲者の中に、ロマーリオが居た・・・。
「・・・ロッシュの親父さん・・・。」
「ロッシュ」とは、ロマーリオの若かりし頃のあだ名だそうだ。
彼は若い時から気風の良い男として有名だったそうだ。
身寄りのない子供、グレた青年、道に迷った大人。
誰しもが一度は彼の元で、更生に励んだという・・・。
俺が彼に住み込みを頼み込んだ際も
「小僧、俺の事はロッシュと呼べ」などと大口を開けて笑って居たのだ。
「・・・あいつ等ぁ・・・許さねぇぞ!」
涙流れる鋭い眼光で、血の滲む拳を携えて・・・
赤く滲む地平線と、黒く登る煙をその眼に焼き付けた・・・。
ミンハダは既に戦火の中だった。
得体の知れない生物たちは、強靭な体躯を持ち
口からは溶解液を吐く。
建物も雑木林も兵士達でさえ、目に入った物全てを破壊し進む生物たち。
「これは何の悪夢だ・・・。」
逃げ果せる際、地面に崩れ落ちる中年の男が嘆く。
だが、その慟哭を共に嘆いている時間はなく
小さくなっていく男の姿を、目で追う事すら諦めた。
「ほら、何してるんだ!小僧!はよ来い!」
前方から怒号に近い呼びかけで、ロマーリオが叫ぶ。
その一声に、我に返る。
「うわっ!」
その時、倒壊した瓦礫に躓き、派手に転んだ。
「ぼさっとしているからだ!、早く立て!北門を目指すんだ!」
ミンハダの北部に位置する「バルテルド公国」は
この近隣でも最も大きな国である。
最初に化物の襲撃を受けた際
ミンハダが何処よりも先に、応援要請を掛けたのがこの国だ。
バルテルド公国は、この応援要請を快諾。
近隣諸国に先んじて250の兵力派遣と避難民の受け入れを表明。
それから三日間。
昼夜を問わない化物の波状攻撃に晒され
ミンハダは陥落。
北部へ逃げる民間人は、半ばキツネ狩りの要領で狩られていく始末。
当然、民間人を護衛する兵団は居た。
ミンハダ有する国防鋭士隊・・・残数30人。
三日前までは、この鋭士隊は1000人は居たのだ。
だが・・・この三日間で、殆どの鋭士隊がやられた。
「奴ら」の体は固い鱗状の殻で覆われている。
その上で、半獣人の様に四足歩行や二足歩行で走り回り国を蹂躙した。
人を相手に訓練を重ねた鋭士隊は「奴ら」の不規則な動きに適応できず
軒並みやられていったのだ。
国を逃げる時、元から護衛についていた鋭士隊が現在の30人という事だ。
そうして・・・。
バルテルド公国を目前に、「奴ら」に襲われた一団は
応戦虚しく半壊。
その犠牲者の中に、ロマーリオが居た・・・。
「・・・ロッシュの親父さん・・・。」
「ロッシュ」とは、ロマーリオの若かりし頃のあだ名だそうだ。
彼は若い時から気風の良い男として有名だったそうだ。
身寄りのない子供、グレた青年、道に迷った大人。
誰しもが一度は彼の元で、更生に励んだという・・・。
俺が彼に住み込みを頼み込んだ際も
「小僧、俺の事はロッシュと呼べ」などと大口を開けて笑って居たのだ。
「・・・あいつ等ぁ・・・許さねぇぞ!」
涙流れる鋭い眼光で、血の滲む拳を携えて・・・
赤く滲む地平線と、黒く登る煙をその眼に焼き付けた・・・。
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