1 / 8
#1 平凡な僕の平凡な人生。
しおりを挟む
「ジロ!ジロ!」
「アンアンッ!」
白く、モヤがかかったような視界の中、子供と犬の声だけが聞こえる。
これは・・・子供の頃の記憶だろうか?
いや、子供の頃に犬を飼ってた記憶は無い。
これは・・・ただの夢だろうか???
「ジロ!ジロ!」
「アンアンッ!」
僕はまだジロという犬を呼んでいる?
白いモヤが晴れてきて辺りがハッキリ見えて来た。
何処かの大きな家の広い庭で、幼い少女と1匹の仔犬が戯れあっている。
これは・・・呼ばれているのは僕だ!
子供ではなく、犬の方が僕なんだ!!!
という衝撃を受けた所で今朝は目が覚めた。
やけにリアルで、少女の顔も、庭の景色も色鮮やかに脳裏に焼き付いている。
本当にただの夢だったのだろうか・・・。
僕は佐々木博、もうすぐ三十路の何処にでもいる社畜だ!
性格も見た目も地味で平凡、身長だって体重だって同い年の全国平均値、
挙句の果てには苗字も名前もありきたり。
(いっその事DQNネームだったら清々しかったのに。)
そんな僕の高校時代のあだ名はMr.Average。
とは言っても僕自身はそんなあだ名で呼ばれてたなんて知らなかった。
一回行った高校の同窓会で、元クラスメートが別のクラスだった奴に
「あいつ、高校時代、陰でMr.Averageって呼ばれてたんだぜ。」
と話しているのを聞いて初めて知った。
離れた場所だったから気付かれないとでも思ったのかもしれないけど、
僕の事指差してチラチラ見ながら笑って話したら、そりゃ僕の事だってわかるよ?
っていうか、それ、軽いイジメだろ。ちょっとイラっとした。
そんなMr.Averageの名を欲しいままにしていた僕は、
青森の山奥から都会に憧れて、就職を機に大阪まで出て来たはいいけど、
小さい頃から人見知りの引っ込み思案で、当然恋人どころか友達すら居ない。
(超絶イケメンとかだったら、友達くらいはすぐに出来たかな。。。?)
高校どころか、地元の大学に進学した時も、陰キャ気質が抜けきれていなかった。
そりゃそうだ。性格なんてそうそう変わるものじゃない。
部活やサークル活動なんかも特にやってなかったので、
学校に居るのは授業中くらいで、学校が終わるとどこに寄るともなくそのまま帰宅、
その後はずっと部屋に籠る毎日だった。
だから、ずっと陽キャには憧れがあるのだ。
というよりもこの後ろ向きな性格を変えたかったのかもしれない。
東京ではなくて大阪に出て来たのにもちゃんと理由がある。
東京の人は冷たくて他人に無関心、大阪の人は誰彼構わず話しかける、
そういう先入観があったから、人見知りの僕にも向こうから勝手に友達がやって来ると思い込んでいた。
ところが、実際は大阪の人も東京の人と何も変わらない。他人には無関心なようだった。
以前地元で知り合った大阪出身の人が「大阪人は身内に優しいけど他人に厳しい」
なんて言っていたのを今更ながらに思い出した。最近、身をもってそれを実感している。
僕のような陰キャは、結局どこに居ても住みづらいのかもしれない。。。
『東京砂漠』とは昔の歌で聞いた言葉だが、現実には都会はどこも大差なく砂漠だ。
そんな陰キャな僕は、当然のようにコミュニケーション能力も0な訳で、
普通の会話すら難しいのに、ましてや「嫌だ!」なんて断る勇気も無く、
今日もまたいいように他人の仕事を押し付けられている。
普段は僕に全く興味が無く、むしろ存在していないかのように目を向ける事すら無いのに、
こういう時だけ僕という存在が彼らの前に実体化し、光り輝いて目立って見えるようだ。
はぁ・・・Noと言える日本人になりたい。。。
僕はなんでも言う事聞く従順なペットじゃないんだぞ!
(忠犬ハチ公かっての!!!)
心の中で文句を言うのが精一杯だ。情けないというのは分かっている。
「ふぅ、ようやく終わった。さ、帰ろ。」
既に終電間近のこの時間、窓から見える外の景色さえ駅周辺の灯り以外は闇だ。
目を凝らすとビル群の影がようやくうっすら見える程度だ。
大宇宙の中に星が輝いているように見えなくもないが、
それ以上に感じるのは無の中にただ一人存在している僕、という感覚だ。
事務所の中には僕以外おらず、真っ暗な中、自席近くの電気だけが点けられ、
まるでそこだけスポットライトが当たっているかのようだ。
この世界に独りだけ取り残されたような錯覚を覚え、
自分は孤独なんだと一層思い知らされる。
だが結局、いくら寂しいと思った所で、誰かが手を差し伸べてくれる訳も無く、
その思いを押し殺して日々を生きていかなければならない。
そんな事、この数年で嫌という程思い知らされた。
僕は席に座ったまま「んーーーー」と両手を広げて大きく背伸びをした後、
机の上の書類を纏めてクリアファイルに入れ、それを島の上座にある主任の席に持って行った。
そして自分の席に戻ってから財布を鞄に入れ、
携帯をズボンの右ポケット、定期入れをズボンのお尻のポケットに入れ、
「携帯持った、財布持った、定期持った、忘れ物確認オッケー!」
と声に出しながら忘れ物が無いか確認し、ようやく会社を後にした。
要領が悪いので、何かに気を取られるとつい忘れ物をしてしまうのだ。
だからこれは僕が何処かへ出掛ける時の、いわばおまじないだ。
ただ、人前でやるのは恥ずかしいので、人が居る時は心の中でそっと唱えている。
会社の入るフロアからエレベーターで一階まで降り、
ビルの入口まで歩いて来たところでズボンの右ポケットからスマホを取り出した。
スマホの画面を表示させると、現れた時刻を見て焦った。
(ヤバイ、後10分だ!)
僕は会社のビルから駅へ向かって駆け出したが、
そこの交差点を渡ればもう駅だ、という辺りのビルの前に、
普段見かけない婆さんが占い屋を開いているのが目の端に入った。
その前を駆け抜けようとした時、占い師の婆さんは急に
「あんた!今行っちゃダメだ!巻き込まれるよ!!!」
と僕に向かって大声で叫んだ。
僕は、え?と一瞬走るのを止めて立ち止まったけど、
終電の時間が迫っていたので、こちらを見つめる婆さんに構わず再び走り出した。
そしてそこからすぐの交差点で横断歩道を走り抜けようとしたその時、
右手の方からトラックが飛び込んできた。
「「「!!!しまった!婆さんの予言はこれか!!!」」」
僕は急に現れたトラックのヘッドライトの強い光に体がすくみ、
眩しさに思わず目を瞑ってしまったが、
(あぁ・・・僕もこれで死んでしまうのか・・・
いっそ今流行りの異世界転生とかに巻き込まれれば・・・)
と思いながらも、今の状態を確認するためにゆっくりと目を開いた。
あれ?
目の前のところでトラックが止まっている。どうやらブレーキが間に合ったようだ。
「ばかやろう!気をつけろ!」
とトラックの運転手にはどやされたが、
終電に乗り遅れないよう急いでいた僕は「すみませーん」と言いながら再び走り出した。
後方で何やらサイレンのようなものが聞こえたが、時間ギリギリの僕にはそれどころじゃない。
会社から歩いて10分弱の場所にある最寄駅にようやく着いて、
改札の前に来たところで立ち止まった。
あれ?あれ?と胸のポケットや、ズボンの左右のポケットを確認し、
お尻のポケットを触ってようやく定期を入れた場所を思い出した。
大阪でもモバイルSuicaみたいにスマホで改札入れたら良いのに!
そしたら荷物減るし!忘れ物も(多分)減るし!
なんて事をぶつぶつ言いながら改札をくぐって階段を駆け降り、
ホームに着いたところでようやく一息。
「はぁはぁ、終電間に合ったーーー。」
毎日が、人生を無駄に浪費するだけの味気ない日々の繰り返しだ。
朝早く起きて片道1時間かけて会社に来て、自分の仕事の傍ら、
要領良い人に仕事押し付けられて、終電ギリギリにやっと会社から解放される。
下手したら週末を潰して仕事を片付けなければいけない時もある。
当然だが自分の時間なんて無い。
(まぁ、時間あっても友達居ないし、家に引き篭もってるだけだからな。)
せめて働いた分給料貰えればな。。。そしたら趣味にお金かけられるのに!
10年近く勤めてるのに基本給上がらないって有り得ないよな。
残業代だって、みなし残業を理由に決まった分しか払われないし、
こんなアホな仕組み考え出す人がおるから、悪用されて残業代誤魔化されるんだ!
政府はもっと厳しく企業をチェックして、従業員が損しないようにしてくれなきゃ!
なんて事を、電車を待ちながら考えていた。
バリバリの引き篭もりである僕の趣味はゲームに漫画!
いわゆるオタクと呼ばれる人種に属している。
しかし、安月給である。趣味に費やせるお金にも限度がある。
「ゲームや漫画読んでるだけでお金稼げれば良いのに。
いや、お金稼げなくてもゲームや漫画がいくらでも無料で手に入れば良いのに!」
オタクを拗らせると時折、いや、頻繁にこういった妄想を夢見る。
そうこうしているうちに、暗闇の中、急に光の筋が差し込んで来た。
待っていた終電がようやくやって来た。
ここから約1時間超。
終電は乗り継ぎの待ち時間が長くなるし、急行や快速なんてものは既に無いから、
日中よりも家に帰るのに時間がかかる。
僕はこの時間を特に苦には感じてなくて、有意義な?妄想タイムに充てていた。
若しくは、上手くいけばすぐに寝落ち出来て最高!くらいにしか考えていなかった。
ホームに滑り込んで来た電車のドアが開き中に入ると、
平日の終電という事もあって乗客はまばらで、1両に1人居るか居ないかといったところだ。
僕は、貸切のように誰も居ない車両の中央のシートにどっしり腰掛け、
そして今日も妄想を始めるのだ。
月曜から終電で、明日もまた今日と同じ1日だと思うと憂鬱になるなー、、、
轢かれるのは嫌だけど、さっき異世界転生に巻き込まれていれば、
そしたらこんな毎日ともおさらば出来たのに。。。
「車に轢かれる=死亡」ではなく「車に轢かれる=異世界転生」が前提になっている辺り、
やっぱり僕ってオタクだよな・・・。
そんな事を考えているうちに、段々意識が遠退いて行った。
(今日も気持ち良く寝落ち出来そうだ。寝過ごさないようにだけ気を付けないとな。。。)
狙い通りに睡眠時間の確保が出来そうだとぼんやり考えていると、
「お客さん、しっかり!お客さん!!!」と誰かが言っているような気がしたけど、
もう頭はすっかり睡眠モードに入ったようで、その声に反応して目を開ける事は出来なかった。
「アンアンッ!」
白く、モヤがかかったような視界の中、子供と犬の声だけが聞こえる。
これは・・・子供の頃の記憶だろうか?
いや、子供の頃に犬を飼ってた記憶は無い。
これは・・・ただの夢だろうか???
「ジロ!ジロ!」
「アンアンッ!」
僕はまだジロという犬を呼んでいる?
白いモヤが晴れてきて辺りがハッキリ見えて来た。
何処かの大きな家の広い庭で、幼い少女と1匹の仔犬が戯れあっている。
これは・・・呼ばれているのは僕だ!
子供ではなく、犬の方が僕なんだ!!!
という衝撃を受けた所で今朝は目が覚めた。
やけにリアルで、少女の顔も、庭の景色も色鮮やかに脳裏に焼き付いている。
本当にただの夢だったのだろうか・・・。
僕は佐々木博、もうすぐ三十路の何処にでもいる社畜だ!
性格も見た目も地味で平凡、身長だって体重だって同い年の全国平均値、
挙句の果てには苗字も名前もありきたり。
(いっその事DQNネームだったら清々しかったのに。)
そんな僕の高校時代のあだ名はMr.Average。
とは言っても僕自身はそんなあだ名で呼ばれてたなんて知らなかった。
一回行った高校の同窓会で、元クラスメートが別のクラスだった奴に
「あいつ、高校時代、陰でMr.Averageって呼ばれてたんだぜ。」
と話しているのを聞いて初めて知った。
離れた場所だったから気付かれないとでも思ったのかもしれないけど、
僕の事指差してチラチラ見ながら笑って話したら、そりゃ僕の事だってわかるよ?
っていうか、それ、軽いイジメだろ。ちょっとイラっとした。
そんなMr.Averageの名を欲しいままにしていた僕は、
青森の山奥から都会に憧れて、就職を機に大阪まで出て来たはいいけど、
小さい頃から人見知りの引っ込み思案で、当然恋人どころか友達すら居ない。
(超絶イケメンとかだったら、友達くらいはすぐに出来たかな。。。?)
高校どころか、地元の大学に進学した時も、陰キャ気質が抜けきれていなかった。
そりゃそうだ。性格なんてそうそう変わるものじゃない。
部活やサークル活動なんかも特にやってなかったので、
学校に居るのは授業中くらいで、学校が終わるとどこに寄るともなくそのまま帰宅、
その後はずっと部屋に籠る毎日だった。
だから、ずっと陽キャには憧れがあるのだ。
というよりもこの後ろ向きな性格を変えたかったのかもしれない。
東京ではなくて大阪に出て来たのにもちゃんと理由がある。
東京の人は冷たくて他人に無関心、大阪の人は誰彼構わず話しかける、
そういう先入観があったから、人見知りの僕にも向こうから勝手に友達がやって来ると思い込んでいた。
ところが、実際は大阪の人も東京の人と何も変わらない。他人には無関心なようだった。
以前地元で知り合った大阪出身の人が「大阪人は身内に優しいけど他人に厳しい」
なんて言っていたのを今更ながらに思い出した。最近、身をもってそれを実感している。
僕のような陰キャは、結局どこに居ても住みづらいのかもしれない。。。
『東京砂漠』とは昔の歌で聞いた言葉だが、現実には都会はどこも大差なく砂漠だ。
そんな陰キャな僕は、当然のようにコミュニケーション能力も0な訳で、
普通の会話すら難しいのに、ましてや「嫌だ!」なんて断る勇気も無く、
今日もまたいいように他人の仕事を押し付けられている。
普段は僕に全く興味が無く、むしろ存在していないかのように目を向ける事すら無いのに、
こういう時だけ僕という存在が彼らの前に実体化し、光り輝いて目立って見えるようだ。
はぁ・・・Noと言える日本人になりたい。。。
僕はなんでも言う事聞く従順なペットじゃないんだぞ!
(忠犬ハチ公かっての!!!)
心の中で文句を言うのが精一杯だ。情けないというのは分かっている。
「ふぅ、ようやく終わった。さ、帰ろ。」
既に終電間近のこの時間、窓から見える外の景色さえ駅周辺の灯り以外は闇だ。
目を凝らすとビル群の影がようやくうっすら見える程度だ。
大宇宙の中に星が輝いているように見えなくもないが、
それ以上に感じるのは無の中にただ一人存在している僕、という感覚だ。
事務所の中には僕以外おらず、真っ暗な中、自席近くの電気だけが点けられ、
まるでそこだけスポットライトが当たっているかのようだ。
この世界に独りだけ取り残されたような錯覚を覚え、
自分は孤独なんだと一層思い知らされる。
だが結局、いくら寂しいと思った所で、誰かが手を差し伸べてくれる訳も無く、
その思いを押し殺して日々を生きていかなければならない。
そんな事、この数年で嫌という程思い知らされた。
僕は席に座ったまま「んーーーー」と両手を広げて大きく背伸びをした後、
机の上の書類を纏めてクリアファイルに入れ、それを島の上座にある主任の席に持って行った。
そして自分の席に戻ってから財布を鞄に入れ、
携帯をズボンの右ポケット、定期入れをズボンのお尻のポケットに入れ、
「携帯持った、財布持った、定期持った、忘れ物確認オッケー!」
と声に出しながら忘れ物が無いか確認し、ようやく会社を後にした。
要領が悪いので、何かに気を取られるとつい忘れ物をしてしまうのだ。
だからこれは僕が何処かへ出掛ける時の、いわばおまじないだ。
ただ、人前でやるのは恥ずかしいので、人が居る時は心の中でそっと唱えている。
会社の入るフロアからエレベーターで一階まで降り、
ビルの入口まで歩いて来たところでズボンの右ポケットからスマホを取り出した。
スマホの画面を表示させると、現れた時刻を見て焦った。
(ヤバイ、後10分だ!)
僕は会社のビルから駅へ向かって駆け出したが、
そこの交差点を渡ればもう駅だ、という辺りのビルの前に、
普段見かけない婆さんが占い屋を開いているのが目の端に入った。
その前を駆け抜けようとした時、占い師の婆さんは急に
「あんた!今行っちゃダメだ!巻き込まれるよ!!!」
と僕に向かって大声で叫んだ。
僕は、え?と一瞬走るのを止めて立ち止まったけど、
終電の時間が迫っていたので、こちらを見つめる婆さんに構わず再び走り出した。
そしてそこからすぐの交差点で横断歩道を走り抜けようとしたその時、
右手の方からトラックが飛び込んできた。
「「「!!!しまった!婆さんの予言はこれか!!!」」」
僕は急に現れたトラックのヘッドライトの強い光に体がすくみ、
眩しさに思わず目を瞑ってしまったが、
(あぁ・・・僕もこれで死んでしまうのか・・・
いっそ今流行りの異世界転生とかに巻き込まれれば・・・)
と思いながらも、今の状態を確認するためにゆっくりと目を開いた。
あれ?
目の前のところでトラックが止まっている。どうやらブレーキが間に合ったようだ。
「ばかやろう!気をつけろ!」
とトラックの運転手にはどやされたが、
終電に乗り遅れないよう急いでいた僕は「すみませーん」と言いながら再び走り出した。
後方で何やらサイレンのようなものが聞こえたが、時間ギリギリの僕にはそれどころじゃない。
会社から歩いて10分弱の場所にある最寄駅にようやく着いて、
改札の前に来たところで立ち止まった。
あれ?あれ?と胸のポケットや、ズボンの左右のポケットを確認し、
お尻のポケットを触ってようやく定期を入れた場所を思い出した。
大阪でもモバイルSuicaみたいにスマホで改札入れたら良いのに!
そしたら荷物減るし!忘れ物も(多分)減るし!
なんて事をぶつぶつ言いながら改札をくぐって階段を駆け降り、
ホームに着いたところでようやく一息。
「はぁはぁ、終電間に合ったーーー。」
毎日が、人生を無駄に浪費するだけの味気ない日々の繰り返しだ。
朝早く起きて片道1時間かけて会社に来て、自分の仕事の傍ら、
要領良い人に仕事押し付けられて、終電ギリギリにやっと会社から解放される。
下手したら週末を潰して仕事を片付けなければいけない時もある。
当然だが自分の時間なんて無い。
(まぁ、時間あっても友達居ないし、家に引き篭もってるだけだからな。)
せめて働いた分給料貰えればな。。。そしたら趣味にお金かけられるのに!
10年近く勤めてるのに基本給上がらないって有り得ないよな。
残業代だって、みなし残業を理由に決まった分しか払われないし、
こんなアホな仕組み考え出す人がおるから、悪用されて残業代誤魔化されるんだ!
政府はもっと厳しく企業をチェックして、従業員が損しないようにしてくれなきゃ!
なんて事を、電車を待ちながら考えていた。
バリバリの引き篭もりである僕の趣味はゲームに漫画!
いわゆるオタクと呼ばれる人種に属している。
しかし、安月給である。趣味に費やせるお金にも限度がある。
「ゲームや漫画読んでるだけでお金稼げれば良いのに。
いや、お金稼げなくてもゲームや漫画がいくらでも無料で手に入れば良いのに!」
オタクを拗らせると時折、いや、頻繁にこういった妄想を夢見る。
そうこうしているうちに、暗闇の中、急に光の筋が差し込んで来た。
待っていた終電がようやくやって来た。
ここから約1時間超。
終電は乗り継ぎの待ち時間が長くなるし、急行や快速なんてものは既に無いから、
日中よりも家に帰るのに時間がかかる。
僕はこの時間を特に苦には感じてなくて、有意義な?妄想タイムに充てていた。
若しくは、上手くいけばすぐに寝落ち出来て最高!くらいにしか考えていなかった。
ホームに滑り込んで来た電車のドアが開き中に入ると、
平日の終電という事もあって乗客はまばらで、1両に1人居るか居ないかといったところだ。
僕は、貸切のように誰も居ない車両の中央のシートにどっしり腰掛け、
そして今日も妄想を始めるのだ。
月曜から終電で、明日もまた今日と同じ1日だと思うと憂鬱になるなー、、、
轢かれるのは嫌だけど、さっき異世界転生に巻き込まれていれば、
そしたらこんな毎日ともおさらば出来たのに。。。
「車に轢かれる=死亡」ではなく「車に轢かれる=異世界転生」が前提になっている辺り、
やっぱり僕ってオタクだよな・・・。
そんな事を考えているうちに、段々意識が遠退いて行った。
(今日も気持ち良く寝落ち出来そうだ。寝過ごさないようにだけ気を付けないとな。。。)
狙い通りに睡眠時間の確保が出来そうだとぼんやり考えていると、
「お客さん、しっかり!お客さん!!!」と誰かが言っているような気がしたけど、
もう頭はすっかり睡眠モードに入ったようで、その声に反応して目を開ける事は出来なかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密
まさき
青春
俺は今、東大院生の実験対象になっている。
ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。
「家庭教師です。住まわせてください」
突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。
桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。
偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。
咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。
距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。
「データじゃなくて、私がそう思っています」
嘘をついているような顔じゃなかった。
偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。
不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる