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幸せの始まりのはず
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少しだけと思い布団に入ったのに朝までぐっすり寝てしまった。
慌てて起きて隣の部屋を覗くと朝陽の父親と父が朝食の準備をしてくれていた。
最長7日は出てこない事を想定はしてるが、何時出てくるかも分からないので風呂トイレは勿論ミニキッチンに寝室が2つ付いた待機部屋となってる。
「おはようございます。なにか手伝える事はありますか」
朝陽の父親が居るので一応気を使い声を掛けた。
「おはよ。手が足りてるから真陽君を起こして来てくれると助かる」
「わかりました」
父に頼まれて俺が使ってた隣の部屋をノックすれば返事が返ってきた。簡単に朝食の用意ができたと言ってその場を離れたが、かすかに漏れ聞こえたのは誰かに休みの電話をしてた。朝陽の兄には興味は無いがいずれ身内になるのだから調べておく必要がある。
父達が作ってくれた朝食を食べながらそれとなく探りを入れてみた。
「先程声を掛けた時に誰かと話してました?もしかして忙しいのであれば一筆書いて下されば、俺がここに残りますよ」
Ωの身内から扉を開ける許可を委任されたら俺でも開けられる。そもそも扉を開けるだけなので1人居れば十分こと足りる。今の状態が異様なのだ。
「不要なご心配は遠慮致します。私もまだ大学生で今は夏休み中です。一応アルバイトはしてますが休みを頂きましたので大丈夫です」
「偉いね、どこでアルバイトをしてるの」
父の質問には少し怪訝な顔をしながらも答えた。
「中嶋法律事務所で少し」
中嶋法律と言えば法曹界では頭脳明晰のトップ集団。
弁護士資格を取っただけでは中嶋に入りたくても最難関でなかなか雇い入れないと有名。取り扱う案件はどんなに難しいものでも必ず勝ちを譲らない。が、顧問弁護を頼んでも審査が厳しく容易く受け入れて貰えない。法曹界のエリート集団が集まってる弁護士事務所だ。当然双葉メディカルと顧問弁護を結んでるので情報は難なく入手出来る。
「凄いね、中嶋でアルバイトを?」
興味を持った時の顔になった父が更に話を振った。
「ええ、3年前から長期休暇の時は中嶋で勉強させてもらってます」
謙虚に聞こえるように言っているが18歳で司法試験に合格、経済的状況を見れば大学は多分国立、大学卒業と同時に中嶋法律の就職が決まってる。ってところだ。
「3年前に司法試験合格か」
「それほどでも。ところで美玲さんは20歳ですよね。大学は?」
「院卒してきた」
「海外でスキップですか?趣味はレースとコスプレ、なかなか楽しみが多くて良いですね」
僅かな情報でもしっかりと状況を読み取ってるな。レースは息抜きみたいなものだが、コスプレは母の趣味だと言ったはずなのにすっとぼけてみせた兄の頭の良さに父は満足気だ。俺は母の趣味だと訂正したいけど朝陽の趣味だったらと思うと余計な事言わない方がいいだろ。
「へぇー美玲君はスキップなんだ、凄いね頭のいい子しか出来ないってテレビで見たことあるけど朝くんの番さんだと思うと心強いね。まーくん」
ニコニコと朝らかいい笑顔の父親に対して笑顔が完全に引きつってる兄に笑うしかなかった。良い意味で素直、悪い意味では考えなしなのだろう。兄の苦労が少し垣間見えた瞬間でもある。父親ばかりにやらせると何を引き起こすか分からない危険を含んでいるので今回は見張り役というところだ。
「昨日も言ったよね。朝が出てきてちゃんと話を聞いてから判断するって。疑ってる訳ではないけど、一方的な話だけを真に受けて朝の気持ちを傷つけないようにしようって」
「お義父さん大丈夫ですよ。間違いなく俺と朝陽は運命の番ですから」
父親は俺を朝陽の運命だと認識したのに兄はまだ認められないのだ。俺が運命を間違えるはずがない。
突如部屋にブザーの音が鳴り響きシェルターの内扉が開いた事を教えてくれた。
慌てて起きて隣の部屋を覗くと朝陽の父親と父が朝食の準備をしてくれていた。
最長7日は出てこない事を想定はしてるが、何時出てくるかも分からないので風呂トイレは勿論ミニキッチンに寝室が2つ付いた待機部屋となってる。
「おはようございます。なにか手伝える事はありますか」
朝陽の父親が居るので一応気を使い声を掛けた。
「おはよ。手が足りてるから真陽君を起こして来てくれると助かる」
「わかりました」
父に頼まれて俺が使ってた隣の部屋をノックすれば返事が返ってきた。簡単に朝食の用意ができたと言ってその場を離れたが、かすかに漏れ聞こえたのは誰かに休みの電話をしてた。朝陽の兄には興味は無いがいずれ身内になるのだから調べておく必要がある。
父達が作ってくれた朝食を食べながらそれとなく探りを入れてみた。
「先程声を掛けた時に誰かと話してました?もしかして忙しいのであれば一筆書いて下されば、俺がここに残りますよ」
Ωの身内から扉を開ける許可を委任されたら俺でも開けられる。そもそも扉を開けるだけなので1人居れば十分こと足りる。今の状態が異様なのだ。
「不要なご心配は遠慮致します。私もまだ大学生で今は夏休み中です。一応アルバイトはしてますが休みを頂きましたので大丈夫です」
「偉いね、どこでアルバイトをしてるの」
父の質問には少し怪訝な顔をしながらも答えた。
「中嶋法律事務所で少し」
中嶋法律と言えば法曹界では頭脳明晰のトップ集団。
弁護士資格を取っただけでは中嶋に入りたくても最難関でなかなか雇い入れないと有名。取り扱う案件はどんなに難しいものでも必ず勝ちを譲らない。が、顧問弁護を頼んでも審査が厳しく容易く受け入れて貰えない。法曹界のエリート集団が集まってる弁護士事務所だ。当然双葉メディカルと顧問弁護を結んでるので情報は難なく入手出来る。
「凄いね、中嶋でアルバイトを?」
興味を持った時の顔になった父が更に話を振った。
「ええ、3年前から長期休暇の時は中嶋で勉強させてもらってます」
謙虚に聞こえるように言っているが18歳で司法試験に合格、経済的状況を見れば大学は多分国立、大学卒業と同時に中嶋法律の就職が決まってる。ってところだ。
「3年前に司法試験合格か」
「それほどでも。ところで美玲さんは20歳ですよね。大学は?」
「院卒してきた」
「海外でスキップですか?趣味はレースとコスプレ、なかなか楽しみが多くて良いですね」
僅かな情報でもしっかりと状況を読み取ってるな。レースは息抜きみたいなものだが、コスプレは母の趣味だと言ったはずなのにすっとぼけてみせた兄の頭の良さに父は満足気だ。俺は母の趣味だと訂正したいけど朝陽の趣味だったらと思うと余計な事言わない方がいいだろ。
「へぇー美玲君はスキップなんだ、凄いね頭のいい子しか出来ないってテレビで見たことあるけど朝くんの番さんだと思うと心強いね。まーくん」
ニコニコと朝らかいい笑顔の父親に対して笑顔が完全に引きつってる兄に笑うしかなかった。良い意味で素直、悪い意味では考えなしなのだろう。兄の苦労が少し垣間見えた瞬間でもある。父親ばかりにやらせると何を引き起こすか分からない危険を含んでいるので今回は見張り役というところだ。
「昨日も言ったよね。朝が出てきてちゃんと話を聞いてから判断するって。疑ってる訳ではないけど、一方的な話だけを真に受けて朝の気持ちを傷つけないようにしようって」
「お義父さん大丈夫ですよ。間違いなく俺と朝陽は運命の番ですから」
父親は俺を朝陽の運命だと認識したのに兄はまだ認められないのだ。俺が運命を間違えるはずがない。
突如部屋にブザーの音が鳴り響きシェルターの内扉が開いた事を教えてくれた。
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