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しおりを挟む人間の王が困ったような悩んだような顔になっている。だんだん面倒になってきたので、この辺で切り捨てたいのだが?
などと考えていたら、ラナが紙を渡してきた。なにかな?
見てみると、ビルセイドの密偵からだった。
千単位の軍がマイズトーレの方向からビルセイドの方向へ進軍中。ほう?
ユーリ»「そろそろ決めましょうかマイズトーレの王よ、ロズグランデの傘下が不満な様子なので2択になりましたね、国を差し出すか滅ぶか、我が国に戦争を仕掛けても1日ももたずに滅ぶのはマイズトーレです、貴方も自ら出向くぐらいなのですから、生きて帰れない事は想定済みですよね?今ここで決めなさい、マイズトーレがロズグランデになるか、無抵抗のまま滅びるかだ。」
リンセンス»「マイズトーレがロズグランデになれば、民はどうなる?」
ユーリ»「時間稼ぎか?リンセンス、軍が向かって来てるそうじゃないか?」
リンセンス»「なッ!? 我は知らぬ、我が国の軍なのか?」
ユーリ»「マイズトーレの方向から来ているとしか知らん。」
リンセンス»「それでは我が軍か分からんのではないのか?」
ユーリ»「どこの国だろうが知った事じゃないよ?それよりさ、自分が囮に使われた事に驚かないのね、本物の王は国に居るのかな?リゼル、アカガネ連れて来てくれない?」
と言ってゲートをだした。
リゼル»「すぐ戻ります。」
リンセンス»「アカガネとは何だ?」
ユーリ»「人間が召喚して使役に失敗したドラゴンですよ、今は私の従魔なんですよね。」
リゼル»「お待たせ致しました。」
ユーリ»「ありがとう。アカガネ、千単位の軍がこっちに向かってるらしいのよ、ちょっと行ってコンガリ焼いてきてくんない?後始末する必要ないぐらいに。」
アカガネ»「使ってくれたのは2度目だな、承知した。」
アカガネが窓から出て元の姿に戻って飛んでった。
ユーリ»「え?前に使ったっけ?」
ラナ»「多分、シルフ様の結婚式の事ではないでしょうか?」
ユーリ»「あれ数えるのか(笑)」
リンセンス»「ドラゴン!?」
ユーリ»「で?あんた偽物なの?本物なの?どっちなの?」
リンセンス»「私はグランツと申す。マイズトーレ王は自国に居られる。」
ユーリ»「偽物だからって囮に使われた風には見えないね、王の腹心的な人なのかな?」
グランツ»「私は国王陛下直属の近衛騎士だ。」
ユーリ»「で?何の目的で来た?」
グランツ»「我が王に代わりロズグランデ王との会談だが?」
ユーリ»「ん?って事は?王に見捨てられたか、王が捕まったかだね?」
グランツ»「王が捕まっただと!?」
ユーリ»「あんたが進軍を知らなかったんなら、有り得るね?」
グランツ»「直ぐにお助けせねばッ」
ユーリ»「1人で?」
グランツ»「城へ戻れば近衛騎士団が居る。」
ユーリ»「その近衛騎士団で王を守れるんなら無事なんじゃない?」
グランツ»「どういう事だ。」
ユーリ»「あんたホントに騎士なの?近衛騎士団で守れるんなら国王は無事で、あんたを魔族との会談に行かせて囮にして、会談に気を取られてる隙に軍を進めて私を殺す為に国王と騎士団がアンタを切り捨てたんだよ、それと逆に近衛騎士団で守れなかったら、騎士団は全滅か裏切りで王が捕まって、あんたが戻った所で味方なんて居ないじゃないの?」
グランツ»「…。」
ユーリ»「そんなぐらい考えつくでしょ普通。普段なにしてんの?剣ばっか振り回してるだけなんでないの?だから見捨てられんだよ。」
グランツ»「王が捕まっているのなら助けたい。」
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