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しおりを挟むガイツさんが帰って色粉でペンキみたいな物が作れないか考えてみた。
ユーリ»「絵画って水に弱いよね?」
シルフ»「そうですね、水に濡れると色粉が流れます。」
ユーリ»「インクは水で滲むのかな?」
シルフ»「インクは長旅の雨等に耐えられる様、水に濡れても流れたりしません。」
それって、インクを作る前の液体に色粉を混ぜたらペンキモドキになるんじゃないの?
ユーリ»「色粉が無いと実験できないから仕方ないか、諦めよう。」
シルフ»「なにをなさるおつもりだったのです?」
ユーリ»「インクの原料となる液体に色粉を混ぜたら色インクが出来ないかな?って。 そしたらオモチャの色も付けれるかなと思って。」
シルフ»「黒のインク以外の色のインクですか、面白い事を考えますね。」
ユーリ»「なぜ誰も考えなかったのか不思議だわ。」
シルフ»「素材の色で彩る技術を発展させてきた結果ですので、そちらは考えなかったのではと。」
ユーリ»「そうか、技術の発展で思考も変わるよね。」
シルフと話しをしていたら、ラナが紙を持って来た。
ユーリ»「なにこれ?」
ラナ»「密偵からの報告書です、ご確認下さい。」
ユーリ»「え、早くない? ってかどこからこの紙きたの? 密偵さんは?」
ラナ»「まず読んであげて下さい。」
ラナに言われて我に返って報告書を読む。
ユーリ»「やっぱり食料を村人から徴収してるらしい、村人は無抵抗だから怪我とかないみたいだけど、これ王都までの町村で起こってるんだよね?」
シルフ»「おそらく、王都に近い村は被害が少ないでしょうが、ロズグランデ街に近い村は食べる物が無いかもです。」
ユーリ»「王都まで4つって言ってたね、ウチの領土の町村に兵を行かせてくれる?出来れば食料も運びたいんだけど、そこまでムリならいいから。」
シルフ»「承知いたしました。」
シルフが出て行った。
ユーリ»「ラナ、この報告書を持って来た密偵さんに会えない?」
ラナ»「不可能ではないですが、あまり人前に出たがらない者なので……。」
ユーリ»「私とラナとシルフだけならいい?」
ラナ»「なぜお会いに?」
ユーリ»「使うだけ使って何も言わないのは気が引けてね、会って労いの言葉だけでもと思ったんだけど、ダメかな?」
ラナ»「承知しました、では、別の部屋での面会でお許し下さい。本人に伝えて来ます。」
ユーリ»「ありがとう、ごめんね。」
ラナが一例して部屋を出た。
レイラ»「アンタも物好きな人だな、密偵が姿を現さないのは、見られたくないからだぞ?そこ汲んでやれよ。」
レイラに言われてしまった。
言われてみれば…今は別に隠れる必要ないんだし、それでも隠れてるって事は……悪い事したかな…。
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