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チャプター2:「凄惨と衝撃」

2-1:「Old Memory ―Battle Over Karahuto― Again」

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◆注意喚起
当チャプター2は残酷でグロテスクな描写。人によっては不快に感じる可能性のある、ぶっちゃけキッツイ描写を多分に含んでおります。
残酷なシーンを含むチャプターにはタイトルに※マークを記しておきますので参考にしてください。


――――――――――


 それから制刻等は準備を終え、豊原基地のあるスティルエイト・フォートスティートへと戻るべく、仮設駐屯地を出発。南下ルートを取り、行程を開始した。
 道中近場には、絹織の町という小さな町があり、そこにも77戦闘団から発出した一個班が、周辺観測、情報収集、連絡等の役割のために、駐留しているという。
 制刻等もまずは一度その絹織の町に立ち寄り、駐留する班と連絡、情報交換を行う予定であった。
 現在、制刻等は車輛により、その町へと続く轍でできた道を進んでいる。
 車列は先頭を、敢日が操り、制刻が助手席に乗るパジェロが務めている。
そして二番手には新型73式小型トラックが続く。これは直宇都が自らドライバーを務め、策頼が荷台に据えられたMINIMI MK.3に着き、警戒に当たっている。
そして殿を、走行モードのGONGが続いていた。

「――二尉。自由さんと、あの一佐に何があったか聞いても?」

 その車列を成す内の、新型73式小型トラック。その上で軽機に着く策頼が、運転する直宇都に向けて、唐突に質問の言葉を紡いだのは、行程が始まって少し経った時であった。

「え?あぁ、えぇ……」

 それまで少し近寄りがたい雰囲気で、一言も発することなく警戒に着いていた策頼に、直宇都はやりづらさを感じていた。そんな策頼からの突然の質問の言葉に、直宇都は始め少し戸惑い、それから取り繕うに返事を返した。

「えっと……どこから話すべきかしら?一士、あなたは自由について、どこまで聞いてるの?」
「樺太事件の際に、部隊間相互教育プログラムで、77普連に出向していたという事までは」

 直宇都の少し探るような言葉に。策頼は淡々とした口調でそう答える。
 部隊間相互教育プログラム。
 これは陸隊が行う施策の一つであり、各部隊が所属隊員を一時的に出向させて交換し合い、互いの部隊の練度向上を図る事を目的とした物だ。
 制刻も、この施策により一時期、54普通科連隊から77普通科連隊へ出向していた時期があった。

「じゃあ、そこからね――」

 それを確認し、それから直宇都は紡ぎ始める――
 制刻等が、この異世界に飛ばされた時を起点として、それより二年前。
 ロシアでクーデターが勃発。政権を与奪したロシアクーデター軍が、かつてのロシア、ソビエト領へ侵攻を開始。極東の地では、日本が領有する樺太島南の地、樺太県にその手が伸びた。
 これは後に、樺太県侵犯事件と呼ばれるようになる。
 その樺太事件勃発の際、制刻は77普通科連隊に出向し、在籍していた。
 クーデター勃発から程なくして、ロシアクーデター軍の極東方面軍は、南北樺太を隔てる国境線を越えて、樺太県の地へと進行を開始。
 ロシアでのクーデター発生の報が届き、丁度国境線近くの演習場で行われていた演習から転じて、警戒態勢に入っていた制刻と77普通科連隊は、大挙して迫るロシアクーデター軍の真正面に位置する事となった。
 日本国隊全体が大混乱にある中、制刻と77普通科連隊は敵の行動延滞に努め、後方の隊主力の配置や、無防備な部隊の後退。そして、取り残された民間人の避難のための時間を稼いだ。
 その最中に、制刻と穂播の確執の原因は、起こったという。
 当時、混乱下でその場の最高階位者、責任者となった穂播は、目と鼻の先まで迫ったロシアクーデター軍の戦車の大群に対して、砲撃と、航空隊への航空支援要請を決定。
 これは、ロシア側も急な侵攻でまだ足並みが揃い切っておらず、航空優勢も行き届いていないそのタイミングで、ロシアクーデター軍の出鼻を挫ける絶好のチャンスであった。
 しかしこれは、先に展開していた制刻等77普通科連隊の一部と、他、残った各隊。そしてまだ避難できていない民間人を巻き込む可能性の高い物であった。
 だが、穂播は自らの全責任を以て、砲撃及び航空攻撃を決断。
 ――そして、迫るロシア軍の機甲部隊と、制刻等の元へ、砲弾や爆弾、他暴力の雨が降り注いだ。
 幸いにして制刻等の手により、民間人はギリギリの所で脱出避難に成功していた。
 しかし少なくない味方、日本国隊隊員が、その味方からの暴力の雨に巻き込まれ、犠牲になったと見られている。

「そんな事が――」

 直宇都から紡がれ語られた当時の事実に、策頼はその淡々とした声に、少し難しい色を見せて呟く。

「当然、穂播一佐も簡単に決断した訳ではないわ。とても重く、苦しい決断だったのよ」

 当時、新任の三等陸尉として穂播の元へ着任したばかりであった直宇都は、その時の穂播の姿を見ていたという。
 部下の手前、毅然とした態度を崩さなかったが、自らの指示要請が形となり、味方や自身の連隊の隊員が犠牲となった時、穂播はその拳を握り、血を流していたと言う。

「穂播一佐は、今での当時の決断を重く悔いているわ。――でも、一佐の決断が無ければ、もっと多く、とてつもない犠牲が出ていた」

 続け紡ぐ直宇都。
 穂播の決断要請した砲撃、航空支援は、ロシアクーデター軍地上軍の出鼻を大きく挫く事に成功。大きな時間を稼ぎ、その後の陸隊の態勢構築、及び数多の国民、樺太県民の避難に寄与した。
 穂播の決断が無ければ、味方、そして民間人から、おびただしい数の犠牲が出ていたであろう。

「なるほど――それで、自由さんの方は?」
「えぇ――」

 策頼の質問に答え、直宇都は今度は制刻の当時の動向を紡ぎ始める。
 制刻は、予想道理というか当時から健在の超常的身体能力で、砲弾と航空攻撃の中を生き残っていた。
 しかし当時、制刻の所属し、前線に位置していた第77普通科連隊、第7中隊、第2小隊は、ほぼ壊滅状態に陥ったという。
 生き残りも散り散りになり、小隊長等の幹部はおろか、主要陸曹の姿すら見当たらない状況であったらしい。
 使える無線すらなく、どこの指示も得る事の出来ない。穂播の決断した攻撃により、出鼻こそ挫いたが、後から続くロシアクーデター軍の本体が、いつ押し寄せて来るかもわからぬ状況。
 そんな中で制刻は、居合わせた生き残りを掻き集めて、チーム――組を臨時編成。
 なんとそれを率い、混乱下に乗じてロシアクーデター軍の後方への、浸透を試みたのだという。
 その行動理由には、まだ味方の再構築と民間人の避難には、さらなる時間稼ぎが必要であるとの判断が。そして、自分等や民間人ごと吹き飛ばそうとした上層部に対して、見切りを付けたのではないかと、直宇都は推察の言葉を紡ぐ。
 ロシアクーデター軍の後方への浸透に成功した、制刻率いる一組は、そこから後方を縦横無尽に駆け、破壊工作を行って回った。
 ロシアクーデター軍の後方補給線に急襲、破壊工作を仕掛け、その侵攻速度を遅延。
 さらには後方各所に展開していた、ロシアクーデター軍側の近~中距離防空兵力、陣地を破壊無力化し、ロシアクーデター軍側の防空網に穴を空けた。
 侵攻速度の遅延は、日本側の態勢構築の時間猶予をさらに稼ぎ、防空網に穴が空いた事は、日本側の対地航空支援の投入を容易にした。
 これ等は、戦局に多大な影響を与え、日本側の形勢有利に寄与。反抗作戦への足掛かりとなり、やがてはロシアクーデター軍を押し返し、押し戻す事へと繋がった。

「相変わらず、規格外の人だ」
「えぇ……」

 そこまでの話を聞き、策頼は感嘆の声を発する。そして直宇都も、不服そうながらもそれに同意する声を零す。

「しかし、そこまでの活躍をして、なぜ降任されたんです?」

 そこで策頼は、疑問の言葉を発する。
 制刻は、英雄と言えるまでの活躍をしたにも関わらず、樺太事件を機に、降任をされているのだ。

「指揮下を離れた勝手な行動が、問題とされたのよ――それにアイツ、行動中に色々無茶をしたみたいね」

 直宇都が話す所によると、本来ならば後退して指揮下に復帰すべき所を、勝手に隊員を率いて独自行動を行ったことが、まず問題とされたらしい。いや、それでも活躍と与えた影響を考えれば、降任処分までは行かないだろう。
 どうにも制刻は、浸透しての活動中に、予勤の権限を越えての行動を行ったようだ。
 命令系統を無視しての、野砲科隊や航空隊への支援要請。
 各隊各方への独自のコネクションを持っての要請。隊本隊側の反抗作戦への、横やり割り込み。一部局地的に、制刻を中心に作戦が動いた程であったという。
 その他、勝手な行動の数々を問題視されたらしい。
 そして極め付けは、ロシア本国でクーデターが鎮圧され、樺太での戦いも終結し、制刻が戻って来た時であった。
 制刻は穂播に、そしてその上の上層部から勝手な行動を咎められた。しかし対する制刻は、最初に味方を犠牲とし、民間人さえも巻き込みかけた攻撃について、穂播を、そして上層部を苛烈に、徹底的に非難し罵ったと言うのだ。
 穂播こそそれも仕方ない事と受け止めようとしたが、上層部はそれをとどめに、制刻の一連の行動を、明確な組織からの離反行為、上官反抗と認めた。
 結果、制刻にはそれに対する処分が下される事となった。
 しかし、それには制刻の活躍成果、今回の樺太事件解決への影響は大き過ぎ、制刻に関係した、特に制刻に救われた周り各所は、制刻への処分に激怒した。
 だが結局、周りへの配慮と、そして制刻の功績を鑑み、上層部はその処分を大きく軽減させる事こそした物の、処分事態を撤回する事は無かった。
 そして制刻には、一階級――予勤より陸士長への降任が言い渡され、そして原隊である54普通科連隊へ返される事となったのであった。

「そんな事が――」

 そこまでの話を聞き及び、策頼は発しそして小さく溜息を吐く。

「正直、私はアイツの事は気に入らないわ。けど、その時の立場から見れば、アイツの気持ちも分からなくはない」

 直宇都は、そんな言葉を紡ぐ。

「でも、穂播一佐も内心では苦しんでいるのよ。立場上、制刻の行動を看過することはできず、厳しく振舞っているけど――アイツにもそれを分かってほしい物だわ」
「難しいですね。制刻さんも、その一佐の決断で犠牲になった味方の事を考えれば、それを仕方ない事などと、する事は出来ないんでしょう」

 続き言葉を並べる直宇都。それに策頼も返す。

「正しさとかは分からない。けど、どちらもそれで救えた命があった選択だ」

 そして策頼は、視線を起こして前を行くパジェロを見て、そう発する。
 その向こう。轍の先に、中継地点である絹織の町が見えてきていた。



 町に辿り着いた制刻等は予定通り、77戦闘団より発出して駐留している、一個班と合流。しかし制刻等は早々、その合流した一個班の様子に訝しむ事となった。
 班の隊員等は、何か難しい様子で警戒態勢を取る、装甲車を回し陣取らせるなど、物々しい様子を見せていたのだ。
 確かに、先の77戦闘団主力の位置する綿包の町では、戦闘が終結したばかりであり、その後方であるこの絹織の町周辺も、予断を許さぬ状況ではある。しかし班の様子は、それを鑑みても物々しさが過ぎた。
 その理由の説明を受けるべく、制刻等は班の隊員の案内を受け、班の指揮官の元を尋ねた。
 広くは無い絹織の町の町並みを抜け、中心部近くの一角へ出る。
 すると真っ先に、町内の広場に鎮座する、異質な物体が目についた。
 計8つの大きな車輪を備えた、鋼鉄の車。
 22式装輪装甲車――開発段階ではMAVと通称された装甲車が、そこに鎮座していた。96式装輪装甲車の後継として開発、採用配備された車輛で、96式に似ながらも、よりなめらかとなった装甲処理が特徴的だ。
 そしてそんな22式装輪装甲車の隣で、声を張り上げる一人の男性隊員の姿がある。

「――そう。整ったら、22も南側の門に持ってく」

 22式装輪装甲車の車上のドライバーと、何等かの言葉を交わしていた隊員は、そこで自らに接近する気配に気づき、振り向いた。

菅立すがたて二尉、先に通達のあった方達です」

 振り向いたその隊員に、制刻等を案内して来た隊員が言葉を送る。その言葉と、振り向いたその隊員の襟に見える階級章から、菅立と呼ばれた彼が二等陸尉であることが分かった。

「菅立二尉。本部管理中隊、情報小隊の直宇都二尉です」

 その菅立に、直宇都が先んじて己の所属姓階級を名乗り、敬礼。

「あぁ、来たのか――第7中隊、第1小隊の菅立二尉。悪いね、出迎えも出来ず。ちょっと、忙しくなってね」

 それに菅立も己の所属姓階級を名乗り返し、そして、どこか柔らかい口調でそんな詫びる言葉を述べる。

「それと、懐かしい顔がいるね。話は本当だったのか」

 それから続け菅立は。直宇都の隣に視線を移して、そこに居る制刻の姿を見止めてそんな言葉を発した。

「久しぶりだ、制刻予勤」
「えぇ、どうも。菅立二尉」

 懐かしむ様子で、菅立は制刻の名と階級を呼ぶ。対する制刻は、いつもと変わらず端的な口調で、それに返した。

「無事、復帰したようで」
「あぁ。おまけに、当時は中隊付きの新米だった僕が、小隊を任せられるまでになったよ――あの時、君が救ってくれたおかげさ」

 そして続け制刻が発した一言。それに、菅立はそんな言葉を紡ぎ、そして制刻に向けて、感謝する言葉を発した。
 先の道中、直宇都と策頼の会話で上がった、樺太事件初期段階で慣行された、味方を巻き込んでの砲撃空爆。当時、菅立はそれに巻き込まれ、負傷を負った。そしてその際、制刻に救われた過去があったのであった。

「君の話も聞いてるよ。降任処分だなんて、憤りを感じて止まない――」

 そして、制刻が降任された件を口にし、不服と残念さの混じった様子で言葉を零す。

「あぁ。それに関してなんですが、ついさっき予勤に戻されました。穂播のヤツの企みで」
「それは――本当かい」
「えぇ」

 驚く様子を浮かべた菅立に対して制刻は、今しがた自分が階級を戻された件を、話して見せた。それに驚く様子を見せた菅立に、制刻はまだ縫い付けていない予勤の階級章を、取り出し翳して見せる。

「それはいい知らせだっ。――やっぱり穂播一佐も、本心では君を評していたようだね」
「どうですかね」

 聞かされた報に、うしれそうな声色でそう発する菅立。しかし対する制刻は、どこか白けた様子で、そんな一言を零して見せた。

「あの、菅立二尉……そろそろ、よろしいですか……?」

 そんな会話が交わされていた所へ、おずおずとした言葉が割り込まれる。見れば傍に立った直宇都が、少し困った様子を浮かべていた。

「あぁっ、ごめんごめんッ。つい、話し込んじゃった――っ」

 割り込まれた直宇都の言葉に、菅立は困り笑いを浮かべながら、謝罪の言葉を発する。

「えっと……どうにもこちらの班は警戒態勢に入っているようですが……何かあったのですか?」
「うん。説明するよ――」

 そんな菅立に、状況を尋ねる直宇都。それを受けた菅立は、その顔を真剣な物に変え、そして説明の言葉を紡ぎ始めた。
 菅立の話によれば、どうにもこの絹織の町より南方から来る予定となっている、商隊や荷物、他来訪予定者が、二日前から悉く到着していないのだという。
 ここより南方には、愛平の町という国境線近くの町があるという。
 不審に思った絹織の町は、その愛平の町に便り馬を出したが、それすらも帰ってこなくなったと言う。

「そりゃ、臭うな」

 一連の説明を聞き、制刻が一言零す。
 それ等の出来事により、いよいよ町の住民達が事を大きく見始めたのがつい先ほど。そしてその事態は菅立等にも伝わり、班は警戒態勢に入ったとの事であった。

「さっき、戦闘団本部にも報告の一報を送った所だよ。君達とは、入れ違いになってしまったみたいだね。――窓陽まどひ一士、地図をお願い」

 菅立そう説明の言葉を発し、それから一緒に居た陸士に地図を要請。
 陸士はこの世界の物であろう、地図を取り出し広げ差し出し、制刻始め各々は、それに視線を落とした。
 それはこの近隣の地形配置を描いた物であった。

「ここが、今僕等がいる絹織の町。そこからほぼ真っすぐ南下していった先、隣国との国境付近にあるのが、愛平の町。おそらくこの町で、何か起こっている物と思われる」

 菅立はその地図上で指先を走らせ、それぞれの位置関係を説明して見せる。

「――面白くねぇ、位置関係だな」

 そんな所へ、制刻がそんな言葉を零した。
 制刻は、菅立と入れ替わり引き継ぎ、地図上でその禍々しい指先を走らせる。
 制刻の指先は、愛平の町よりさらに南下し、国境を描く線を越える。そして入ったのは、隣国、〝紅の国〟の領地。そこからさらに南下して行った先にあったのは、〝草風の村〟。
 そこは、制刻等の所属原隊である54普連を中心とする各隊の指揮所が置かれ、そして現在活動の中心となっている場であった。

「ここ――確か54普連が指揮所を置いている所ね……?」

 制刻の隣でその指先を追っていた直宇都も、その事に気付き言葉を発する。

「あぁ――丁度、延長線上に面倒事が居座ってやがる」

 制刻はそれを肯定。そして面倒臭そうに発する。
 その問題が起こっているとされる愛平の町は、77戦闘団の現在位置と、54普連の現在位置を結んだ、直線上に存在していたのだ。

「ッー……これは、歓迎し難いね……」

 それを聞き、菅立も難しい顔で呟く。
 その愛平の町で何が起こっているのかはまだ分からない。しかし、懸念すべき要因が77戦闘団、54普連それぞれの近隣に存在し、その後方を脅かしている。そして両者を結ぶ連絡路を隔てている今の状況は、菅立の言葉通り、歓迎し難いものであった。

「まず、状況を把握しないと……しかし……」

 そう言葉を零すも、しかし菅立は続き渋い様子を見せる。
 何が起こっているか分からない以上、偵察隊を向けるのであればそれ相応の備えをさせる必要がある。しかし今の77戦闘団は、綿包の町に主力を投入している他、各方にも偵察警戒のための分~小隊を派遣している状況であり、これ以上の余力は無いのが現状であった。

「こっちから隊を出すのは、難しいか……」
「んじゃ、ウチから出しましょう」

 苦い言葉を発した菅立。そんな所へ、制刻がおもむろに発した。

「向こう(54普連)からなら、装甲小隊が出れるはずです――」
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