公爵令嬢に転生した…俺…。

真條 沙織

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11 魔王召喚

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雇用や専属契約を結ぶと、主婦や乳児を抱える者に負担がかかるとか。


「あの…。」


(お?衣装検証で豹変する、いつも控え目なミルトさん、どした?)


「妙案ですか?」


(さりげなくプレッシャーw)


「あ…ぃぇ…すいません、なんでもないです。」


(やっちまった~ッ( >ᯅ<。 ))


「ごめんなさい、フザケました、何かあれば言って下さい。」

「ぇ…。」

「ミルト、思ってる事を言ってみな?誰も笑ったりしないよ。」


(てんちょ、有難うございますぅ(╥﹏╥))


「はぃ…私は、孤児院で育ちました、孤児院出の人は、なかなか雇ってもらえる所がなく、雇ってもらえたとしても、酷い扱いをされて、使い物にならなくなったら放り出されたりするんです、私もそうでした、前のオーナーが拾って下さらなければ私、死んでたんじゃないかと…。」


(孤児院出の子って、みんなそんななの?)


「孤児院で針子や売り子を希望する子が居れば雇用しますよ?」


下を向いていたミルトがアッパーを食らって弾かれたかのように顔を上げた。いや立ち上がった。


「ホントですか!?」

「多分、貴女達も理解しているとは思いますが、その子達が何か問題を起こせば、孤児院に居る子、近々孤児院を出るのに仕事を探す子、孤児院の職員さん達にも迷惑がかかります、それでも良いなら、です。」

「孤児院に居る子達は、孤児院を気にかけ、オーナーの仰った孤児院に迷惑がかかるのを恐れ、どんなに酷い雇用主であろうと孤児の評価を気にして、けして逆らいません、お願いします。」


(えらい真剣に頼んでくるんだな、相当みんな仕事を探すのに苦労してんのかな…。)


「心配しなくても大丈夫ですよ。孤児院出身者の悪評は聞いた事があります、ですがそれは、酷い扱いを受けた後、生きる為から始まった事だと思います、彼らを歪めてしまったのは街、もしくは国です、私に出来るのは、可能な限りそういう子を出さないようにする事、だと思います。」


ミルトに孤児院へ向かわせ、店の仕事内容や、雇用に関する説明を頼み、募集を行ったら、これ全員じゃないのか?ってぐらい希望者が居た。


「オーナー…これ、全員はムリなのでは?」


店長の言う通り、希望者11人全員を雇って面倒を見るのはムリがある。


「私がやります!!」


(ミルトさん、気合い入ってますけど、全員を針子にするのか? キミ接客は出来ないよね?)


「接客要員も欲しいんですよ、ミルトさん出来ます?」

「(◦ >﹏<。)ウッ」

「仕方ないですね、皆の安全の為、出来れば使いたくはなかったのですが、やむを得ませんね、必殺技を出します。」

[[[[必殺技!?]]]]


(全員でハモんのかよw)


「なんと私もビビる魔王教官、アルテ様を召喚します カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ」

[[[[魔王教官!?]]]]


ってな事で、アルテを呼んで業務内容の説明をした。


「畏まりました、誠心誠意お務めさせて頂きます。」


真顔で姿勢よくお辞儀され、並々ならぬ圧を感じるゼクシアさん、おしっこチビる寸前w


「あまり厳しくしないであげて下さい、戦力を急いでいるワケではありませんので、シャンテみたいなのはダメですよ?」

「あの子はお嬢様の専属侍女としての躾を致しましたので特別製です。」

「特別製なんですか?」

「はい、お嬢様以外の者には従わないよう訓練を致しました。」


(あ~。だからアノ寮の廊下での時、凛としてたのか。)


「で、お嬢様はヤメましょ?アルテはゼクシードの従業員ですので、アーレンツ家には関係ないのだし。」

「では姫様で。」

「なんでやねんww」


(素で返して笑てもぅたやんけw)


「やはり変わられましたね、前世の記憶でも蘇ったのですか?」

「ちょッ!! ∑(O▽O;) 」

「冗談で言ったのですが…そうですか、承知しました。」


(何を承知しましたのだ!?)


アルテに弄ばれた後、11人全員を引き受ける話しになり、あの工房を使う事となった。

ミルトは針子担当、アルテは何でも卒なく熟すスーパーマルチモンスターなので、接客担当とミルトの補助になり、元染色工房で行う教育マニュアルをそれぞれ作成している間に、新入社員を迎える日となった。

ゼクシアとシャンテ不在で行われた工房での歓迎会は、ミルトから見て、自分の時の事を思い出し、手厚い歓迎に涙無しでは過ごせなかったと言う。

そんなに?と訪ねたら、歓迎会で振る舞われた料理の数々、食べる物があり、寝る場所もある、皆のヤル気に満ちた顔が眩しかったと。


◇◆◇◆◇◆◇◆


新入社員には男の子も3人居た、希望すれば針子は可能だが、女性客しか来ない店で売り子はムリだろう。

そこで教官と話し合い、手先が器用であればアクセサリーの制作、ムリなら力仕事、生地を運ぶのも楽ではないのだ。

で。1人、手先の器用な子が居たらしく、アルテの持っていたアクセサリーの複製品を作らせてみたらしい。

結果から言おう。

おぃヤベェ奴がいるぞw
ろくな道具もない状態でクオリティ高けぇ~w

金属製のアクセサリーを見て、木を削ってナイフ1本で仕上げたとか…神かw

アルテさん、口角が上がってますよ?


「楽しそうですねアルテ。」

「姫様の指示が目に見えて結果となっておりますので。」

「姫様やめて下さいょ…。」

「では王妃様で。」

「だんだんグレードアップしてるじゃないですか!! それ次は女王様なんでしょ!!」

「(・_・) リクエストですか?欲しがりサンになりましたね女神様。」

「女神とかww 真顔で言うなw どこまでネタ持ってんのか気になるけど、普通に名前で呼んで下さいよ、ボケはいぃですからゼクシアです!! あと欲しがりゆーなw」

「( ¬_¬ )チッ 承知しましたゼクシア様」

「なぜに舌打ち!?‎(⊙⊙ )」


アルテに遊ばれまくられるレアなゼクシアさん。








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