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第1部までのあらすじ

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 北海道の地を中心に、日本全土で行われていた大規模な演習の最中。
 日本国陸隊の有事官、〝制刻ぜいこく 自由じゆう〟と陸隊の各職種混成の約1個中隊は、作業服と白衣姿の謎の人物の企てにより、異常現象に巻き込まれ未知なる世界へと飛ばされてしまう。
 そこは剣が力の象徴とされ、魔法が存在し、モンスターが跋扈。さらには魔王なる存在が目覚め、それを討つべく勇者と呼ばれる者達が巡る世界であった。

 元凶である作業服と白衣の人物曰く、「異世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ち異世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。

 その人物の言はともかく、異世界で手探りながらも調査に乗り出した日本国隊。
 その上で異世界の人々やコミュニティと接触し、時に救い、時に協力。時には敵対する者達と戦いながらも、掌握の範囲を徐々に広げ、その土台を整えつつあった。
 そんな途中で発覚したのは、自分達の他に日本国民が、この世界に迷い込んでいるかもしれないという可能性。
 これを放ってはおけず、日本国隊はその国民の保護、回収作戦を発動。
 幾度かの行き違いと、その国民を狙う異世界勢力との苛烈な戦闘の果てに、日本国隊はついに国民との接触、保護に成功する。
 しかしそこへ襲い来た、予期せぬ敵対勢力の軍勢の襲来。
 万事休すかと思われたそこへ現れ日本国隊を救ったのは、一機の戦闘機であった。

 さらにそれに続くように、航空基地が転移出現。
 それに留まらず、陸隊戦闘団を名乗る呼びかけの無線や、海隊ミサイル護衛艦発見の報等が、続々と飛び込んでくる。

 続々と現れる日本国隊各部隊。
 これは歓迎すべきものか。それともさらなる激しい戦いの予兆か。

 巨大な激突の気配が、制刻等に、そして日本国隊に迫る――
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