異世界無知な私が転生～目指すはスローライフ～

スローライフ 3ヶ月

目指せ人里

歩いて森を出るには３週間はかかる。

はぁぁぁ。
盛大なため息を漏らす私に、「最初に転生してきた場所は覚えてるのか」と質問してきたアオト。

「鬱蒼とした森だったよ、確かこの先の場所だった」

あの時は確かこの方角から来たのよね。

「きっちり覚えてるか」

「覚えてるよ」

「じゃ そこに転移するぞ。俺が探索してやるから、確りとそこの場所を思い浮かべる。
確りと思い浮かべる事が出来たら 転移だ
本当にその場に居るように思い浮かべる」

・・・・・よし

「行くよ！転移」

周りをよく見ると 鬱蒼とした 森。
確かにここだった、転移に成功した。

「成程、ここなら最初にみたステイタスならなんとか暮らせないこともない場所だな」

そうなんだ 知らなかったな。
見られも大丈夫な範囲で、住んでても可笑しくない場所を考えて送ってくれたんだ。
ちょっと ジュナイルに悪いことしたなとは、思うものの やっぱりこんな所で我が家を設置出来ない。

「ここからだと3刻ほど歩けば王都に付くが我の背に乗れ」

優しいアオトのありがたい申し出を素直に受けた。



とっとっとっと  急いでるわけでも無いのでゆっくりと安定感のある進み具合。
最初の頃に比べたら安心して乗って居られるのは何度か載せてもらってる間に、手綱付けさせて欲しいとお願いしたから。

使ってないシーツを割いて筒状に作りミシンで一気に縫い上げた。

筒の中に 綿を薄く詰め輪っかを3つ 。
首周りと前足に付けた輪っかを落ちない様に 背中でひとつにの紐で纏めて手綱としたのだ。

素人が考える簡易的ではあるが、あるのと無いのでは 安心が大きく変わる。

「コチラに向かってきてる奴が居る」

伏せをしたアオトから素早く降りるとアオトは人形になった。

あのワンピース姿では無く チョコ色のパンツに編上げの黒ブーツ。青いシャツ
そしてなぜかワイン色のベルトに鞘に収まる剣がぶら下がってる

なに？その剣はと 思いつつも、手作り満載の手綱を収納して素知らぬ顔で 歩き出すと直ぐに
「おい、おまえ達待ってくれ」

声をかけてきたのは、口髭を蓄えたおじさん。
その後に、矢筒を背負ってる少年
グラマーな杖をもったお姉さん
帽子を深く被って顔でよく見えないけど、腰に二本の剣がぶら下がってる。双剣使いの男性は女性をお姫様抱っこしてる。チラッと見えたけど かなり顔色が良くない。
総じて言えるのは ボロボロな上に 雰囲気が暗い。

「なんでしょうか？先を急いでるんですけど」

私が応対する前にアオトが応対してくれた。

「すまない、森の奥迄行っていたんだが ジュネラルオークに遭遇してしまってやられたんだ。ポーションを持ってるなら売ってほしい」

「そうなんですか、それは大変でしたねちょっと待ってください」

待ってほしいと声をかけて、リュックを肩紐を外し カバンを前に持って来る。
リュックから取り出すフリでイベントリから取り出すとアオトに手渡した。

どうぞと 手渡したアオト。
ポーションを受け取った 口髭おじさんは急いで お姫様抱っこされてる女性に半分を飲ませ残り腹にかけた。

見えてしまった。服が裂けて 左腹に大きな傷口が見えた。
あの大きな傷でよく助かったものだと感心してしまった。
怪我を負った女性は咳き込んで目を開けた

「あぁ 良かった。ツーリュ」

意識を取り戻した女性に暗かった雰囲気の仲間が笑顔になる。
知らない人達だけど助かって良かった。