陸上自衛隊 異世界作戦団

EPIC

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エピローグ:「任務完了」

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 顔面から地面に突っ込んで、尻を突き上げる姿勢で沈んで沈黙したクリエール。
 その直後のほぼ同時、発動者が気絶した影響によって。
 今まさに全てを消し去ろうとしていた魔術にその魔法陣は、しかしその発光を急激に減少させ。最後には儚く、霞が晴れるように消え去った。

「――」

 その、クリエールが今まで立っていた場所に歩み踏み入り。その場の中心に成り代わるように立った亜壽は。
 一度足元に、クリエールが尻を突き上げて沈む姿を見て。それからリボルバーを片手に控えつつ、周囲の状況をクリア。

「――ヨシッッ!」

 そして、周囲のその他の脅威・危機が。すでにほとんど無い事を四周確認から見止め。
 それを持って。亜壽は無力化完了を確かとする一声を、轟くまでの声で張り上げた。


 補足しておくと。
 今のとてつもないまでの一撃は。作戦半ばで、亜壽がリヒュエルたち竜兵を無力化して見せた効果と同系列のもの。
 亜壽自身が、過去の実験の効果からその身に宿したPFE効果。

 亜壽はそれを携え。すでに孤軍奮闘状態であったために真横に隙が出来ていた、クリエールの懐に踏み込み。

 そしてぶっ放った、PFE効果を宿す拳骨の一撃が。
 クリエールの、元来のハイエルフ種としての。同時に、体得する魔法魔術によるものである、比類なきその身の強靭さを――しかし、〝貫通〟。

 クリエールをぶち飛ばして。合わせて発動直前の脅威の魔法現象を、無力化消滅させたのであった。

 もちろん。
 亜壽が一種、アドレナリンマックス状態からの判断で敢行し。結果、偶然うまくいっただけの大分無茶な行動であり。
 戦略戦術性は皆無であることを、ここで言及しておく。

「――……うっそん」
「ここまで来たら、何もツッコまねェぞォ」

 そんな亜壽が。
 鼻血やら涎やらを垂らして、ピクピク痙攣しているクリエールを足元にしつつ。堂々と立ち構えている所へ。
 背後側方より、建物間の路地を抜けて。気絶から回復した可連や、他に仙國や時代、ラーセが追い付き到着。
 それぞれは一応の警戒と援護の態勢を取りつつも。今程に目撃していた、亜壽の一撃によって成功完了された脅威たる敵の無力化について。
 だが、そのぶっ飛びっぷりから。最早表現の言葉も無いというように、それぞれの声を零している。

「警戒は継続しろ、まだ残敵の可能性がある。それと、脅威存在の確保を」

 そんな、若干引き気味の各々へ向けて。
 しかし当の張本人は、まるで大きな事は無かったかの様相で。
 まずはクリエールを視線で示し、それから周囲に視線を向けつつ。そんな諸々の行動を指示する言葉を告げる。

 そんな所へ。ここまで向こうでクリエール筆頭の残敵を相手取っていた自衛隊各隊に、さらに増援として駆け付けた他各隊も到着。
 上空には戦闘ヘリや偵察観測ヘリなどの、ヘリコプター隊も飛来。

 それぞれは押し上げて来て地上周辺や上空で、展開ないし警戒配置に付き。交差路の周辺一帯の制圧無力化へと掛かっていく。

 なお、その途中で少なからず。
 驚愕どころではない手段で、脅威を無力化して見せた亜壽を。
 一応称え、感謝するジェスチャーなどは寄越しつつも。正直驚き、というより呆れと引き気味な色で見てくる隊員各位が散見されたが。

「自分等も、続けるぞ」

 そんな内で、しかしまた当の本人だけは。
 端的な色で、自分等の任務行動をまた継続する旨を、周りの各員へ告げる。

 そんな、ブレない亜壽の様子に。
 可連がゲンナリとした色で溜息を吐いたり。
 仙國は「ヘェヘェ」と呆れと皮肉全開の色で返事をしながら、両手を翳す投げやりなジェスチャーを見せたり。
 時代は変わらず端的な返事を寄越し。ラーセはもはや言葉も無く、ポカンとした様子を見せ。

 とてつもない脅威を、とんでもない手段をもってして無力化して見せた。驚愕の起こりの後だというのに。
 亜壽始め各々は、特別な事は無いとでも言うように。ここまでと変わらぬ、淡々と端的なやり取りで。
 その一区切りを締めくくった――



 結果。
 ウォーシャ県連合のこの地域一帯を舞台とした攻防戦は。自衛隊と、協力した同盟軍の勝利に終わった。

 帝国軍にあっては、その残存兵力の一部こそ敗走脱出を認めてしまったが。
 ほとんどは戦闘の果てに無力化され。いくらかは自衛隊に投降、ないし確保拘束される事となった。
 その中には、第231独立戦車大隊大隊長クリエールと、その配下の兵も含まれた。

 今回の作戦行動の主力となった、陸上自衛隊 外域作戦団にも。決して少なくは無い被害が発生したが。
 外域作戦団を始めとする、作戦に参加した各隊は。
 その任務を見事に完遂したのであった――



 今作戦において、最後の苛烈な戦闘の場となった。そしてクリエールが最後の舞踏の場とした交差路。
 その中心で、破壊されて沈み鎮座する重戦車。クリエールの車輛であったレオンファーツ。
 その砲塔上に。キューポラに片足を掛けて立ち構える、他ならぬ亜壽の姿があった。
 その背後足元、車体上にはタブレットを弄りつつ一緒に居る可連の姿も見える。

 作戦の大きくは完了終結を迎え。
 現在、外域作戦団を中心に自衛隊各隊。、戦闘後処理に調整他に追われている最中にある。
 亜壽と可連もそれに当たっている身だが。今はそれを片手間に進めつつも、暇を見つけて一息を着いている最中であった。

「ふげ……しんどかった……っ」

 可連はタブレット操作の片手間に、そんな疲労混じりの溜息を漏らしている。

「一区切りついたら、よく休んでおけ。まだ向こうさんの一手を挫いただけだ、こっからだぞ」

 そんな可連に向けて、促す言葉を降ろしながらも。
 亜壽はレオンファーツの上から、良く見通せる大通りの向こうへと視線を向けている。
 それはまるで、これよりのさらなる戦いを見通しているようだ。

「はぁ……こっから、どうなるんです?」

 それを受けた可連は、また深い溜息を吐き。
 分かってはいるが一応聞くかという様子で、そんな尋ねる言葉を亜壽に上げて返す。

「知らないのか?」

 それに、亜壽は堂々とした姿で向こうを見据えたまま返す。

 そのタイミングで、轟音を届け降ろしながら。二機の機影が、空自のF-3A戦闘機が立て続けに上空を飛び抜け通過。
 向こうの大空へ。新たな作戦空域でのさらなる航空優勢確保のために、飛び向かって行く。

「一層ドでかい、ぶつかり合いが始まる――」

 その、上空向こうへ飛び向かって行く味方航空機編隊を、見上げて視線で追いつつ。
 亜壽は今の可連の言葉に、端的かつ堂々とした一言で答えた――


 この動乱渦巻く、異世界の地を。
 自衛隊は、そして亜壽等は。その携える力をもって。
 より一層、苛烈に掻き回すこととなる――


――――――――――


以上で終了です。

ここまでお読み頂いた通り、トンデモに頼りまくったトンデモ話でした。
「力こそパワー」です。

ありがとうございました。
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