異世界無知な私が転生～目指すはスローライフ～

遠のくスローライフ

炭作り見学

裏手に回ると大きな炭作り用の窯が五つあった。

「大きな窯ですね」

「ああ！俺の自慢の窯だ。手前の窯が最初の窯。1番 奥の窯が2年前に建てたばかりだ」

大きな石を隙間なく積み上げた半円の大きな窯の五つ並んだ景色は圧巻だ。

「炭作りに必要なのはまずは上等な木だ。炭に適してる木は1番固いナバの木の5・6年育ってるものがベストだ」

「あそこに積み上がってるのがナバの木ですか？」

家の横に積み上がってる木を見ながら問いかけると ガハハ と笑いながら違うと教えてくれた。

「あれは家用だ いい炭にするには1年かけてゆっくり木の水分を飛ばさないと行けないから あの建物の中に入れてる」

車庫の大きさの建物が三つ建ってる 1つの扉の前に立つと首から下げてる鍵を引っ張り出して鍵を開けて 中を見せてくれた。
椎茸栽培の様に立ててる。

「態々 立てて 乾燥させてるの」

「そうだ。寝かせた方が場所も取らないから便利だけどな 立てた方が1年でムラなく乾燥出来て いい炭が出来る」

「へー、そうなんですね。勉強になります」

「そうだろ！そうだろ！」

すごい自信満々だな。自分の仕事に誇りを持ってないとここまでの自信は持てないだろう。

最初の窯だと紹介された窯を覗いてみると人 1人が中腰になって出入り出来る大きさしかない。入ってみたいが ロングスカートだから当然入れない。

「中に入ってみたいけど スカートだと入れませんね」

「入ってみたいか！なら、俺の妻のでよければ 貸してやるぞ」

「汚してしまうので、」

「気にするな、うちのも真っ黒に汚れるからな。1度 着替えるといい」

どうしようか 考える暇もなく前を歩くドゥマンドさんに付いて 1度 家に入ると兄妹の話声が響いてた。

「まだ 中身 見ないの？」
「まだ見ません！」
「ちょっとだけ 見ようよ」
「執拗い子には見せません」
「父ちゃんが揃ってからだ！」

そんな話し声が聞こえて来るもドゥマンドさんは、ただ笑ってるだけだ。

「チビが多いからな すまんな」

ドゥマンドの声が家の中に響くと 子供達がワァーと、飛びてて来る。

「すまんな。お前さんの 窯に入る時の服をこの嬢ちゃんに、貸してやってくれねぇか？窯の中が見てーんだとよ」

「あら、そうなの？長い髪も汚れない様にしないとねぇ～。コッチにおいで」

手招きされて ドリーさんに付いてひとつの部屋にはいった。

ドアを閉めても 子供達の声が響く。
話題は私が持ってきた 木の箱の中身だ。ドリーさんは笑顔で「ごめんなさいね。」なんて謝って来るけど 小さな子供が集まるとこんなものだと思うと返した。

借りた服を着込み 髪を綺麗に結い上げ 薄い布を巻いてくれた。そんな姿で、もう一度 窯の前に立った。