17 / 17
呼び名と戸惑い
心療内科を終えて兄と美玲さんの元に戻ると何故か二人の様子がおかしい。
「兄ちゃんどうしたの?」
「うん?なにが?」
「あの人と何かあった?」
なにが、って、上手く説明できない。兄はいつも通りと言われたらいつも通りに見えなくもないが、二人の間には険悪な空気が漂ってる気がする。
そして、先程まではちゃんと美玲さんと言えてたのに本人の前では素直になれない自分が居るから名前が言えずにあの人と言ってしまったことにすこしばかり罪悪感も覚え始めた。
「長い付き合いになるから名前呼びがいいか義兄さんと呼ぶ方が良いのか話してたんだ」
「へー、そうなんだ」
「義兄さんで良いですよね」
「貴方が呼びやすいのであればなんでも」
うーん、僕が勝手に険悪だと思ってしまっただけなのか?
「私も呼びやすいものでどうぞ。朝陽も気にせずに好きに呼べば良い」
「うん」
全てを見透かされてる感じに嫌悪感もゾッとする気持ちもなくただなんと呼べば良いのか悩む。素直に美玲さんと呼べばいいと思うのになかなか声になって出てこない。
「お兄ちゃんはなんて呼ぶの?」
素直に呼べないのでお兄ちゃんに振ってみた。
「え?俺に聞くの?普通に美玲でもいいような気がするけど、どうですか?」
え?呼び捨てにするの?
「おい。とか、お前。とかでなければなんでもどうぞ」
お兄ちゃんに限って、おい。や、お前。呼びはないと思うと。
「あ、いた。あさ!」
聞き馴染みの声に後ろを振り返るとよく知ってる人物が大股で歩いてくる。その後ろに母さんも居る。
「颯馬!」
「あさ、びっくりした。いきなり入院するって聞いて何
かあったのかと思っておばさんに着いてきたんだ」
「ごめん。健康診断?人間ドックって言うのを受けることになって着替えを頼んだんだ」
「母さん、ありがとう。コチラは美玲さん」
僕と颯馬が話し出した横で兄ちゃんが母さんに美玲さんの紹介を初めてしまった。
「始まして、永松美玲と申します。朝陽の運命の番です」
「え、運命の番」
美玲さんの言葉を反芻して驚いた顔で僕を凝視した幼なじみを見返した。
「颯馬?どうしたの?」
「今、運命の番っ。ごめん、聞き間違いだよな。都市伝説だよな」
「聞き間違いでもなければ都市伝説でもない。俺と朝陽は運命の番だ」
美玲さんの視線は僕を見て颯馬を見た。
「本当に?」
美玲さんの視線に戸惑いながら颯馬は僕に確認をしてきた。
「多分 本当だと思う」
素直に名前を言えない相手を番と呼ぶのか?と、否定の言葉も一瞬は脳裏を掠めた。けど否定しくないと強く思うのと同時に今この場の雰囲気は誤魔化しは通用しないと思った。
「お父さんからは朝くんに運命の番が見つかったよ。とは聞いたけど、本当だったのね。朝くん良かったわね、おめでとう」
父さんからなにをどう聞いたかは分からない。けど、今この場をどうするか?
険しい顔をした幼なじみと幼なじみを睨む様に見てる美玲さん。美玲さんをマジマジと見てる兄ちゃん。
「ありがとう?」
ニコニコと何時もの笑顔の母さんにお礼を言うが、いくらなんでも今この場がおかしな事になってると思う。
「兄ちゃんどうしたの?」
「うん?なにが?」
「あの人と何かあった?」
なにが、って、上手く説明できない。兄はいつも通りと言われたらいつも通りに見えなくもないが、二人の間には険悪な空気が漂ってる気がする。
そして、先程まではちゃんと美玲さんと言えてたのに本人の前では素直になれない自分が居るから名前が言えずにあの人と言ってしまったことにすこしばかり罪悪感も覚え始めた。
「長い付き合いになるから名前呼びがいいか義兄さんと呼ぶ方が良いのか話してたんだ」
「へー、そうなんだ」
「義兄さんで良いですよね」
「貴方が呼びやすいのであればなんでも」
うーん、僕が勝手に険悪だと思ってしまっただけなのか?
「私も呼びやすいものでどうぞ。朝陽も気にせずに好きに呼べば良い」
「うん」
全てを見透かされてる感じに嫌悪感もゾッとする気持ちもなくただなんと呼べば良いのか悩む。素直に美玲さんと呼べばいいと思うのになかなか声になって出てこない。
「お兄ちゃんはなんて呼ぶの?」
素直に呼べないのでお兄ちゃんに振ってみた。
「え?俺に聞くの?普通に美玲でもいいような気がするけど、どうですか?」
え?呼び捨てにするの?
「おい。とか、お前。とかでなければなんでもどうぞ」
お兄ちゃんに限って、おい。や、お前。呼びはないと思うと。
「あ、いた。あさ!」
聞き馴染みの声に後ろを振り返るとよく知ってる人物が大股で歩いてくる。その後ろに母さんも居る。
「颯馬!」
「あさ、びっくりした。いきなり入院するって聞いて何
かあったのかと思っておばさんに着いてきたんだ」
「ごめん。健康診断?人間ドックって言うのを受けることになって着替えを頼んだんだ」
「母さん、ありがとう。コチラは美玲さん」
僕と颯馬が話し出した横で兄ちゃんが母さんに美玲さんの紹介を初めてしまった。
「始まして、永松美玲と申します。朝陽の運命の番です」
「え、運命の番」
美玲さんの言葉を反芻して驚いた顔で僕を凝視した幼なじみを見返した。
「颯馬?どうしたの?」
「今、運命の番っ。ごめん、聞き間違いだよな。都市伝説だよな」
「聞き間違いでもなければ都市伝説でもない。俺と朝陽は運命の番だ」
美玲さんの視線は僕を見て颯馬を見た。
「本当に?」
美玲さんの視線に戸惑いながら颯馬は僕に確認をしてきた。
「多分 本当だと思う」
素直に名前を言えない相手を番と呼ぶのか?と、否定の言葉も一瞬は脳裏を掠めた。けど否定しくないと強く思うのと同時に今この場の雰囲気は誤魔化しは通用しないと思った。
「お父さんからは朝くんに運命の番が見つかったよ。とは聞いたけど、本当だったのね。朝くん良かったわね、おめでとう」
父さんからなにをどう聞いたかは分からない。けど、今この場をどうするか?
険しい顔をした幼なじみと幼なじみを睨む様に見てる美玲さん。美玲さんをマジマジと見てる兄ちゃん。
「ありがとう?」
ニコニコと何時もの笑顔の母さんにお礼を言うが、いくらなんでも今この場がおかしな事になってると思う。
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
女子が苦手になったイケメン家庭教師の行き先は男子に向いた
henoru
BL
女子が苦手になったイケメン家庭教師の行き先は男子に向いた
子供の頃から勉強一筋で 気がつけば女性との接触が苦手になっていた
得意の勉強を 生かして 家庭教師のアルバイトを始める 性の吐口は-----
【完結】束縛彼氏から逃げたのに、執着が想像以上に重すぎた
鱗。
BL
束縛の強い恋人、三浦悠真から逃げた風間湊。
逃げた先で出会ったのは、優しく穏やかな占い師、榊啓司だった。
心身を癒やされ、穏やかな日常を取り戻したかに見えた——はずだった。
だが再び現れた悠真の執着は、かつてとは比べ物にならないほど歪んでいて。
そして気付く。
誰のものにもなれないはずの自分が。
『壊れていく人間』にしか愛を見出せないということに。
依存、執着、支配。
三人の関係は、やがて取り返しのつかない形へと崩れていく。
——これは、『最も壊れている人間』が愛を選び取る物語。
逃げた先にあったのは、『もっと歪んだ愛』だった。
【完結済み】
諦めることを諦めてみた
ゆい
BL
いつだってそうだ。
食べたいおかずやおやつは弟に取られる。
服はいつもおさがり。
優秀な兄や天使のような容姿の弟を両親は可愛がる。
僕は兄ほど頭は良くないし、弟より可愛くない。
何をやらせてもミソッカスな僕。
だから、何もかもを諦めた。
またしても突発的な思いつきによる投稿です。
楽しくお読みいただけたら嬉しいです。
投稿ペースはのんびりです。
誤字脱字等で文章を突然改稿するかもです。誤字脱字のご報告をいただけるとありがたいです。
親に虐げられてきたβが、Ωと偽ってαと婚約してしまった話
さるやま
BL
◆瑞希(受け)語り
□アキ(攻め)語り
攻め→→→→←←受け
眞鍋秋人(攻め)
優秀なα。真鍋家の次期当主。本質は狡くて狡猾だが、それを上手く隠して好青年を演じている。瑞希にはアキさんと呼ばれている。
高宮瑞希(受け)
Ωと偽っている平凡なβ。幼少期の経験からか自己肯定感が低く、自分に自信がない。自己犠牲的。
有栖蕾
花の精のように美しいと名高い美少年のΩ。アキさんの元婚約者(と言っても、正式な婚約関係になく、幼少期の口約束程度)であり、アキさんのことをまだ好いている。瑞希のことを秋人の婚約者として紹介され、許せない相手になった。
お腹いっぱい、召し上がれ
砂ねずみ
BL
料理研究家でαの藤白蒼は幼なじみで10個下のΩ晃と番になった。そんな二人の間に産まれた照は元気いっぱいな男の子。泣いたり、笑ったり、家族の温かみを感じながら藤白家の日常が穏やかに進んでいく。
そんな愛する妻と愛する息子、大切な家族のお腹いっぱい喜ぶ顔が見たいから。蒼は今日も明日もその先も、キッチンに立って腕を振るう。
さあ、お腹いっぱい、召し上がれ。
家族大好き料理研究家年上α×天真爛漫健気な年下Ω