可愛いは正義 では男前は?

丹葉 菟ニ

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純粋な番のトリセツ

馬鹿らしいとしか言いようがない。
αの恩恵はβが勝手に言い始めた事だ。自分はなにも努力せずに甘い汁だけをすすりたい奴らが言い始めたご都合主義な言い方に過ぎない。

「本当に馬鹿らしいにも程がある。あの時の罵詈雑言は覚えていますので、父方の誰かになにか頼まれても俺には振らないでください」

「メモ書きでも渡されて説明してくれるなら分かりやすいんですが」

「そんな事わざわざしなくてもお義父さんなら調べがついている頃では?今日中には貴方の頭の中にキッチリ記憶されるでしょ」

「優秀だが短期限定の弁護士がいるって聞いた事あったがまさか義兄になるとは」

「ぜひ会うことがあれば聞いてみようと思っていました。神話の生物から生まれました?」

「は?」

「いや、ね。齢3歳で漢検2級や暗算検定1級合格した神童は、小学校に行く前に高校までの問題はやり尽くした。あの神童が今度はレース界の最年少記録で活躍。若様でも跡取り様でもなく神童ですよ。実年齢は何歳ですか?」

「主になる情報は渡したつもりだが」

「誰でも知り得る情報になんの意味が」

「欲張ると怪我するからやめとけ」

「一応貴方の兄になってやろうとしてる人にとっていい態度とは思えませんね」

「お兄様が怪我をすれば俺の可愛い妻が大泣きして慰めるのが大変なので危険な事は避けて下さい」

「少しは可愛ければと思うけど全く無い。番が颯馬くんならよく知ってるし簡単に許せたのに。事実は残酷すぎる。許されるなら今すぐここで投げ飛ばしたい」

「投げ飛ばすねぇ、柔道か合気道と思わせて、関節技決めれますよね、だったら俺も本気で相手になりますよ柔術で。臨機応変に対応できる義弟は可愛いでしょ。なので、俺以外を推しにするのは、はた迷惑なのでおやめ下さい」

「他を推しにされたくなければ可愛く居た方が利口ですよ。俺は可愛い子に甘いですから」

能面だった顔にスっと笑みが浮かび兄の顔になると自然と弟を呼び寄せる。

「身長伸びてた?」

あの辛辣な物言いは奥底にしまい込み、優しい喋り方に切り替わった。良くコロコロと変えられると感心してしまう。

「ぅー伸びてなかった」

「残念、牛乳いっぱい飲んだのにね」

「昔のΩは160前後だったから朝陽は高いほうだ。気にすることない」

慰めとかではなく事実を言ったのにキッと睨まれてしまった。

「デリカシー無さすぎ!最低」

キッと睨まれ最低とまで評価されることなのか?キライよりかはマシだがやっぱり番の一言に感情が大きく左様される。

「本当に酷いね。大丈夫、朝はまだ18歳 まだ伸びるかもしれないから希望だけは持ってて良いからね」

おい、気が付け朝陽。兄が言ってる言葉はほぼ詐欺と一緒だぞ。

「うん!僕、まだ伸びるかもしれないよね」

疑うことを知らない純度100%のキッラキラの目で兄を見つめてる。少しだけ朝陽のトリセツが分かった気がする。

「背を伸ばすには肉も必要になるからパンケーキばかりじゃなくてバランスよく色々食えるようにしないとな」

「え?そうなの。僕あまり太れないけど頑張って食べる」

肉もついてない腹を掴もうとし服だけを掴んで見せる朝陽。本当に素直な子だと改めて自分の番を眺めてしまった。

「適格なアドバイスをありがとう。ところで美玲君も健康診断受けるって言ってましたよね?受け付け済んでますか?」

美玲君ねぇ、態とらしさを全面にだしてきた君付けに笑いそうになる。それに、院長に電話すれば全てが滞りなく全て整えてくれるのに、態と受け付けを指さして言ってくる辺り本当に嫌な性格をしてる。

「そうですね。受け付けしてきます」

自分にもまだこんなにも豊富な感情があったんだなと、何故か嬉しくなりながら受け付けに2人分の健康診断の予約を取り付けた。

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