気がついたら兄達の友人の罠に捕まってました。

お姫様は知らない。魔王に目をつけられてるって事を

⌘　マユ視点　⌘

私は山口繭華まゆか。

斎川菜穂とは、同じ大学からの付き合い。

初めて菜穂と出会ったのは、大学の入試の時。

超絶美人ているのね。
美人観察が趣味の私の中では菜穂はダントツ1位。
私は彼女に釘付け。
スラリとした長身に陶器の様な滑らかな肌。栗毛色の髪と光の加減で茶色や緑に見えるカーキブラウンの瞳。

私はゲーマー仲間に〝エルフは地球上に存在した〟って大声で叫びたくなったくらい。

祖母がドイツ人。所謂クォーター。

しかし、この美人、所作も綺麗だけど、全てを台無しにするくらい〝口が悪く気が強い〟更には〝喧嘩っ早い〟男兄弟に囲まれて育ったから尚の事…いや多分、本当は4男で生まれる筈が、お母さんのお腹の中に逸物男の象徴を置いて来たのかもしれない（汗）

大学に入り、サークルの先輩が気弱な娘に無理矢理お酒を呑ませようとしたのを菜穂が見つけ先輩の襟首掴んで凄んだ姿は漢らしかった。

まぁ、そのお陰で、菜穂は女の子にモテてた。

菜穂には〝バカ兄貴3兄弟〟って言っているけど、お兄さん達もイケメン。

今は私は三男の真斗さんとはゲーム仲間。
彼らより私は〝池永知臣魔王〟が1番怖い。

長男、海斗さんの同級生で3兄弟の悪友。

しかも〝IKENAGA〟グループの御曹司…本人は大学生の時に自身の会社を立ち上げ今は総勢、約300人の社員を抱える社長。

見た目も良い男で菜穂と並んでも見劣りしない。
腹が立つが出来○君とジ○○アンを出して2で割った様な人。

この男。普段、菜穂の前ではヘラヘラと掴みどころ無い態度をとっているが、私は知ってる。

あれは菜穂を捕まえるための罠って事を…

菜穂をモノにしたい男は、わんさかいるが3兄弟+知臣魔王陣営に潰される。

しかし、この魔王は、なかなかの策士。
確かに真斗に会社の人に告白された事を話したが手を下したのは池永知臣魔王直々。

あの夜…菜穂のデスクでの情交事件も魔王が仕組んだもの。

告白した男を慕っていた後輩あの女を焚き付けて事に及ぶ様に仕向けた。

事実を知ってしまうと身震いする。
なんなの？あの男？他社の情報まで把握してるし菜穂に対しての執着がマジ怖いわ！

あの男、必ず菜穂のピンチには必ず助ける(菜穂自体はその事を知らない)
それに私が菜穂に傾倒していることを見抜いており釘を刺された脅された。

そして私は魔王に逆らえず菜穂のプライベートショットを献上してる（泣）