祖母の家の倉庫が異世界に通じているので異世界間貿易を行うことにしました。

rijisei

文字の大きさ
62 / 94

62話

しおりを挟む
「それではシルキー、ハルク頼むな」

パンはある程度作ったら帝国に運ぶ、3日掛けてなんとか3万斤焼くことが出来た、今回は商人ギルドの人たちとハルク、シルキーで帝国に向かう、その為にトラックを購入しておいた

「オゴダイさんも運転は充分注意してくださいね」

「はい、でもこれはすごい魔道具ですね、1日で王都まで行けるなんて、いつもは1週間かかりますが」

こちらではテレサ主導の元パンを焼き続ける、嬉しい誤算があった、スラムの窯で焼いていると、スラムの住人が手伝ってくれた、主に子供たちだが、報酬はこちらの世界のまずいパンと銅貨10枚だ、かなり格安で雇ってはいるが段々と報酬額は上げていく予定ではあるが、今は見習いのようなものなので仕方がない

「おじさーん、まだたくさん焼くの?」

「多分1ヶ月は焼くことになると思うぞ、頑張ってこねてくれよ」

声を掛けてきたのはここで知り合いになったトゥリだ、この子意外に有能で10歳ながらここのスラムの子供達のリーダーのような存在だ、ボルテ、トルン、ジュチ、ジビィ、ラム、カイシュ、サガンを率いている、みんな孤児のようだ

10歳なのでまともな仕事することが出来ず、町に出入りする人たちから施しを受けてなんとか生活をしているようだ。

この窯解体したら孤児院作るのもいいかも知れんな、材料を日本から持ってきてこちらで金貨受け取っても消費するところがなくお金が貯まるばかりだ、日本でも年寄りのタンス預金を吐き出させる為に色々な政策を打っているが、それはそもそも現金を貯め込まれていると流通がしなくて不景気になる

スラムの中で雇用が生まれるのはいいことだ、大人でも真面目に働くならどんどん参加してもらいたい、1ヶ月だけの短期契約だがニートよりはましだろう、スラムの大人でニートは居ないが、働かざる者食うべからずと言ったところだろうか

大所帯となったパン焼成部隊はどんどんとパンを作り上げていく、拙いなりに子供たちは頑張っている、見てるとかなり微笑ましいな、いつかこんなかわいい子供ができるといいなと妄想した。

毎日1万斤のノルマではあるが、今日は1万2千斤焼き上げることができた、夕方になるとアステルが来た、もう1人ドワーフを連れてきている

「窯の調子はどうだ?今からメンテするから帰っていいぞ」

「毎日ありがとう、頼むな」

毎日フル稼働で窯を酷使している為定期的にメンテにきてくれている、一緒に居たドワーフはアステルとは違う工房のエステルだ、そっくりでまるで兄弟のようにしか見えないが、血の関係はないようだ

サガンとカイシュが仕事を見ている、将来は鍛治士にでもなりたいのだろうな

「お前たち興味があるのか?」
サガン、カイシュ
「手に職身に付けたら独立できるかなって、そしたらスラムから脱出できるし」

ちゃんと10歳から将来のこと考えてるなんて偉いな、他の子達は渡したパンに貪り食ってるというのに、まあ一生懸命頑張ってたからな

「美味しいか?」
子供達
「うん、毎日食べることができるなんて今までなかったから幸せだよ」

あのまずいパンで満足するなんて可哀想な子達だ、自分達で作っているバター入りパン食べさせたらどんな反応するのだろう、あげたいのは山々だが一斤でも多く帝国に送り込みたいので今は我慢してもらうしかない

バッグに入ってる非常食のカップスープなら渡してもいいか

「これもついでにやるよ、お湯入れたら飲めるぞ」

「ありがとう」

人数分渡すと飲まずに閉まった

「どうしたんだ?飲まないのか?」

「今飲むと無くなっちゃうじゃん、食料がない時のために取っておかないと」

うん、泣けてくるな、もう少し食料は渡してあげてもいいかな、テレサ達に余分に作るように頼んでおこう、おにぎりとか受け入れられるかどうか試すのもいいだろう

こちらでお米は見たことはないので試食に使えるかどうか食わしてみるのもいいな、ただで渡すなんて勿体ないからな

取り敢えず今日の仕事は終わり、帰るとしよう

「テレサ帰るぞ、そろそろフレイヤも終わってる頃だ」

「はい、今日は1人でお店番でしたから寂しがってるかもしれないですね」

お店に行くとフレイヤがテレサに抱きついていた。

「1人で寂しかったよー」

今まで1人でやらせたことはなかったからな、心配の計算も電卓を渡してあるので問題はない。

「よく頑張ったな、特に問題はなかったか?」

「うん、問題ないよ、私も一人前だね」

「じゃあこれからも1人で出来るってことだな」

「やだやだやだ」

からかい甲斐のある奴だ

「テレサ、明日おにぎりを子供達の分作っておいてくれ」 

「かしこまりました、具は何に致しますか?」

「梅干しだけでいいぞ」

梅干しを食べた時の反応が楽しみだ、子供達のすっぱそうな顔はさぞかし可愛いだろうな、明日が楽しみだ。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

社畜生活に疲れた俺が転生先で拾ったのは喋る古代ゴーレムだった。のんびり修理屋を開店したら、なぜか伝説の職人だと勘違いされている件

☆ほしい
ファンタジー
過労の末に命を落とした俺、相田巧(アイダタクミ)が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界だった。神様から授かったスキルは「分解」と「再構築」という、戦闘には向かない地味なもの。 もうあくせく働くのはごめんだと、静かな生活を求めて森を彷徨っていると、一体の小さなゴーレムを発見する。古代文明の遺物らしいそのゴーレムは、俺のスキルで修理すると「マスター」と喋りだした。 俺はタマと名付けたゴーレムと一緒に、街で小さな修理屋を開業する。壊れた農具から始まり、動かなくなった魔道具まで、スキルを駆使して直していく日々。ただのんびり暮らしたいだけなのに、俺の仕事が完璧すぎるせいで、いつの間にか「どんなものでも蘇らせる伝説の職人」だと噂が広まってしまい……。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

処理中です...