98 / 115
終章 王子様の決断
17.首謀者
しおりを挟む
ディランはエミリーとともに10日ほどをボードゥアンの屋敷で過ごした。安全のため学院に通えていないエミリーの勉強をみたり、ボードゥアンと魔道士団の今後について話し合ったり充実した日々だったと思う。
ディランはこのまま事件解決までは、のんびり過ごすつもりでいた。しかし、そう思い通りにはいかず、チャーリーに呼び出されて、今はアングレカム伯爵領にある立派な邸宅の門の前に来ている。
ディランたちが指輪に導かれて調べたアジトの人間は、サギソウ伯爵というチャーリーが怪しいと睨んでいた家の一つが雇っていた。サギソウ伯爵はあっさりと捕まったが、アングレカム伯爵の指示だったと自供したらしい。サギソウ伯爵は仲間を道連れにすることを選んだようだ。
「七日前、チャーリー殿下の命令書を持って、私がアングレカム伯爵に会いに行きました。しかし、伯爵は立てこもりまして、魅了状態になる者も出たので一旦引いたのです」
ハリソンが、現場に着いたばかりのディランに状況を説明してくれている。
アングレカム伯爵領といえば、『誘惑の秘宝』を作っていた『隠れ里』があった場所だ。やはり、伯爵自身も『誘惑の秘宝』に関わっていたようだ。
「他の人間は素直に捕まったからと説得しましたが応じず、このように屋敷を囲んで膠着状態となっています」
ハリソンが申し訳無さそうにする横で、怪しげな仮面をつけた男が横柄な態度をとっている。魔道士のフードまで被っていて顔が全く見えないのに、態度だけでチャーリーだと分かるのだからすごい。
暑苦しい姿をさせている原因は、もちろんディランにある。治りが遅い気がするが、ディランの魔力のせいでないことを願う。
「それで、僕は何をすればいいんですか?」
「そうだな。まずは軍の指揮者という立ち位置を演じてもらう。あとは、臨機応変になんとかしろ」
「はい。分かりました」
ディランは適当な指示に呆れながら返事をする。
相対する伯爵の身分から軍を動かすためには、それ相応の人物を指揮官に立てる必要がある。姿を見せられないチャーリーの代わりに、ディランが呼ばれたわけだ。
ディランは仮設のテントの中で軍人らしい服装に着替える。指揮官らしい立派な装飾がされている特別製だが、ディランにピッタリに作られていた。使う日が来るかも分からないのに、ディランのために誂えてあったのだろう。
「この軍はディラン・シクノチェスが率いている。抵抗は王家への反逆とみなす。100数えるうちに投降しろ!」
ディランの横でチャーリーが叫ぶ。いつもならトーマス辺りにやらせるのに珍しい。王族を呼び捨てにする部下などいないから、チャーリーもいることを暗に示しているのかもしれない。
数人の騎士が数字を叫んでいる間に、戦闘の準備に入る。
「トーマスは?」
「魅了状態にされそうな人間は、隣の領地に待機させています。敵に回ると面倒ですからね」
ハリソンは剣を抜かずに、騎士から木刀を受け取っている。
「木刀?」
「内部に入った人間の話だと、屋敷の中には魅了状態になった農民も多くいるようなのです。襲ってきたとしても殺すわけにはいかないので、相手の武器によってはこちらを使います。ディラン殿下もお使いになりますか?」
「僕はいいや」
ディランには、自分を殺そうとする人間を木刀一つで制圧する実力はない。ハリソンもトーマスほどではないが剣の腕は良いのだ。
「3、2、1……」
「突入!」
チャーリーの声で門が破壊される。崩壊した門の先にいたのは、農具を持った男たちだった。
ディランは防具すらつけないで向かってくる相手を次々と魔法で気絶させていく。魅了状態になっているので、相手は仲間がバタバタと倒れていっても恐怖心を感じる様子もない。
気がつくとアングレカム伯爵家の前庭は、気絶した農民だらけになっていた。こちらの軍勢には怪我をした者はいない。
チャーリーの部隊は、魅了状態にされない者だけを集めたので少数だが、実力差は明らかだった。
ディランの役目は、本当に指揮官のふりをするだけになりそうだ。あっという間に前庭を制圧した部隊は、数組に分かれて屋敷の中に突入していく。
ディランは怪しげな格好をしたチャーリーと共にその様子を庭で傍観していた。狭い屋敷内は連携が重要なので隊員ではないディランは参加しない。農民たちの拘束や輸送の手伝いをしたかったが、今日は一応指揮官なので手伝うなとチャーリーに言われてしまった。
チャーリーは、次々に入ってくる報告を受けて、テキパキと指示を出している。その姿は美しい顔が見えていなくても凛々しい。これが国を統べる者の貫禄だろう。
アングレカム伯爵たちは勘違いしているようだったが、ディランを代わりに据える隙などどこにもない。
「私は何も知らない! あの女に魅了状態にされてただけだ!」
しばらくして、ハリソンと共に拘束された男が出てきた。数回しか会ったことがないが、アングレカム伯爵で間違いないだろう。ディランはチャーリーと共にハリソンのもとへ向かう。
「本当だ、信じてくれ!」
「往生際が悪いぞ」
「ヒィッ、チャーリー殿下!」
伯爵は、怪しげな風貌なのにチャーリーだとすぐに気がついて怯えた顔をする。隣にいるディランの存在には気づいた様子もない。これでディラン派筆頭だというのだから笑ってしまう。
(兄上が声をかけただけで怯える男に、何ができたって言うんだろう)
チャーリーがエミリーを使ってまで強引な捜査をしなくても、自滅した可能性が高いように思う。自滅しなくても、ディランが王籍を離れる半年後までに問題を起こしたかは分からない。何か起きたとしても、その後に制圧したほうが楽に対処できたはずだ。
(兄上は何を焦っていたんだろう)
黙っているだけで視界から消えていく相手を叩くなんて、チャーリーらしくない行動だ。
その後、アングレカム伯爵の愛人らしき女も拘束され、『誘惑の秘宝』も無事に発見された。事件にこれ以上の裏がある気配はない。
農民の魅了状態を解いたり、『誘惑の秘宝』が他に譲渡されていないか調べる必要はあるが、ハリソンを中心に問題なく行われることだろう。
こうして、ディランに大きな疑問を残しつつ、立てこもり事件はあっさりと解決した。
ディランはこのまま事件解決までは、のんびり過ごすつもりでいた。しかし、そう思い通りにはいかず、チャーリーに呼び出されて、今はアングレカム伯爵領にある立派な邸宅の門の前に来ている。
ディランたちが指輪に導かれて調べたアジトの人間は、サギソウ伯爵というチャーリーが怪しいと睨んでいた家の一つが雇っていた。サギソウ伯爵はあっさりと捕まったが、アングレカム伯爵の指示だったと自供したらしい。サギソウ伯爵は仲間を道連れにすることを選んだようだ。
「七日前、チャーリー殿下の命令書を持って、私がアングレカム伯爵に会いに行きました。しかし、伯爵は立てこもりまして、魅了状態になる者も出たので一旦引いたのです」
ハリソンが、現場に着いたばかりのディランに状況を説明してくれている。
アングレカム伯爵領といえば、『誘惑の秘宝』を作っていた『隠れ里』があった場所だ。やはり、伯爵自身も『誘惑の秘宝』に関わっていたようだ。
「他の人間は素直に捕まったからと説得しましたが応じず、このように屋敷を囲んで膠着状態となっています」
ハリソンが申し訳無さそうにする横で、怪しげな仮面をつけた男が横柄な態度をとっている。魔道士のフードまで被っていて顔が全く見えないのに、態度だけでチャーリーだと分かるのだからすごい。
暑苦しい姿をさせている原因は、もちろんディランにある。治りが遅い気がするが、ディランの魔力のせいでないことを願う。
「それで、僕は何をすればいいんですか?」
「そうだな。まずは軍の指揮者という立ち位置を演じてもらう。あとは、臨機応変になんとかしろ」
「はい。分かりました」
ディランは適当な指示に呆れながら返事をする。
相対する伯爵の身分から軍を動かすためには、それ相応の人物を指揮官に立てる必要がある。姿を見せられないチャーリーの代わりに、ディランが呼ばれたわけだ。
ディランは仮設のテントの中で軍人らしい服装に着替える。指揮官らしい立派な装飾がされている特別製だが、ディランにピッタリに作られていた。使う日が来るかも分からないのに、ディランのために誂えてあったのだろう。
「この軍はディラン・シクノチェスが率いている。抵抗は王家への反逆とみなす。100数えるうちに投降しろ!」
ディランの横でチャーリーが叫ぶ。いつもならトーマス辺りにやらせるのに珍しい。王族を呼び捨てにする部下などいないから、チャーリーもいることを暗に示しているのかもしれない。
数人の騎士が数字を叫んでいる間に、戦闘の準備に入る。
「トーマスは?」
「魅了状態にされそうな人間は、隣の領地に待機させています。敵に回ると面倒ですからね」
ハリソンは剣を抜かずに、騎士から木刀を受け取っている。
「木刀?」
「内部に入った人間の話だと、屋敷の中には魅了状態になった農民も多くいるようなのです。襲ってきたとしても殺すわけにはいかないので、相手の武器によってはこちらを使います。ディラン殿下もお使いになりますか?」
「僕はいいや」
ディランには、自分を殺そうとする人間を木刀一つで制圧する実力はない。ハリソンもトーマスほどではないが剣の腕は良いのだ。
「3、2、1……」
「突入!」
チャーリーの声で門が破壊される。崩壊した門の先にいたのは、農具を持った男たちだった。
ディランは防具すらつけないで向かってくる相手を次々と魔法で気絶させていく。魅了状態になっているので、相手は仲間がバタバタと倒れていっても恐怖心を感じる様子もない。
気がつくとアングレカム伯爵家の前庭は、気絶した農民だらけになっていた。こちらの軍勢には怪我をした者はいない。
チャーリーの部隊は、魅了状態にされない者だけを集めたので少数だが、実力差は明らかだった。
ディランの役目は、本当に指揮官のふりをするだけになりそうだ。あっという間に前庭を制圧した部隊は、数組に分かれて屋敷の中に突入していく。
ディランは怪しげな格好をしたチャーリーと共にその様子を庭で傍観していた。狭い屋敷内は連携が重要なので隊員ではないディランは参加しない。農民たちの拘束や輸送の手伝いをしたかったが、今日は一応指揮官なので手伝うなとチャーリーに言われてしまった。
チャーリーは、次々に入ってくる報告を受けて、テキパキと指示を出している。その姿は美しい顔が見えていなくても凛々しい。これが国を統べる者の貫禄だろう。
アングレカム伯爵たちは勘違いしているようだったが、ディランを代わりに据える隙などどこにもない。
「私は何も知らない! あの女に魅了状態にされてただけだ!」
しばらくして、ハリソンと共に拘束された男が出てきた。数回しか会ったことがないが、アングレカム伯爵で間違いないだろう。ディランはチャーリーと共にハリソンのもとへ向かう。
「本当だ、信じてくれ!」
「往生際が悪いぞ」
「ヒィッ、チャーリー殿下!」
伯爵は、怪しげな風貌なのにチャーリーだとすぐに気がついて怯えた顔をする。隣にいるディランの存在には気づいた様子もない。これでディラン派筆頭だというのだから笑ってしまう。
(兄上が声をかけただけで怯える男に、何ができたって言うんだろう)
チャーリーがエミリーを使ってまで強引な捜査をしなくても、自滅した可能性が高いように思う。自滅しなくても、ディランが王籍を離れる半年後までに問題を起こしたかは分からない。何か起きたとしても、その後に制圧したほうが楽に対処できたはずだ。
(兄上は何を焦っていたんだろう)
黙っているだけで視界から消えていく相手を叩くなんて、チャーリーらしくない行動だ。
その後、アングレカム伯爵の愛人らしき女も拘束され、『誘惑の秘宝』も無事に発見された。事件にこれ以上の裏がある気配はない。
農民の魅了状態を解いたり、『誘惑の秘宝』が他に譲渡されていないか調べる必要はあるが、ハリソンを中心に問題なく行われることだろう。
こうして、ディランに大きな疑問を残しつつ、立てこもり事件はあっさりと解決した。
0
あなたにおすすめの小説
腹ペコ令嬢は満腹をご所望です【連載版】
古森きり
恋愛
前世は少食だったクリスティア。
今世も侯爵家の令嬢として、父に「王子の婚約者になり、次期王の子を産むように!」と日々言いつけられ心労から拒食気味の虚弱体質に!
しかし、十歳のお茶会で王子ミリアム、王妃エリザベスと出会い、『ガリガリ令嬢』から『偏食令嬢』にジョブチェンジ!?
仮婚約者のアーク王子にも溺愛された結果……順調に餌付けされ、ついに『腹ペコ令嬢』に進化する!
今日もクリスティアのお腹は、減っております!
※pixiv異世界転生転移コンテスト用に書いた短編の連載版です。
※ノベルアップ+さんに書き溜め読み直しナッシング先行公開しました。
改稿版はアルファポリス先行公開(ぶっちゃけ改稿版も早くどっかに公開したい欲求というものがありまして!)
カクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェ、ツギクル(外部URL登録)にも後々掲載予定です(掲載文字数調整のため準備中。落ち着いて調整したいので待ってて欲しい……)
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
元お助けキャラ、死んだと思ったら何故か孫娘で悪役令嬢に憑依しました!?
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界にお助けキャラとして転生したリリアン。
無事ヒロインを王太子とくっつけ、自身も幼馴染と結婚。子供や孫にも恵まれて幸せな生涯を閉じた……はずなのに。
目覚めると、何故か孫娘マリアンヌの中にいた。
マリアンヌは続編ゲームの悪役令嬢で第二王子の婚約者。
婚約者と仲の悪かったマリアンヌは、学園の階段から落ちたという。
その婚約者は中身がリリアンに変わった事に大喜びで……?!
出ていってください!~結婚相手に裏切られた令嬢はなぜか騎士様に溺愛される~
白井
恋愛
イヴェット・オーダム男爵令嬢の幸せな結婚生活が始まる……はずだった。
父の死後、急に態度が変わった結婚相手にイヴェットは振り回されていた。
財産を食いつぶす義母、継いだ仕事を放棄して不貞を続ける夫。
それでも家族の形を維持しようと努力するイヴェットは、ついに殺されかける。
「もう我慢の限界。あなたたちにはこの家から出ていってもらいます」
覚悟を決めたら、なぜか騎士団長様が執着してきたけれど困ります!
【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由
冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。
国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。
そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。
え? どうして?
獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。
ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。
※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。
時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。
嫌われ黒領主の旦那様~侯爵家の三男に一途に愛されていました~
めもぐあい
恋愛
イスティリア王国では忌み嫌われる黒髪黒目を持ったクローディアは、ハイド伯爵領の領主だった父が亡くなってから叔父一家に虐げられ生きてきた。
成人間近のある日、突然叔父夫妻が逮捕されたことで、なんとかハイド伯爵となったクローディア。
だが、今度は家令が横領していたことを知る。証拠を押さえ追及すると、逆上した家令はクローディアに襲いかかった。
そこに、天使の様な美しい男が現れ、クローディアは助けられる。
ユージーンと名乗った男は、そのまま伯爵家で雇ってほしいと願い出るが――
元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!
楠ノ木雫
恋愛
貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?
貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。
けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる