公爵令嬢に転生した…俺…。

真條 沙織

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16 グロッサリー襲撃②

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王妃様達が商談室へ移動したが、店内は異様な空気に包まれていた。


「シャンテって、英雄ブロファリスの娘だったんスね。」

「ブロファリスって、戦争で大活躍した凄い強い人だよね?」

「それゆえに無謀とも言える事させられたらしいけどね。」

「小隊で大隊を壊滅ってヤツでしょ?」

「戦争でついた傷が原因で死んだって聞いたけど。」

「ちょっと!!」

「あ、ごめん。」

「私は父親を覚えていないので大丈夫です。」

「そっか、シャンテ15歳だっけ?」

「もうすぐ16ですけど。ね、ゼクシア様♡」

「う!? 誕生日プレゼントのオネダリでしょうか?(^^;)」

「サプライズって、嬉しいですよね(^▽^)」

「オネダリしたらサプライズになんないょ…( ˊᵕˋ ;)」


なんとか緩い空気に戻った店内に、上手い具合にマシルが現れた。


「こんにちわぁ~♡」

「こんにちはガイゼル様、オーナーなら非売品ですよ?」

「私を買おうとした事あったのかマシルさんw」

「(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛」

「テンション高いっスね。」

「皆さん気を使ってるみたいですけど、マシルでいぃですよ?」

「そんなコト言ったら、そのうちマシルンって呼ばれるわよ?」

「別にそれでもいぃですよ?」

「いぃの?アタマ悪そうな名前になるよ?マシルンルンとかw」

「う…( ˊᵕˋ ;)」

「今日はパテルンルン連れて来たんスね。」

「さっそくキタww」

「ゼクシア様が変なアダ名つけるからですよw」

「٩(ˊᗜˋ*)وウェイウェ―イ」

「オーナーも引っ張られてテンション高くなってるっスw」

「ところで、表の馬車、凄い豪華な馬車ですけど、凄い人が居らっしゃってたり?」

「あの紋章を見て凄い人で済むワケないでしょ?エグい人よ。」

「紋章?ヴェッ!?」

「いま瞬殺でカエルが潰されたっスね。」

「お、おぉ、お?」

「いま商談室に居るわよ、逃げ帰るなら今のうちよ?」

「なぜオーナーのゼクシア様がここに?」

「お客様にとって最重要人物が店内に居たから。」

「そんな凄い人が来る店だったんですね…ゴミクソザコな私なんかが能天気に来れる場所じゃなかったんだ カタ(((꒪꒫꒪ )))カタ」

「自分を蔑む発言はやめなさい。モデルなんだから普通に来てよマシルンルンw」

「その呼び方はヤメて下さいw」

一頻り遊んでたら、商談室のドアが開いた(ガチャリ)

マシル逃走忘れ?
ゼクシア足止め成功(≖ᴗ≖ )♡


「:( ; 'ㅂ';):ヒョヘェーッ」

「あら、貴女、この店のナンチャラモデルしてる子よね?」

「プロモーションモデルですw」


小動物に見えてしまうのはマシルが可愛いからだろう。
ぷるぷる震えながら、ぎこちないカーテシーを繰り出すマシルさん


「私もモデルやりたいわ。」

「それはムリですょ、モデルなので人に見せないと。街中をホイホイ歩けないのでは?」

「( ⸝⸝⸝⩌⤚⩌*)ムゥ」

「可愛くしてもダメですw城の中に居て、どうやって街でプロモーションするんですかw  しかも庶民用の服なんてグロッサリー様に着せられませんよw」

「貴族向けの服を作れば良いじゃないの。」

「この店は庶民を対象とした店なのです。」

「仕方ないわね、私が頼んだらアルテを貸してもらえれば諦めます。」

「アルテは魔王教官なのでレンタルはちょっと…。」

「ワークスの皆が言っていた魔王教官とは私の事だったのでしょうか?」

「とぉ~んでも御座いませんことよアルテ様ッ」

「(  ㅎ_ㅎ)」

「では、またね。」

「ごきげんようグロッサリー様。」

「ごきげんよう、アールテスト( ≖ᴗ≖​)ニヤッ」


王妃がアルテをアールテストと呼んだ瞬間、全員がアルテを凝視した。


「ウソ…」

「え?アールテストって何ですか?」

「オーナー知らないんスか?驚きっスッ(⊙⊙)!!」

「攻めのブロファリスに対し、守りのアールテスト、英雄ですよ。」

「え゙ー‼(•'Д'• ۶)۶」


驚愕の事実!!


(いや英雄が居るのは知ってたけど、ゼクシアが産まれる前の話しだし、まして自分の家に普通に居た人だとは思わないだろw
小さい頃から凄い人だとは思ってたけど、英雄ってマジですか…)


「って事は、シャンテは英雄のサラブレッド…」

「( ˆ꒳​ˆ; )私は普通ですので…その目はヤメてもらえますか?」

「シャンテ様、お茶をどぅぞっス!!」

「その接し方もヤメて下さい、今迄通り普通にして下さい。」

「これバレたらエラい事になるんじゃない?」

「国始まって以来、6人しか存在しない内の2英雄の血を受け継いだ唯一の子供だからね…。しかも後の4人は建国時の人だから遥か昔に亡くなってるし。」

「これは極秘にします、シャンテは絶対に嫁にやらんぞッッ」

「ゼクシア様が娶って下さるのですか?」

「ハィお義母サマッ!!」

「ちょッッ!! 勝手に話しを進めないで下さいッ 」

「いま私以外に好きな人でも居るの?( º言º)」

「なぜゼクシア様以外なのかは敢えてスルーしますが、そんな人は居ません。」

「お前は俺が嫁にするから他の男が近付いたらブチ殺す。
  いやブチャ殺ぉ~すッ!( +,,ÒㅅÓ,,)=3フンス!」

「人混みを歩けないっスねw」


なんてワイワイして、全く仕事を忘れている従業員一同。



◇◆◇◆◇◆◇◆



ゼクシアは今、王妃の部屋を訪問している。


「来たわね。」

「ぅ、ハィ、時間が取れたので伺いました。」

「おそ~いッ ٩(๑`^´๑)۶プンスカ」

「申し訳ございません。」

「いぃのよ、店を出る時に爆弾投下したのは私だしね。」

「アルテが英雄だったとは知りませんでした。」

「彼女はブロファリスの動きに合わせて戦況を見極め、敵の位置を割り出し、敵軍の侵攻を防ぐのに長けていたの。」

「だから小さい頃イタズラする前に捕まってたんですね。」

「そんな事してたの?w」

「必ずバレるので、幼いながらもアルテは最強の侍女だと思ってましたw」

「アルテに勝てたのはフェリスだけ、貴女の母親だけよ。」


(ゼクシアの母親って、なんかスゲェのか!?)








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