赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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焦り

友 15

白馬から舞い降りた王子様・・女ならきっと夢見るシチュだろうな。
でもな、実際には魔馬から鬼気迫るお顔の王子様に抱きしめられた。が、正解なんだよな。

はぁー、そして今 小言がすげーのなんのって。要訳するとだ、好きに過ごせと行ったが遠くまで行くことは許してない。行きたいなら聞け。近くで姿が見えないと心配するだろ。そもそも風も出てきて寒い中 遠くまでウロウロするな。風邪をぶり返したらどうする?
たったこれだけのことを こと細く重箱の隅をつつく様に説明してくるからウザイ。が、今回は桔梗も一緒に拝聴してる。行くかと聞いてきたのは桔梗だから、責任を感じている姿がなんとも可愛いんだよな、耳がヘニョンってなってて。おもわず笑いが込み上げてくる。

「聞いてるのかイオリ」

「聞いてるけど桔梗が 可愛くて」

「ぅん?私は桔梗に注意しては いないのだが?」

「注意じゃないだろ?怒ってんだろ」

「・・・怒ってはいるが注意だ」

『注意なの?』

『本人が注意だと言ってるなら、怒りながら注意なんだろ』

『俺も桔梗と同意見』

ヘニョンとなってる桔梗の耳を優しく撫でたアル。

「怒ってはいない。・・ちがうな。私は私自身に怒ってる。私はイオリが証を持ってるから惹かれた訳では無い。証だけが全てみたいな言い方になってしまったことに反省してる。私は、一目惚れした相手が私の番だと解ると、私と同じだけの思いを欲して 私と同じだけの愛情を求めてしまった。すまない」

一目惚れ?!

『一目惚れって言った?』

『確かに一目惚れと言ったな』

「俺に・・・証がなくても良かった」

「番は諦めてた。あの演習が終われば親が決めた婚約がなされる予定だった。もし、イオリに証が無くても私は一目惚れしたイオリと婚約した」

「親や周りに反対されたら?」

「反対されても 私はイオリを選ぶ」

「俺 他の星から転移してきたんだけど」

「だからなんだ?イオリはイオリだ」

「俺 ついさっき気がついたんだけど 友達も居ない寂しいボッチなんだけど」

「友なら作ればいい。私が嫉妬しない程度で」

「俺一人っ子で 親に思いっきり嫌われてた。だから、じいちゃんとばあちゃんしか居ない。この世界では桔梗・・母さんしか居ない」

「私が 父親にも兄にもなろう」

「番とか証とか 解るけどわかんない。わかりたくも理解もしたくない。俺の恋愛対象 女性だ」

「番関係は焦らなくていい。イオリのペースに合わせる。でも、イオリは誰にも渡せない、イオリが私以外を好きになれば必ず邪魔をするし怒ると思う」

「ガミガミ怒る人嫌い」

「善処する」

「あのブリブリキュートの衣装!マーサが不眠不休で作ったから1度だけ腹くくって着てやる。でも、あんな衣装ヤダ 嫌いだ」

「似合うが。勿体ないがイオリが嫌なら仕方ない。今後はあの様にならないように気をつけよう」

「お菓子が甘くない」

「イオリが自由に使えるキッチンを作ろう」

「味噌汁飲みたい。玉子焼き食べたい。煮物が食べい」

「ミソシル?すまない 食べた事が無い」

「食事は殆ど似てるのに味噌と醤油が無い。お菓子が甘くない」

「必ずイオリ専用のキッチンを作る」

「重箱の隅をつつくアルは嫌い」

「ジュ?良くんからんが嫌われたのか?」

「注意なのかな怒ってんのか分からないままグジグジと、怒るアルは嫌い」

「すまない」

「月が2つとか見たこと無かった」

「そうなのか?」

「星がすごく綺麗」

「今夜も星を見るか?」

「俺の居たところでは月は1つだった」

「1つ?おかしな物だな」

「看病ありがとう」

「ああ」

「目が覚めた時に居てくれたのは嬉しかった」

「そうか」

じいちゃんにしてた時みたいに いっぱい溜め込んだものを吐き出してる。思い付いたままに言ってるのに、アルは面倒くさがらずにずっと聞いてくれる。
溜め込んだものを吐き出して 久しぶりにスッキリする事が出来た。

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