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呼び名と戸惑い
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心療内科を終えて兄と美玲さんの元に戻ると何故か二人の様子がおかしい。
「兄ちゃんどうしたの?」
「うん?なにが?」
「あの人と何かあった?」
なにが、って、上手く説明できない。兄はいつも通りと言われたらいつも通りに見えなくもないが、二人の間には険悪な空気が漂ってる気がする。
そして、先程まではちゃんと美玲さんと言えてたのに本人の前では素直になれない自分が居るから名前が言えずにあの人と言ってしまったことにすこしばかり罪悪感も覚え始めた。
「長い付き合いになるから名前呼びがいいか義兄さんと呼ぶ方が良いのか話してたんだ」
「へー、そうなんだ」
「義兄さんで良いですよね」
「貴方が呼びやすいのであればなんでも」
うーん、僕が勝手に険悪だと思ってしまっただけなのか?
「私も呼びやすいものでどうぞ。朝陽も気にせずに好きに呼べば良い」
「うん」
全てを見透かされてる感じに嫌悪感もゾッとする気持ちもなくただなんと呼べば良いのか悩む。素直に美玲さんと呼べばいいと思うのになかなか声になって出てこない。
「お兄ちゃんはなんて呼ぶの?」
素直に呼べないのでお兄ちゃんに振ってみた。
「え?俺に聞くの?普通に美玲でもいいような気がするけど、どうですか?」
え?呼び捨てにするの?
「おい。とか、お前。とかでなければなんでもどうぞ」
お兄ちゃんに限って、おい。や、お前。呼びはないと思うと。
「あ、いた。あさ!」
聞き馴染みの声に後ろを振り返るとよく知ってる人物が大股で歩いてくる。その後ろに母さんも居る。
「颯馬!」
「あさ、びっくりした。いきなり入院するって聞いて何
かあったのかと思っておばさんに着いてきたんだ」
「ごめん。健康診断?人間ドックって言うのを受けることになって着替えを頼んだんだ」
「母さん、ありがとう。コチラは美玲さん」
僕と颯馬が話し出した横で兄ちゃんが母さんに美玲さんの紹介を初めてしまった。
「始まして、永松美玲と申します。朝陽の運命の番です」
「え、運命の番」
美玲さんの言葉を反芻して驚いた顔で僕を凝視した幼なじみを見返した。
「颯馬?どうしたの?」
「今、運命の番っ。ごめん、聞き間違いだよな。都市伝説だよな」
「聞き間違いでもなければ都市伝説でもない。俺と朝陽は運命の番だ」
美玲さんの視線は僕を見て颯馬を見た。
「本当に?」
美玲さんの視線に戸惑いながら颯馬は僕に確認をしてきた。
「多分 本当だと思う」
素直に名前を言えない相手を番と呼ぶのか?と、否定の言葉も一瞬は脳裏を掠めた。けど否定しくないと強く思うのと同時に今この場の雰囲気は誤魔化しは通用しないと思った。
「お父さんからは朝くんに運命の番が見つかったよ。とは聞いたけど、本当だったのね。朝くん良かったわね、おめでとう」
父さんからなにをどう聞いたかは分からない。けど、今この場をどうするか?
険しい顔をした幼なじみと幼なじみを睨む様に見てる美玲さん。美玲さんをマジマジと見てる兄ちゃん。
「ありがとう?」
ニコニコと何時もの笑顔の母さんにお礼を言うが、いくらなんでも今この場がおかしな事になってると思う。
「兄ちゃんどうしたの?」
「うん?なにが?」
「あの人と何かあった?」
なにが、って、上手く説明できない。兄はいつも通りと言われたらいつも通りに見えなくもないが、二人の間には険悪な空気が漂ってる気がする。
そして、先程まではちゃんと美玲さんと言えてたのに本人の前では素直になれない自分が居るから名前が言えずにあの人と言ってしまったことにすこしばかり罪悪感も覚え始めた。
「長い付き合いになるから名前呼びがいいか義兄さんと呼ぶ方が良いのか話してたんだ」
「へー、そうなんだ」
「義兄さんで良いですよね」
「貴方が呼びやすいのであればなんでも」
うーん、僕が勝手に険悪だと思ってしまっただけなのか?
「私も呼びやすいものでどうぞ。朝陽も気にせずに好きに呼べば良い」
「うん」
全てを見透かされてる感じに嫌悪感もゾッとする気持ちもなくただなんと呼べば良いのか悩む。素直に美玲さんと呼べばいいと思うのになかなか声になって出てこない。
「お兄ちゃんはなんて呼ぶの?」
素直に呼べないのでお兄ちゃんに振ってみた。
「え?俺に聞くの?普通に美玲でもいいような気がするけど、どうですか?」
え?呼び捨てにするの?
「おい。とか、お前。とかでなければなんでもどうぞ」
お兄ちゃんに限って、おい。や、お前。呼びはないと思うと。
「あ、いた。あさ!」
聞き馴染みの声に後ろを振り返るとよく知ってる人物が大股で歩いてくる。その後ろに母さんも居る。
「颯馬!」
「あさ、びっくりした。いきなり入院するって聞いて何
かあったのかと思っておばさんに着いてきたんだ」
「ごめん。健康診断?人間ドックって言うのを受けることになって着替えを頼んだんだ」
「母さん、ありがとう。コチラは美玲さん」
僕と颯馬が話し出した横で兄ちゃんが母さんに美玲さんの紹介を初めてしまった。
「始まして、永松美玲と申します。朝陽の運命の番です」
「え、運命の番」
美玲さんの言葉を反芻して驚いた顔で僕を凝視した幼なじみを見返した。
「颯馬?どうしたの?」
「今、運命の番っ。ごめん、聞き間違いだよな。都市伝説だよな」
「聞き間違いでもなければ都市伝説でもない。俺と朝陽は運命の番だ」
美玲さんの視線は僕を見て颯馬を見た。
「本当に?」
美玲さんの視線に戸惑いながら颯馬は僕に確認をしてきた。
「多分 本当だと思う」
素直に名前を言えない相手を番と呼ぶのか?と、否定の言葉も一瞬は脳裏を掠めた。けど否定しくないと強く思うのと同時に今この場の雰囲気は誤魔化しは通用しないと思った。
「お父さんからは朝くんに運命の番が見つかったよ。とは聞いたけど、本当だったのね。朝くん良かったわね、おめでとう」
父さんからなにをどう聞いたかは分からない。けど、今この場をどうするか?
険しい顔をした幼なじみと幼なじみを睨む様に見てる美玲さん。美玲さんをマジマジと見てる兄ちゃん。
「ありがとう?」
ニコニコと何時もの笑顔の母さんにお礼を言うが、いくらなんでも今この場がおかしな事になってると思う。
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