12 / 18
12
しおりを挟む新入社員を迎えてから数ヶ月、ゼクシアは2年生になった。
新入生歓迎ダンスパーティーがまた始まる。
「見て、あの方がゼクシア様よ!!」
「ゼクシードのデザイナーなんでしょ?」
「バカねオーナーよ。オーナー兼デザイナーなの!!」
とかヒソヒソ囁かれているが、割と近距離なので丸聞こえである。
とりまスマイル攻撃☆
(俺なんで女なんだろ…。今モテてない?入れ食いぢゃね?食い放題ぢゃね?)
不埒なゼクシアさんでした。
ダンスパーティーが終わり、寮へ戻ったゼクシアは、さっそくシャンテに抱きついている。
「お疲れ様でしたゼクシア様。」
「幸せ♡」
「今年からマシル様も寮生活で、廊下でそのような事をするので見られてますが。」
「Σ(゚Д゚)ゥオッ!!」
「お疲れ様です( ≖_≖)ゼクシア様の性癖を垣間見ました。」
「( ー̀罒ー́;) 性癖ゆーな…」
「それはさて置き、ゼクシードモデルの事でお話しがありまして。」
「ごめん、部屋どぅぞ。」
「有難うございます。」
とりあえずマシルに着替えを渡し、シャンテにお茶を入れてもらい、落ち着いた頃に話しを聞く事になった。
「で?ゼクシードモデルの事って?」
「はい、私がゼクシードのプロモーションモデルをしている事、けっこう知られてまして、どうやったら自分もモデルになれるのかとダンスパーティーで複数人に詰め寄られまして。」
(あれだけロゴを強調して入れたモデル用の服だから、そりゃ見りゃ分かるよね。パーカーなんて背中に[どーん]だし。)
「それはマシルだからだよ。」
「え?」
「マシルだからゼクシードのモデルに選んだんだよ?シャンテは私の腹心だし、レイシルさんはゼクシードのお客様第1号だから。」
「ではモデルは増えないんですね?」
「増やす予定はないかな。」
「良かったぁ~、あまり増えたらクビになるかと思いました。」
「モデルになったら服が貰えるんだよ?そんなにバカスカとモデル増やしたら誰も買わなくなって店が潰れるじゃないのw マシルには可愛い系を担当してもらってるから、デザインが増えまくったら、マシル1人じゃムリなんでモデルも増えるかもだけどね。」
「Σ( ˙꒳˙ ;)ビク」
「まだ増えないし、増えたとしてもマシルには続けて欲しいと思ってるよ。」
「しがみつきます( *˙ω˙*)و グッ!」
「マシルは可愛い系で、シャンテは清楚系、レイシルさんは大人の女性系?これから増えるとしてもレイシルさんのテリトリーだと思うよ。」
シャンテにマシルの侍女さんを呼んできてもらい、一緒にお茶をしたら、侍女さんの手が震えてます。
「パテル、ゼクシア様は怖い方ではないから大丈夫よ。」
「怖くないですよ:( ;´꒳`;):プルプル」
「ゼクシア様、普通、侍女は主人とテーブルを共にしません。」
「すいません。」
「あ、シャンテさん、パテルはゼクシア様が怖いんじゃなくて、前にいた屋敷でちょっとあったんですよ。」
(前に勤めてた家の令嬢に何かされたって所かな?トラウマになるほどに。)
「その令嬢、使用人が頑丈な道具にでも見えてるんでしょうね。で、ガイゼル家で雇ったと。」
「はい、私と名前が似てますし歳も近いので、寮での私の侍女を頼みました。」
「マシルさ、服どうしてる?コレクション?」
「はい、アレンジを着て、ベース服は部屋のクローゼットに保管してます…あ。」
「侍女さん連れて街で遊ぶとかしてみたら?マシルが良いと思った子なら、着せていぃし、譲ってもいぃんだよ。」
「 - ̗̀(˶'▽'˶) ̖́- 」
「どうせ1シーズン、その時しか着ないんだから、せいぜい店の宣伝してね(*^^*)」
「もう着ちゃダメなんですか?」
「ダメじゃないけど、どんどん出てくる新作デザイン着る機会が減るでしょ?」
「( ゚д゚)オッ!」
「1つのデザインにベースとアレンジの2着3着あったりするしねw」
楽しい突然のお茶会でワイワイ騒ぎ、マシル達はゴキゲンで帰っていった。
とりあえずパテルには怖がられなくなった気がする。
◇◆◇◆◇◆◇◆
いつものように中庭で昼食を取って寛いでいる。
変な集団きたよ?
聖女だ。なんか増えてないか?
「ごきげんようアーレンツ様。」
「ごきげんよう聖女様。」
(こいつ何がしたいんだ?)
「最近リーグラム様とはどうです?仲良くしてらっしゃいます?」
(お?いま名前で呼んだ?王族を本人の許可なく名前で呼ぶのは不敬罪になるんだぞ?なに?横取りしてくれんの?w)
「特に仲が悪いワケではありませんよ?」
「そうですか、では。」
(なんやねん(イラッ) あれ?いま魔力を感じたぞ?)
「どうかされたのですか?」
「マシル、魔力って感じ取れる?」
「微量の魔力は感じ取るのはムリですね。」
(マシルは気がついてないって事は、微量の魔力を放出してるのか、回復魔法以外に何か使える魔法あるのか?微量の魔力を流し続ける魔法…なんだそれ?)
「聖女に気をつけてねマシル。」
「はい、あの人、なんかイヤなんで近付いたりはしませんよ。」
(相手から近付いてくるパターンもあるんだよね。あ、身体強化の魔法か?どこか悪いなら自分で治せるか。それにしても、マシルはガン無視ってより、居ないモノとしてたなアイツ、パテルにちょっかい出されるよりマシだけどな。)
モヤモヤする昼休みでした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる